DMM英会話ブログ編集部
(更新)
「使える英語ドットコム」の後藤です。
イースターは、十字架に磔にされたイエス・キリストが3日後に復活したことを記念する日です。
キリスト教を信仰する人々にとって、イースターを含むホーリーウィーク(聖週間)は1年でとても大切な期間です。
約9割がカトリック教徒のマルタでも例外ではなく、国内ではいろんな行事がおこなわれ、学校や多くの会社が休みになります。
そこで今回は、イースターの意味や由来についてと、マルタで見学してみたい関連イベントについてくわしく紹介します。
※筆者しらべ
3月だったり4月だったり、日にちが毎年ころころ変わるイースター。
不思議に思っている人もいるのではないでしょうか。
イースターは、クリスマスのように日付が固定していない移動祝日です。
カトリック教会が定めるイースターは、春分の日以後の最初の満月から数えて最初の日曜日にあたります。
月の周期によって計算されるので、年によっては日程が1ヶ月ほど違いますが、少なくともイースターは必ず日曜日に当たります。
ホーリーウィークにはいくつかの決まった行事があるので、それぞれを曜日ごとに説明します。
ホーリーウィークの初日、イースターのちょうど1週間前の日曜日にあたる日を「枝の主日」と呼びます。
キリストが「受難(キリストの裁判と処刑の苦しみ)」の前にエルサレムに入場したときに、人々がナツメヤシの枝を敷いて迎えたことを記念する日です。
マルタでは、この日教会で清められたオリーブの枝を自宅に持ち帰ります。
木曜日はキリストが催した「最後の晩餐」を記念する日で、教会の前に「最後の晩餐」や「キリストと十二使徒」を模したディスプレイが飾られます。
また、この日から翌日の朝までに7つの教会を訪れる伝統もあります。
マルタ南西の町シッジーウイ(Siggiewi) にある ラファーラ・クロス (Lafarla Cross) は、キリストが磔にされた場所を象徴すると現地では言われています。
多くの信仰者がこの丘を登って「巡礼」し、キャンドルライトを灯して祈りを捧げます。
キリストが磔刑された日を記念する日です。
ホーリーウィークの一大イベントである「イエス・キリストの受難」を描写する行進がマルタ各地でおこなわれます。
マーチングバンド(楽隊)を先頭に、ローマ兵や羊飼いなどの時代衣装を身につけた人々が町を練り歩きます。
くわしくは次の章で紹介しますね!
グッドフライデーの3日後にあたるイースターは、キリストが復活する日を記念します。
金曜日の厳粛な行進とは対照的に、復活したキリストの像を担いで通りを駆け抜けます。
迫力があると有名なのは、ヴィットリオサ(Vittoriosa)の町のイースターです。
マルタ中の教会の鐘が鳴り響き、家族や親戚が集まっていっしょにお祝いします。
グッドフライデーにおこなわれる行進 (Good Friday Processions) は、数時間続くホーリーウイークの一大イベントです。
聖書のキーエピソードを知っていると行進の意味が理解できるので、興味のある人は予習をしてから見学すると一層楽しめますよ!
みどころのポイントはこちらです。
グッドフライデーは、キリストが十字架に磔にされたことを悲しむ日です。
ブラスバンドは黒のネクタイをしめ、悲壮感漂う音楽を奏でます。
マルタの国旗も半旗にされるので、まるで国葬でも見ているような気分になります。
行進は教会からスタートし、町の通りを数時間かけてゆっくり進みます。
参列者は前をまっすぐ見つめ終始無表情で、観客も静かにその様子を見守ります。
行進には「イエスの受難」を描写する彫像がつまれた山車が登場します。
「ローマ兵士にとらわれるイエス」「十字架を背負うイエス」「イエスの死を嘆くマリア」など8〜12の山車があり、選ばれた地元の男性がかつぎます。
重さがかなりあるようで、山車は小休止を挟みながらゆっくり移動します。
行進に参加しているのは地元のボランティアです。
ローマ兵士、十二使徒、十字架を引きずり懺悔する人、羊飼いなど、旧・新約聖書に登場するキャラクターが続々とあらわれます。
見学者は神妙な面持ちで見ていますが、行列のなかに知り合いを見つけると少し嬉しそうです。
私が見学に行ったときも、よく買いに行った近所のお肉屋さんがローマ兵になっていました!
マルタ17か所でおこなわれる行進は、グッドフライデーの午後5時ころに教会前をスタートします。
特に有名なのは、ゼイトゥン (Zejtun) とゼブージ (Żebbuġ) という町でおこなわれる行進です。
私は両方見学したことがありますが、どちらも見応えたっぷりです。
ゼブージは馬車に乗ったローマ兵が登場することで有名です。
行進を見学したい人は、当日4時30分ころまでに見学したい町の教会前を訪れましょう。
バレッタやスリーシティーズ(コスピクア、サングレア、ヴィットリオサ)、イムディーナ、ゴゾ島のビクトリアなどでもおこなわれています。
イースターのスイーツといえば、たまごやうさぎのかたちをしたチョコレートが思い浮かびますが、マルタにはこの時期に食べられる伝統的なお菓子がいくつかあります。
マルタでもっとも人気があるイースターの伝統菓子はフィゴラ (Figolla) です。
パステルカラーのアイシングに覆われた甘いアーモンドのお菓子で、うさぎやひつじ、蝶々などのかたちをしています。
なかにはチョコのイースターエッグが上に飾り付けされているのもあります。
イースターの当日に食べるのが伝統ですが、2週間前くらいからお菓子屋さんやベーカリーなどで販売されます。
節制をするイースター前の「四旬節」(Lent, レント)に食べることが許されているスイーツもあります。
クワレズィマル (Kwarezimal) は歯応えある食感がやみつきになるアーモンドのお菓子で、はちみつとくだいたナッツがトッピングされています。
ホットクロスバン (Hot cross buns) は菓子パンの一種で、キリストの受難を表す十字架を模した十字形のアイシングで飾り付けられています。
パンのなかにはレーズンなどが入っていて、カーニバル前後から店で見かけるようになります。
1.イースターの日にちが毎年違うのはなぜ?
2.イースターにまつわるホーリーウィークとは
3.マルタのグッドフライデーの行進見てきました!
4.マルタのイースターならではのスイーツ
を紹介しました!
ホーリーウィークはマルタでもっとも大切にされているイベントで、特にマルタのグットフライデーの行進は世界的に見てもめずらしい伝統行事です。
カトリック教を重んじるマルタのルーツを知ることにもなるので、この期間にマルタを訪れる人は是非見学してみてくださいね。