DMM英会話ブログ編集部
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「使える英語ドットコム」の後藤です。
みなさんは「マルタ料理」と聞いて、どんな食べものを思い浮かべますか?
マルタの伝統料理は、過去にマルタ共和国を支配したさまざまな文明の食文化が融合して生まれました。イタリア料理っぽいけど、中東やアフリカ、そしてイギリス料理の要素も混じっているようで…一言ではなかなか説明しにくい料理だと思います。
もちろん街に出かければ、フレンチ、イタリアン、タイ、インド、ブリテッシュパブなど、外国の料理を提供するレストランがたくさんあります。
でも「せっかくならマルタの伝統料理を味わってみたい」と思っている人のために、今回は「マルタに行ったら食べてほしいものトップ10」をご紹介します。
マルタの主食であるパン (マルタ語で “Hobz” ) は、外側がちょっと焦げ気味でパリパリしてますが、中身はふっくらで、モチモチした食感です。一番食べられているのは白パンで、塩気も控えめです。焼きたてのパンにこだわる人は、1日に二度パンを買いに出かけるそうです。日本人がご飯を炊く感覚と一緒なのかもしれませんね。
マルタには伝統的なかまどでパンを焼いているお店があり、朝7時くらいから焼きたてのパンをトラックに積んで住宅街を回ります。パン屋のおおきなクラクションの音が、私の目覚まし時計替わりでした!
パンの食べ方はいろいろありますが、わたしのおすすめは、オリーブオイルにバルサミコや海塩を少し加えたものをディップして食べることです。レストランでは、スライスされたパンと一緒にトマトのスプレッドやオリーブ、チーズなどの前菜が出されます。
マルタの食卓には、地中海料理の定番であるオリーブとオリーブオイルが欠かせません。最近では、マルタ原産のオリーブが4種類存在することが明らかになっているようです。
マルタのオリーブオイルは小規模生産されているので、収穫から圧搾までの過程が短く、よって酸度が低くてフレッシュに仕上がると言われています。
マルタ島とゴゾ島にオリーブ農園がありますが、私のおすすめは 「ワーディヤ」 (Wardija) のエクストラバージンオイルです。イタリアやスペインなどで大量生産されるオリーブオイルと比べて価格は高いですが、日本へのお土産にもおすすめです。
マルタで絶対食べてもらいたいもののひとつが、地元でとれる魚介類です。代表的なものとして、タイの一種であるシーブリーム (Seabream)、ステーキにして食べると美味しいソードフィッシュ (Swordfish、めかじき)、エビ、タコ、イカなどがあります。
マルタの伝統的な魚はランプキ (Lampuki) です。ドルフィンフィッシュ (Dolphinfish) とも呼ばれ、8月中旬〜年末にマルタ沖で網どりされます。身はやわらかくて淡白な味です。そのままグリルでもいいですが、「ランプキパイ」というパイにして食べるのが人気です。
食べ方は地中海風に味付けされたオーブン焼きが定番ですが、トマトベースの魚介類のスープ「アリオッタ」(Aljotta)、シーフードパスタ、ウニのパスタもおすすめです。レストランに行くとその日にとれた魚がショーケースに並んでいますので、スタッフと相談しておすすめの一品を試してほしいです。
マルタの伝統的な肉の食材といえばうさぎです。肉屋に行くと、牛、豚、鶏肉と一緒に、かたちを残したままのうさぎが売られています。うさぎ肉は鶏肉より脂身が少なく、パサパサして少し固めです。
一番ポピュラーな食べ方は、うさぎのシチューとうさぎ肉のパスタです。どちらもトマトベースで、ケッパーやオリーブ、ワインなどで地中海風の味付けがされています。
「マルタ発祥」の食べ物でマルタ人に最も愛されているのは「パスティッツィ」(Pastizzi) です。
パスティッツィはひし形をした手のひらサイズのパイで、中にリコッタ(フレッシュチーズ)かつぶした豆のペーストが入っています。 食感はカリッとしていて味付けも淡白ですが、生地にラードがしっかり染み込んだ高カロリーな食べ物です。
パスティッツィは、焼きたての惣菜パンを売るお店「パスティチェリア」で売っています。マルタ人はこれを朝食代わりにしたり、小腹が空いたときのスナックとして時間帯を問わずに食べます。ひとつ€0.30(約40円)という安さから、マルタ人の常食として位置付けられています。
「ビギーラ」 (Bigilla) は、煮込んでつぶしたソラマメに、オリーブオイルやにんにく、ハーブなどを混ぜたディップです。
前菜やパーティフード、あるいは日常のスナックとして、クラッカーやパンと一緒に食べます。
ビギーラはたいていどの食料品店でも売っていますが、トラック売りのおじさんから温かい出来たてを買うのが通です!
「イムアレット」 (Imqaret) は、9〜11世紀のアラブ時代にマルタに浸透した揚げ菓子です。マルタ語で「ダイアモンドのかたちをした」という意味で、サクッとしたパイ生地の中に甘いなつめやしのペーストが入っています。
マルタ料理専門のレストランやカフェ、お祭りの露店やマーケットで売られています。1つ€0.60 (約80セント) 〜です。
マルタではリコッタ、モッツアレラ、チェダーなど海外のチーズをよく食べますが、マルタの伝統的なチーズは「ジュベイナ」(Gbejna) です。
丸く形とられた山羊乳か羊乳のチーズで、リコッタのような食感のフレッシュタイプと、塩漬けにしたり乾燥させたりして、胡椒やハーブを加えたタイプがあります。前菜として食べたりスープの具材などに使われます。
暑い国のマルタにはウチワサボテンが至る所に生息していますが、花が咲き終わると、赤く実になった部分「プリックリー・ペア」(Prickly pear)を食べることができます。 味はほんのり甘くて少しねっとりした食感です。旬の8〜9月になるとスーパーで売っていますが、実で作ったリキュールやジャムも人気です。
ザクロは抗酸化物質が豊富に含まれることから、スーパーフードとしても人気がありますよね。マルタ産のザクロは皮が黄色っぽくてみかんくらいの大きさです。中を割ると赤い粒がびっしり詰まっています。この種のまわりを覆う赤くてジューシーな種衣を食べるのですが、気にならなければ種ごと食べてもOKです。
「キニー」(Kinnie)はマルタで1950年代に開発されたオリジナルの炭酸飲料水。ビターオレンジとにがよもぎのエキスで作られているそうで、味は「少し苦味があるコーラ」のようです。
マルタ人はキニーが大好きですが、観光客のあいだでは好き嫌いがあるようです。もちろんストレートで飲んでもいいですが、お酒と割っても美味しいそうです。
日本では珍しいマルタの食材や料理を中心にご紹介しました。上記以外にも、特別な日やお祭りだけにしか食べられない料理やお菓子などがあります。ぜひ皆さんもマルタでお気に入りの食を見つけてくださいね!