Doga
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こんにちは。
トロント在住のDoga(@DogadogaTv)です。
初めての留学先として人気のカナダですが、英語を学ぶことに関してカナダが適していると言われる理由はなんなのでしょうか?
今回は、知っているようで知らない「カナダ英語」の代表的な特徴を、私たちが学校で学んだ「アメリカ英語」と比較しながらご紹介したいと思います。
「中心(地)」を意味するアメリカ英語の「center(センター)」という単語は、カナダ英語では「centre」と綴ります。大体どこの街でも「Rogers centre」のような「〜センター」という建物があるので、慣れていないと「centre」を見て不思議に感じてしまうこともあるかもしれませんね。
カナダにはイギリス統治下の名残が今なお多く残っており、この「centre」もイギリス英語の影響です。ちなみに、発音記号は「center」と同じ「sénṭɚ(センター)」なのでご安心を。
こちらもイギリス英語と同じです。少し紛らわしいですが、カナダでは「colour」を使うのが一般的。
学校でも両方習いましたよね? 発音記号はともに「kˈʌlɚ(カラー)」となります。
こちらもイギリス英語と同じ。「小切手」を意味する「check(チェック)」は「cheque」と綴ります。
発音記号も同じ「tʃék(チェック)」です。
アメリカではよく、「〜だよね?」や「〜でしょ?」を意味する「〜, huh?」や「〜, right?」が文末に使われるのですが、カナダではその代わりに「〜, eh?」が使われます。
この表現は、アメリカ人とカナダ人の違いを説明する時にもよく例に出されますね。個人的には、「huh(ハ)?」よりも「eh(エイ)?」の方が、使いやすいなと感じます。
発音は「エイ?」という音に近く、日常生活でも注意して聞いてみると、割とよく皆「エイ?」「エイ?」と使っています。カナダのCBCニュースでは「なぜカナダ人は『eh?』と言うの?」という動画も過去配信されたほどです。
アメリカ英語では炭酸飲料全般のことを「soda(ソーダ)」と呼びますが、カナダ英語では「pop(ポップ)」と呼びます。
日本では「ソーダ」という特有の飲み物がありますので、カナダ英語の pop の方が、逆に混同せずに分かりやすいかもしれませんね。しかし、カナダには「Cider(サイダー)」という、発泡性の果実酒もありますので、こちらは混同しないように注意が必要です。
アメリカでは「hydro(ハイドロ)」は「水力発電」や「水力発電所」を意味するのですが、カナダでは「電気(electricity)」を意味します。もともとカナダの電力が水力発電に多く頼っていたという背景から来ているようです。
住むことになった物件で電気代についての説明を受けたり、明細を確認する際にはよくこの「hydro」が使われますので、覚えておくと便利ですね。
アメリカではトイレのことを「bathroom(バスルーム)」や「restroom(レストルーム)」と呼びますが、カナダでは「washroom(ウォッシュルーム)」と呼ぶのが一般的。
ただ、もちろん普段の生活では「bathroom」と言っても大体通じますのでご安心を。
水道の蛇口のことをアメリカでは「faucet(フォーシット)」と言いますが、カナダでは「tap(タップ)」が使われます。
個人的には tap の方が親近感があるのですが、皆さんはいかがでしょうか?
よくアメリカ人との違いでステレオタイプ的に使われたりるするのですが、カナダで英語では「ou」の音を「アウ」ではなく、「オウ」に近い音で発音します。有名な例が「About」という単語で、アメリカ英語だと「アバウト」と発音するのに対し、カナダ英語では「アブート」と発音します。
ただ、実際に暮らしていると、皆がこのように発音しているというわけでもなく、少し大げさに違いを表現する時に使われる程度です。
アメリカ英語ではアルファベットの「z」をジーと発音しますが、カナダでは「ゼッド」と発音します。有名な漫画『ドラゴンボールZ』でもこのゼッドを使っていますし、日本人の私たちからすると、それほど違和感はないかもしれませんね。
今回紹介したように、カナダ英語のスペル、単語、発音にはアメリカ英語と異なる点が他にもたくさんあります。
そのため、アメリカ英語の方に馴染みのある私たちからすると一瞬不安になるかもしれませんが、実はアメリカ英語に比べてカナダ英語の方がクリアで聞き取りやすいという声もよく聞きます。
私個人としても、アメリカ人の英語の発音は、単語ごとが繋がって聞こえるため、多少聞き取りずらいと感じてしまうことがあります。それに対し、カナダ英語は単語それぞれの切れ目がクリアで聞き取りやすい印象です。
個人的な話になってしまいますが、英語を学んでいた高校生の頃、当時流行っていたカナダ出身のアーティスト「アヴリル・ラヴィーン」やカナダ出身のバンド「シンプル・プラン」の英語の歌詞が聞き取りやすく、「なぜだろう?」と疑問に思っていたこともありました。
もちろん、これには個人差がありますし、カナダの地域によっても異なりますので一概には言えませんが、英語を学ぶ身としては、やはりできるだけクリアな英語が話されている方が助かりますよね。このクリアな英語を学べる点も、カナダ留学が人気の理由の1つなのかもしれません。
カナダ英語には、私たち日本人が知らない英語のスペル、単語、発音が多く存在します。
現地に暮らしていても、まだこの違いを完全に理解しているとは言い難いですが、これらの違いは歴史的な背景や社会的な特徴が関連していることがほとんどで、英語の違いを通しながらその国のことを学ぶのも面白いかもしれません。
また、カナダはクリアな英語を話す人が多いことでもよく知られています。移民の多い都市部など一部例外はありますが、アメリカ人の英語に比べて聞き取りやすいと感じる人が多いのも事実のようですよ。ぜひ、現地でこの違いを体験してみてはどうでしょうか?