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【北米のパリ!?】カナダ「ケベックシティ」の歴史と見所

【北米のパリ!?】カナダ「ケベックシティ」の歴史と見所

こんにちは。
トロント在住のDoga(@DogadogaTv)です。

突然ですが、皆さんはカナダ東部にある「ケベック」という地域をご存知でしょうか?

カナダにありながらフランス語を公用語とするその特異性から、地名だけは知っているという方も多いかもしれません。また、あの有名なサーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ」もケベック発祥です。

では、「ケベックシティ」はどうでしょう?
実は「ケベック」と「ケベックシティ」の違いをちゃんと理解している人は多くありません。

今回は、ケベックシティ、引いてはケベックがどんな地域で、どんな歴史と特徴を持っているのか、見所も合わせて紹介したいと思います。

※レートは、1CAドル=88.30円で計算しています(2017年12月時点)。

 

ケベック州のケベックシティ?


まずは基本から。そもそも厳密には「ケベック」単体は州のことを意味し、その州の中にある州都の一つが「ケベックシティ」です。これらを同じものとして理解していた人も多いのではないでしょうか。

ケベック州はカナダ国内で唯一フランス語と公用語している州であり、人口は約830万人(カナダ国内では、トロントのあるオンタリオ州に次いで2位)、面積は日本列島の約4倍に相当します。同じくフランス語圏として日本人の間でもよく知られている「モントリオール」という街も、ケベック州のうちの一つです。

ケベックシティのことをケベックと呼ぶこともありますが、州のことを意味しているのか、街のことを意味しているのか、都度、確認する必要がありそうですね。

 

フランス文化が生き続けている

そもそもなぜ、ケベック州ではフランス語が公用語なのかと言うと、16世紀にフランス人がこのエリアに入植し、多くのフランス人がこの土地に移り住んだからです。その後、イギリス軍と領土争いを繰り返し、結果的にイギリス領となるものの、英国議会がケベック法を制定したことで、フランスの民法典やローマ・カトリックの存続が認められるようになりました。

1960年代頃から、イギリス依存型の経済構造を変えるため、州政府の役割を大きく変えていくようになります。そして「民族主義(ケベック・ナショナリズム)」的な色が少しずつ濃くなり、英語を話すイギリス的文化への反発が目立つようになってくるのもこの時期でした。

1970年代には、カナダからの分離を掲げる過激派「ケベック解放戦線」のテロ攻撃が州内で起こるなど、一時荒れていたこともあったほどです。しかし、独立を決める住民投票では独立反対派が多く、結果的にカナダの中のケベック州として存在し続けているような状態です。そのため、ケベック州はカナダ憲法ではなく、ケベック州の州法を適用しているのもユニークな点と言えるでしょう。

不況時は独立志向が高まり、経済が安定してくるとおさまるという傾向はあるものの、現在では前述したような荒れた状況もなく、各街には大変平和な環境が築かれていますのでご安心を。モントリオールでは万博博覧会やオリンピックも開催されましたし、私がモントリオールへ旅行をした時も、過去の衝突を感じないまでにごく平穏な街並みが広がっていました。また、モントリオールは日本人留学生に人気の街の一つでもありますね。

 

ケベックシティの見所


次に、そんなフランス文化の色濃く残るケベック州の州都「ケベックシティ」の見所を簡単にご紹介しましょう。州都ではあるものの、人口はモントリールより少なく、約50万人ほど。街を流れるセントローレンス川がダイヤモンド岬と、対岸のレヴィとに接近した地点で狭まっていることから、先住民族アルゴンキン族の言葉で「川が狭くなっている」を意味する「ケベック」となったそうですよ。

 

ケベック旧市街地(歴史地区)

一帯が世界遺産にも登録されている城郭都市です。城壁に囲まれた丘の上のアッパータウンと、丘と川岸の間にあるロウワータウンに分かれており、観光地としてはまず絶対に訪れたい場所の一つです。

ヨーロッパの雰囲気がそのまま残っており、街を歩くだけでも歴史を感じられます。たくさん立ち並ぶ可愛らしいお店で買い物を楽しむのも良いですし、写真撮影や散歩をするにも最高の観光地だと思いますよ。

 

戦場公園

1759年にフランス軍とイギリス軍との戦いでフランス軍が負けてしまった平原です。その時からフランス領がイギリスの植民地となっていったことを考えると、なんとも歴史的には重要な場所とも言えるかもしれませんね。今では、市民の憩いの場となっており、ジョギングや散歩を楽しむ人たちで賑わっています。

 

ノートルダム大聖堂

1647年建設の大聖堂です。その外観も立派ですが、堂内の内装も美しく、一度は訪れておきたい場所と言えるでしょう。パリのノートルダム大聖堂に比べたら規模は劣りますが、負けず劣らずの荘厳さですよ。

 

シタデル

もともと17世紀に築かれた城塞です。陥落後、イギリス軍によって1820年から再び建設が始まり、今の星型の要塞となりました。丘の上にあるため、セントローレンス川を一望できますし、夏には内部を回るガイドツアーも開催されていますよ。

 

本場のプーティン

見所というのとは意味合いが異なりますが、ケベック州はプーティン(フライドポテトにカッテージチーズチーズとグレイビーソースをかけたファストフード)発祥の地でもありますので、ぜひ本場のプーティンを食べてみるのも良いでしょう。

街にはたくさん専門店が立ち並んでいますので、食べ比べをしてみるのも面白いかもしれません。

 

トロントやモントリオールからのアクセスも Good

ケベックシティは、モントリオール留学やトロント留学をする人たちにはぜひオススメしたい観光地。

時期にもよりますが、モントリオールからはバスを使っても約3時間で行けてしまいます。交通費はおよそ往復60CAドル(約5298円)ほど。

また、トロントからだと飛行機で片道1時間40分ほどで、旅券は往復250〜350CAドル(約2万2075〜3万905円)前後。鉄道だと10時間ほどかかりますが、往復180CAドル(約1万5894円)前後のチケットを探すことも可能ですよ。

特にモントリオールからだと、週末の小旅行でも行ける気軽なスポットなので、気分転換にケベック州の違う街を見るつもりで遊びに行くのも良いですね。もちろん英語を話せる人も多いので、フランス語を話せなくても楽しむことができますよ!

 

まとめ

州全体がフランス語を公用語とし、独自の法律を採用しているケベック州。一時期はフランスの植民地だったのもあり、州全体でいまだにフランス文化の名残がある、なんとも変わった地域です。

そんなケベック州の州都ケベックシティは、観光地としても人気で、トロントやモントリオールへ留学する人にはぜひ足を運んでもらいたい街の一つ。街並みや建造物から、フランス人入植当時の歴史や雰囲気が感じられ、カナダという国の成り立ちを改めて考えさせられてくれる良い機会となるはずですよ。