ブリスベンからのブラっと小旅行①ラミントン国立公園【オーストラリア】

オーストラリアで、シドニー、メルボルンに次ぐ第3の都市として成長著しいブリスベン。

しかし、残念ながらブリスベンの認知度は決して高くありません。いまだに日本人の観光客には、ブリスベン=ゴールドコースト観光の玄関口的なイメージが強いようですが、実は、ブリスベンからの日帰り圏内でブラっと行ける範囲(とはいっても車は必須)には、結構多くのバラエティに富んだ観光地があるんです。

そこで、ブリスベンから気軽に行ける見どころを、不定期シリーズ「ブリスベンからのブラっと小旅行」というかたちでそれぞれ紹介していきます。

記念すべき1回目は、ブリスベンとゴールドコーストのいずれからも多くの人が訪れるラミントン国立公園、その中のブナ・バラ地区を紹介します。

ラミントン国立公園とは?

ラミントン国立公園は、ブリスベンから南におよそ100キロちょっと行った高地に広がり、1994年にユネスコ世界遺産「オーストラリア・ゴンドワナ多雨林群」(筆者注:この名称自体は2007年に変更登録された)に追加登録された2万ヘクタールの豊かな自然に恵まれた国立公園です。


ラミントン国立公園の時代を語る標識。国立公園に選定されてから今年で102年を迎える

ラミントン国立公園の見どころは、西側の「グリーンマウンテンGreen mountain」地区と東側の「ビナ・ブラBinna Burra」地区にほぼ集約されています。

グリーンマウンテンには、オーストラリアの美しい鳥と身近に触れ合え、そんな鳥の仲間になった気分で高さ20メートルのところから美しい眺望を楽しめるツリー・トップ・ウォークなどがあり、また観光客に人気のリゾート「オライリーズ・レインフォレスト・リトリート」があります。

そのためか、日本人観光客のラミントン国立公園のイメージは、このオライリーズに偏りがち。実際、ゴールドコースト観光のオプションでの「ラミントン国立公園ツアー」のほとんどは、オライリーズの周辺だけを巡るようになっています。

でも今回紹介するのは、もう一つのビナ・ブラ。こちらは、オライリーズに代表されるグリーンマウンテンほど観光地化していない、いわば穴場と言ってもいいでしょう。
 

ビナ・バラへの行き方

そのビナ・バラへのブリスベンからの道のりは、2通りのコースがあります。

ブリスベンとゴールドコーストを結ぶ大動脈M1モーターウェイを使うコースがひとつ、そして、もうひとつのM1モーターウェイを使わない内陸のコースのほうが少しだけ便利です。

ブリスベンから内陸の町・ボーデザートまでは、ほぼ一直線。そこから先は、広大な緑が車窓に広がる牧草地を経て、山道へと入ります。無理せずに車を走らせれば目的地に着くまでは1時間半といったところでしょうか。

ビナ・バラへの玄関口の小さな町ビーチモントの外れの展望台で車を停めると、そこには絶景が広がっていました。

今回、自分で車を飛したのですが、道中、亜熱帯気候のクイーンズランド州の夏のお約束 “サンダー・ストーム” がかすめて行きました。

この展望台のエリアを含むビナ・バラの周辺は、そのストームが直撃してゴルフボール大の雹が降ったというのですが、展望台からは大嵐一過のラミントン国立公園とその周辺エリアの雄大な景色を一望できました。

皆さんもラミントンを訪れる際はぜひこの展望台に立ち寄ってみるといいかもしれません。

展望台からの美しい景色。ストーム一過、残った雲が目の前を横切っていった

 

ビナ・バラに到着!

今回の宿泊地は、「ビナ・バラ ロッジBinna Burra Lodge」。ビナ・バラ ロッジは、1933年にロミオ・ラーヒー、アーサー・グルームという2人の熱心な環境保護活動家によって開かれた宿泊施設です。施設内にはカフェやレストランがあって、一年を通して、宿泊客だけでなく日帰りの観光客にも大好評です。


遊歩道の傍ら、ビナ・バラの父とも呼ぶべきアーサー・グルームの顕彰碑がひっそりと立つ

その開発過程でも、2人の先駆者の環境保護への熱い思いを受け継ぎつつ運営されてきたビナ・バラは、その自然に必要以上に人間の手が加えられていません。そんな開発の経緯もあってか、ここを訪れる観光客はツアー客よりは環境意識の高い個人や小グループが多いとのこと。

実際、今回訪れたビナ・バラには、明らかに外国人観光客とわかる人たちの姿はほとんど見かけませんでした。このように、商業的な観光地化していないのもブナ・バラの大きな魅力と言えます。
 

ブッシュ・ウォーキングで森林浴

そんなビナ・バラの魅力は、なんといってもブッシュ・ウォーキング。オージーがこよなく愛するレインフォレスト(多雨林)を全身で感じる本格的なブッシュ・ウオーキングは、ブナ・バラ滞在のまさに醍醐味です。

そのコースはというと、30分程度で踏破できるものから、1時間半以上掛かるものまで全部で4種類のバラエティがあります。そのいずれでも、このエリア特有のレインフォレストが育む豊富な木々や草花、鳥類や虫などの豊かな自然の営みを目の当たりにできます。

レインフォレストの自然は美しいだけでなく流れる時間の重みを感じさせる

朝一番に挑戦したのは、子連れだったとこともあって、全行程1.2㎞の「レインフォレスト・ウォーク」。この短いコースでも、太古の時代からのレインフォレストの営みを感じながらの森林浴で充分にリフレッシュできました。

前日の激しい雹で千切れ落ちた木々の葉で埋め尽くされた遊歩道を踏みしめるたびに、森の香りが足元から立ち込めるのは何とも不思議な感覚でした。


激しい雹で千切れ落ちた木々の葉が敷き詰められたかのような遊歩道
 

散歩のあとはカフェで一息「Binna Burra Teahouse」

遊歩道を歩き終えた後は、ロッジ直営のBinna Burra Teahouseで小休止。ここでは、リラックスした雰囲気で美味しいコーヒーが楽しめます。


Binna Burra Teahouseの入り口には、大きなロリキートのロゴがお出迎え

ここからの景色もかなりの絶景。シーニック・リム(直訳すれば、風光明媚な縁。この地域のシンボルとも言える雄大な山、マウント・ウォーニングの外郭部のエリアの総称)と呼ばれる、その名の通り「風光明媚」なエリアを一望することができます。


ロッジから見えるシーニック・リムの素晴らしい景色

まとめ

ラミントン国立公園ビナ・バラ地区の手つかずの自然をしっかり守り抜いたオーストラリアのエコ・ツーリズムの先駆者的な存在、ビナ・バラ・ロッジ。

その自然保護への熱い思いを理解し共鳴する人々に愛され続けるありのままの自然を感じられるビナ・バラこそ、友人や家族と連れ立って、オーストラリア滞在の忘れられない思い出を作るにはうってつけの場所。

ぜひ、皆さんも自然の有難みを全身で感じられる環境を訪れてみてはいかがでしょうか。