DMM英会話ブログ編集部
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シドニーの観光名所としてよく名前の挙がる「ブルーマウンテン」。
ユーカリの森に覆われた渓谷には、数億年前、南半球にオーストラリアも含む巨大な大陸があった「ゴンドワナ大陸時代」から残っている動植物も多く、2000年に世界遺産に登録されて以来訪れる観光客が年々増えています。
このユーカリの油分が気化して日光に反射すると、遠くからは青い霧に包まれたように見えることから「ブルー」マウンテンと呼ばれるようになったとか。
今回はそんなブルーマウンテンの溢れる魅力を紹介します。
ブルーマウンテンとはシドニー南西部にある100万ヘクタールに及ぶ自然国立公園で、2000年に世界遺産にも登録されています。
合計8つの保護区域で構成されており、ゴンドワナ大陸時代から残っている多様な動植物は生態学的にも貴重な研究対象でもあります。
毎年400万人近くが訪れるブルーマウンテンには、おさえておくべき多くの見どころがあります。
ジェミソン渓谷が見張らせるポイント「エコーポイント」からは、ブルーマウンテンの美しいランドマークであるスリーシスターズを見ることができます。
スリーシスターズとは渓谷にそびえ立つ3つの砂岩で、何千年もかけて形成された砂岩が腐食によってこのような形になったと言われています。
諸説ありますが、オーストラリアの先住民族アボリジニの伝説によると、昔このあたりに住んでいたカトゥーンバ族の3人の姉妹が岩にされたことから「スリーシスターズ」と名付けられました。
カトゥーンバ族とネパーン族の戦争に巻き込まれそうになった3姉妹に危害が及ばないよう、魔術師の父が姉妹を岩に変えてしまうのですが、その父が戦争で亡くなったため姉妹は今も岩のまま...という伝説です。
それぞれの岩の高さは約1kmとなり、エコーポイントから見張らすことのできるユーカリの渓谷と、そこからそびえ立つ巨大なスリーシスターズは、毎年訪れる何百万人もの観光客を圧倒しています。
エコーポイントは野外の見晴し台ですので、入場料等はかかりません。
また時間と体力がたっぷりある人向けですが、このスリーシスターズに張り付くように設置されている何百段もある階段を降り、後に紹介するシーニックワールドまでハイキングできるコースもあります。
ハイキングコースは2時間なので、時間に余裕がある場合は是非挑戦してみてください。
シーニックワールドは、ゴンドラやスカイケーブルなど、ブルーマウンテンの渓谷地形を利用したアトラクション施設です。
特に上記写真の「シーニック レイルウェイ」は、52度の傾斜を崖沿いに降りていくアトラクションで、スピードはそれほど出ないものの、思ったより急な勾配に思わず悲鳴が上がります。
ただ、アトラクションが進むにつれて視界に広がる渓谷は絶景。思わず乗っている全員から感嘆の声が漏れるほどです。
アトラクションから降りた後は、ゴンドワナ大陸時代から残る古代の森を散策して、「シーニック ケーブルウェイ」で戻ってくることができます。
すべてのアトラクションが楽しめる一日チケットが大人1人39ドル、子ども1人21ドルで購入可能です。
ブルーマウンテン鍾乳洞「ジェノランケーブス」はメディアの海外旅行特集などでも登場する石灰岩でできた世界最古の洞窟の1つです。
ジェノランケーブスは11の洞窟からなりますが、なかでもオリエント・ケーブは、ほかの10の洞窟と比べても一層美しい鍾乳洞を見られるので一番の人気。ツアーの予約ははやめに取りましょう。
自由時間が余っているなら、いくつかのハイキングコースを辿って美しい湖を訪れることもできます。
ブルーマウンテン最寄りの鉄道駅であるカトゥーンバ駅からジェノランケーブスへのバスの本数は少ないため、公共交通機関ではなく、レンタカーかツアーで行くことをオススメします。
最後に地元ルーラの街の紹介です。この街は、後ほど紹介するブルーマウンテンの観光バスの最終停車地です。
ルーラの街は可愛い雑貨屋さんやカフェがメイン通りに並ぶだけの小さな街ですが、全世界どこにいってもあるブランドではなく、店主のこだわりが見える革製品のお店や小さな街の本屋さんなど、個性的でユニークな店をまわることができます。
メイン通り「ルーラモール」は “男性は1分で通り過ぎるところを、買い物好きな女性は1時間かけて通る” なんて言われていますが、ここでメイド・イン・オーストラリアのお土産を探してみるのはいかがでしょうか。
少し疲れたら、デリや軽食を楽しめるカフェも数件あり、一息ついて窓の外に広がる渓谷を眺めるのも一味違ったブルーマウンテンの楽しみ方。
ひととおり観光が終わったら、メイン通りの端にあるルーラ駅からシドニー市内へ帰ることができます。
また、ルーラモールには桜並木があり、春に訪れると満開の桜を楽しむことができます。
この桜はいつ誰がどのように植えたものかの記録は残っていないのですが、種類が日本桜であるため、日本の春のように美しい桜並木が楽しめます。
ルーラガーデンフェスティバルという春限定のフラワーイベントも開催されています。
シドニー市内から長距離列車でアクセスが可能です。
シドニーセントラル駅からブルーマウンテンラインの電車に乗り、カトゥーンバ駅を目指します。
電車は1時間毎に出発しています。
乗車時間は約2時間で、料金は通常片道15ドルほど。ただし日曜日にオパールカードを利用すれば2.5ドルで往復できます。
ブルーマウンテン最寄りのカトゥーンバ駅についたら、二階建ての観光バス「ブルーマウンテン・エクスプローラー・バス」がお得です。
上記でも紹介したエコーポイントやシーニックワールド、ルーラの街などの観光地をぐるぐる回ってくれるバスで、30分1本の間隔で走っています(鍾乳洞へは行きません)。
詳しいルートと時刻表はBlue Mountains Explorer Busのサイトから確認できます。
カトゥーンバ駅から出るとチケットオフィスがあり、そこでチケットを購入できます。チケットは大人1人44ドル、子ども1人22ドルで、買ってから3日間有効です。
一点注意が必要なのは、このバスは片道運行だということ。
エコーポイントで降りた後でシーニックワールドへ戻りたい、という場合は、徒歩かタクシーになってしまいます。
観光バス利用の際は、事前に降りるところを決めてから乗りましょう。
シドニー市内から車でブルーマウンテンに向かう場合、M4と呼ばれる高速道路を利用して約1時間半かかります。
ブルー・マウンテンの主要な道の1つは、ジェミソン渓谷に沿って続くクリフドライブ(Tourist Drive 5)です。この道を通ると、崖っぷちから眼下に広がるユーカリ森林を見下ろせる、息を呑むような景色に出会うことができます。
ブルーマウンテンを巡る日本語ツアーも多く出ており、旅行会社のサイトなどで日本からでも予約が可能です。
特に鍾乳洞へのアクセスは公共交通機関では難しいため、現地でレンタカーを借りる予定のない人はツアーで行くことをおすすめします。
ツアーはシドニー市内のフォーシーズンスなどの有名ホテルで集合・解散し、バスで移動することがほとんどです。
ブルーマウンテンを訪れるおすすめの季節は「冬」。この時期に一番観光客が多くなります。
南半球の冬なので4月から9月にかけてですが、この時期は降水確率が低くたくさんのイベントも開催されています。
霧がかかる確率が低く空気が澄むため、渓谷を遠くまで見渡すことができ、遠くのほうはその名の通り碧みがかって見えます。
しかしシドニーよりも気温が低くなるため、防寒対策はしっかりして行きましょう。
冬以外の季節はブルーマウンテンは霧がかかってしまう確率が高くなりますが、それがかえって幻想的で良いという観光客もいるようです。また、春はルーラの街の桜並木も含め、ブルーマウンテンの植物が一斉に花開く時期。
訪れる時期によって違う表情を見せてくれるのも、ブルーマウンテンの見どころと言えるでしょう。
ブルーマウンテンの魅力と見どころが伝わったでしょうか? 人間の記憶を遥かに超えた古代から残る自然に癒されてみてくださいね。シドニー観光に来るあなたが、ブルーマウンテンを満喫できることを願っています。