地中海の美しい島マルタの歴史を巡る!4つの時代にまつわる観光スポット10選

マルタは地中海に浮かぶ人気のビーチリゾート地として有名ですが、実はエジプトも越える7000年の歴史を有する国でもあります。

今回は、マルタ史の4つの重要な「時代」をピックアップし、それぞれの時代に関連する代表的な観光スポットを紹介します。

めくるめくマルタの歴史に、胸が熱くなること間違いなしです!

1.先史時代とピラミッドより古い:マルタの巨石文明 (5200BC~2500BC)

地中海を渡ってマルタに人類が渡来したのは、新石器時代の紀元前5200年ころと言われています。このころのマルタは水などの資源が豊富で、農耕や畜産を営む集落があったそうです。

紀元前3200年ころから、人々は巨大な石を用いて神殿を次々と建設しました。

ピラミッドやストーンヘンジよりもはやい時代に高度な技術を要する神殿の建築がなされたことについて、今でも多くの謎が残っています。

この時代に由来する観光スポット

ハイポジューム地下神殿

「ハルサフリエニ ハイポジューム(地下墳墓)」は、ユネスコ世界遺産にも登録されている完全予約制の観光スポットです。石窟された地下には3層にわたる大きな空間があり、迷路のような道と小さく分かれた部屋が続いています。

この場所を人々は神殿として使用したという説と、7000もの人骨が見つかったことから、墓所として利用されたのではないかと唱える説があります。

ツアーは1時間、1日あたり80人という厳しい入場制限がありますが、世界的にも珍しいのでぜひ見学しておきたいサイトです。

Ħal Saflieni Hypogeum
営業時間:無休、完全予約制 09:00-16:00
特別休館日12/24, 25 & 31, 1/1, グッドフライデー(2018年度3/30)
予約サイト:https://booking.heritagemalta.org/
入場料:大人40ユーロ(オーディオビジュアルショーを含む)
住所:Burial Street, Paola, PLA1116
TEL:+356 21 805 019
Web:ハルサフリエニ ハイポジューム

巨石神殿・ハジャールイムとイムナイドラ

マルタの巨石神殿群のなかでも特に私がおすすめするのが、地中海を見渡す場所に建てられた「ハジャールイム神殿」と「イムナイドラ神殿」です。大きなもので高さ5.2メートル、重さ20トンにも及ぶ石灰岩を積み上げて建設されました。

神殿内はC型の部屋が重なるように存在していて、宗教的儀式や病気治癒の儀式などがおこなわれていたことがわかっています。併設する資料館では、4Dシアターが上映されています。

Ħaġar Qim Temples and Mnajdra Temples
営業時間:毎日 09:00-18:00 (10/1-3/31の冬期間は17:00閉館)
特別休館日12/24, 25 & 31, 1/1, グッドフライデー(2018年 3/30)
入場料:大人10ユーロ (資料館も含む共通チケット)
住所:Triq Ħaġar Qim, Qrendi, QRD2501
TEL:+356 21 424 231
Web:ハジャールイム神殿
イムナイドラ神殿

2. フェニキア人やローマの影響を受けた時代 (800BC~500AD)

マルタの島を商業、貿易の拠点にしようとフェニキア人がマルタに到来したのが、紀元前750年ころと言われています。「マルタ」という国名は、フェニキア人が “Maleth”「避難所」と名付けたのが由来だそうです。

その後、現在のチュニジアにあったカルタゴがマルタを支配しますが、紀元前218年のポエニ戦争で敗戦すると、マルタはローマの領土になりました。

この時代に由来する観光スポット

古都・イムディーナ

イムディーナは、マルタ島で一番高い丘に位置にする中部の町です。マルタに移り住んだフェニキア人は、見晴らしがよくて海からも離れたこの場所に町を築きました。

その後ローマ帝国に征服され、Meliteという町に改名されました。この時代の遺品やキリスト教布教に深い関係のある遺跡が、イムディーナと隣町のラバトで多く見つかっています。

それからイムディーナはビサンチン帝国やアラブ人などにも支配されますが、聖ヨハネ騎士団が所領した1530年までマルタの首都でした。

地下に作られた墓所・聖パウロのカタコンベ

ローマ時代、マルタでは町中に死者を埋葬することが法律で禁じられたため、ラバトにカタコンベ(地下墳墓)を作りました。

マルタでキリスト教が普及していたことを裏付ける国内で一番大きな遺跡です。数年前に、ビデオ上映や遺跡品を展示する資料館もオープンしました。

St. Paul’s Catacombs
営業時間:毎日 09:00-15:00 (10/1-3/31の冬期間は17:00閉館)
特別休館日12/24, 25 & 31, 1/1, グッドフライデー (2018年 3/30)
入場料:大人5ユーロ
住所:St. Agatha Street, Rabat, RBT2013
TEL: +356 21 454 562
Web:聖パウロのカタコンベ

ローマ時代のモザイクが見られる博物館、ドムス・ロマーナ

1881年、紀元前1世紀ころに建築されたローマ時代の貴族の家の遺跡がラバトで偶然発見されました。現在は博物館として一般公開されています。

この博物館では床一面に広がる美しいモザイクを見ることができます。サイズはそれほど大きくありませんが保存状態が良好で、マルタに存在する数少ないローマ遺跡の1つです。

この時代に興味がある人は、ぜひこの博物館をチェックしてみてください。

Domvs Romana
営業時間:毎日 09:00-15:00 (10/1-3/31の冬期間は17:00閉館)
特別休館日12/24, 25 & 31, 1/1, グッドフライデー(2018年 3/30)
入場料:大人6ユーロ
住所:Museum Esplanade, Rabat, RBT1202
TEL: +356 21 454 125
Web:ドムス・ロマーナ

3.マルタ騎士団の所領となった中世 (1530~1798)

キリスト教徒を保護し、巡礼地を防衛する団体「聖ヨハネ騎士団」がマルタを所領した250年間は、マルタが平和と富を得た時代です。

1565年に繰り広げられたトルコ軍との「大包囲戦」に勝利すると、「マルタ騎士団」はバレッタという新都市を建設します。ヨーロッパ中から経済的なサポートを受け、騎士団の宿舎や宮殿、劇場、教会などを建設しました。今ではバレッタはマルタの第一都市として栄えています。

この時代に由来する観光スポット

首都バレッタで中世にタイムスリップ

マルタ騎士団の時代に触れる一番の方法は、バレッタを散策することです。バレッタを歩くと、まるで中世にタイムスリップしたような感覚に陥ります。

目抜き通りである「リパブリック通り」(Republic Street) を目印に、“迷い歩き” を楽しんでください。マルタ騎士団に由来する聖ヨハネ大聖堂、騎士団長の宮殿、マヌエル劇場、聖エルモ砦などの見学もおすすめです。

絶景が見られる公園・アッパーバラッカガーデン

「マルタ1の絶景はどこ?」と聞かれたら、私は「アッパーバラッカガーデンから見るグランドハーバー」と答えます。イタリア出身の騎士団のために建築されたこの公園からは、マルタ騎士団が最初に築いたスリーシティーズ(ヴィットリオサ、サングレア、コスピクアの3都市)や造船所などを一望することができます。

観光客で混み合う場所でもありますが、このスポットだけは欠かせません。ちなみに、この公園に来ると、かなりの確率で猫に出会うことができます!

Upper Barrakka Gardens
入園時間:無休 07:00-22:00
住所:292 Triq Sant' Orsla, Valletta

マルタ貴族末裔の邸宅 カーサ・ロッカ・ピッコラを見学

マルタ貴族の末裔が所有する邸宅「カーサ・ロッカ・ピッコラ」は、マルタ騎士団が活躍していた16世紀に建築されました。書斎、ダイニングルーム、寝室、中庭などを回りながら、マルタの中・近世の歴史背景や建築物、マルタの貴族の生活ぶりについてガイドが説明してくれます。

マルタの伝統的な建築スタイルがわかるのでおすすめです。ガイドは英語ですが、書面での日本語ガイドが用意されています。

Casa Rocca Piccola
営業時間:ガイドツアー 10:00-17:00 (最終ツアー16:00-) 休館日:日曜日、祝日
入場料:大人9ユーロ
住所:74 Republic Street, Valletta, VLT 1117
TEL:+356 21 221 499
Web:カーサ・ロッカ・ピッコラ

4.イギリス植民地時代(1814~1964)

マルタ騎士団の勢力が衰退しはじめたタイミングで、マルタは1798年にナポレオンに占拠されました。それに反発したマルタはイギリスに助けを求め、フランス軍を追放することに成功します。

その後、マルタは1814年に大英帝国の一部になり、英軍の地中海地域の防衛拠点として利用されました。

イギリスによる植民地時代は、1964年に自治権が認められるまで約150年続きました。

この時代に由来する観光スポット

ラスカリス戦争記念館で大戦中のマルタの役割を学ぶ

ラスカリス戦争記念館では、第二次世界対戦中に実際に利用されたイギリス軍の司令部を見学することができます。マルタを拠点とした英軍は、イタリアとドイツ軍が北アフリカやマルタに侵攻するのを妨害する役割を果たしました。

見学の際ツアーガイド(英語)が同行しますが、オプションとして日本語のオーディオガイドも利用できます。

Lascaris War Rooms
営業時間:毎日 ガイドツアー 10:00-17:00 (最終ツアー16:15-)
特別休館日12/24, 25 & 31, 1/1, グッドフライデー(2018年 3/30)、イースター (2018年 4/1)、 8/15
入場料:大人12ユーロ
住所:Lascaris Ditch, Valletta, VLT 2000
TEL:+356 79 874 153
Web: ラスカリス戦争記念館

バレッタでイギリス植民地時代のアイテムを探してみる

バレッタはマルタ騎士団の面影が残る街ですが、よく観察してみると、イギリス植民地時代の雰囲気も漂っています。イギリス名物の赤いテレフォンブースや郵便ポスト、レトロなフォントで書かれた店の看板がいたるところにありますので、探してみてください。

また、「ストレイトストリート」(Strait Street) は19~20世紀半ばに英米兵などが集ったレッドライト地区(風俗・歓楽街)です。現在もパブやカフェなどが点在しています。

まとめ

マルタの4つの時代の概要と、それぞれの時代にちなんだ観光スポットを紹介しました。マルタは地中海で起きた歴史上のさまざまな出来事に関わっているので、見どころが本当にたくさんあります。マルタに行ったら海水浴やグルメだけではなく、奥深い歴史にも触れてみてください!

【参考文献とリンク】
-『新世紀シリーズマルタとその島々ゴゾとコミノ』(2007) Miller Distributors Ltd., Malta(マルタの書店で販売されています)
-“Malta Prehistory And Temples” by David H. Trump (2005), Midsea Books Ltd.
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Heritage Malta