Erik
(更新)
こんにちは、エリックです。
私は2018年の1月以来、一つの国に数週間〜数ヶ月間滞在し、様々な場所でのプチ移住を楽しむノマド生活を送っています。
その中で現地の人とのコミュニケーションに欠かせないと感じているのが、やはり英語です。英語圏・非英語圏に関わらず、市場でのやりとり、宿や航空券の予約、移動手段の確保など、現地語がわからない場合は英語以外の選択肢はありません。
逆に言えば、一般的に観光客が行くような場所であれば英語さえわかれば最低限の暮らしはできるということです。実際に私は20ヵ国以上でプチ移住を体験してきましたが、これまで特別困ったことはありません。
ただし、英語が母国語ではない人々とのコミュニケーションにはコツがあるように感じています。それは一言で言えば、「極端にシンプルな英語を使う」ということ。
もちろん英語ネイティブに対してもシンプルなフレーズだけでだいたい通じますが、英語圏ではよりネイティブに近いフレーズを使うと表現の幅が広がり、そのぶん盛り上がるのも事実。
そこで今回は、定番のトラベルフレーズを「超シンプル版」と「ネイティブ版」の2種類をあわせてご紹介していきます!
*今回ご紹介する「ネイティブフレーズ」「シンプルフレーズ」はあくまで両極端な例文であり、実際の会話ではそのまま使って通じることもあれば、相手や自分の理解度にあわせて調整する必要がある場合も考えられますので、あらかじめご了承下さい。
本屋さんやネットで見かける丸暗記トラベルフレーズ系のコンテンツは、多くの場合英語圏(対英語ネイティブ)でのコミュニケーションを大前提とした内容になっているように思います。
よって、英語が母語の人に対しては、そのようなフレーズを使えばすぐに理解してもらえるでしょう。英語圏では綺麗な文章で話しかけることで表現の幅が広がり、そのぶん仲良くなって盛り上がれることもあると思います。
逆に単語だけでコミュニケーションが取れないこともないですが、ネイティブはたくさんの英語表現を知っているが故に勘違いされてしまったり、意思疎通に時間がかかってしまう場合もあります。
国や地域、そして個人個人にもよりますが、非英語圏では勉強して覚えた例文をそのまま使っても通じないこともあるでしょう。これは話している相手もネイティブではないため、難しい言い回しや単語を知らない場合が多いためだと考えられます。
目的地や対話する相手によっては、必ずしもフレーズブックに載っているような英語がベストというわけではないのです。
東南アジアの屋台で、英語ネイティブの人が母国で話すのと同じように現地の人に話しかけたとしても、うまくいかないのは目に見えています。何かしら伝わりやすくする工夫が必要なのです。
日本人が学校で英語を勉強するように、多くの国でも英語の基礎や最低限の単語は知っているという人は多いので、文章で話しかけて通じない場合は、相手が理解してくれそうな簡単な単語や表現で「極端にシンプルな英語」を駆使してローカルの人とコミュニケーションを試みましょう。
ここからはシチュエーション別に、実際にどのような言い方をすると通じやすいのか、を例文とともにご紹介します。また、英語圏のネイティブが自然に感じる例文もあわせて記載していますので、その違いに注目してみてください。
ここからは、「●ネイティブ英語」と「★超シンプル英語」の例文をいくつかご紹介した後、簡単なワンポイントアドバイスでそれぞれの解説を入れていきます(本記事では便宜上、場所名など日本の固有名詞で統一しています)。
まずは、空港に到着して両替や通信手段の確保をしたいときに使えるフレーズです。
★シンプル:
Change money, where?
★シンプル:
ATM, where?
Cash machine, where?
「外国通貨」という意味の "foreign currency" や「両替所」という意味の "bureau de change(主にUK)" などは非英語圏で通じる確率はかなり低いです。
非英語圏で文章を使いたいなら "foreign currency" の代わりに "money"、"bureau de change" の代わりにより簡単な "money exchange" を用いるとベターです。"ATM" も通じなければ諦めずに "cash(現金)" や "money(お金)" と言ってみたり、簡単な単語をどんどん使ってみましょう。
"Where is 〜" が通じない場合は単語でまず探している場所の名称、そしてそのあとに「どこ」の意味の "where" を加えて質問するだけでだいたい教えてくれます。
★シンプル:
SIM card, buy where?
★シンプル:
SIM card?
なんとなくパターンが見えてきましたでしょうか?
このように本当に重要な情報だけ(お金を両替したいこと、SIMカードが欲しいこと)が伝われば良いのです。
空港から市内まで、またちょっと遠出するような場合にも使う現地の公共交通機関。知らない国で初めて乗る時は緊張しますが、現地の人に助けてもらえるなら、どこへでも行ける気がしてきますよ!
★シンプル:
Tokyo bus, where?
★シンプル:
(バスを指差しながら)Tokyo?
★シンプル:
Taxi, where?
非英語圏では "bound for~" のようなお決まりのフレーズも理解されにくい場合があります。バスや電車を指差して、行き先を口に出してみるだけで "YES/NO" の返事が返ってくるでしょう。
「東京行きのバスはどこですか?」のように、一見文章を組み立てないと伝わらなそうなフレーズも、「東京に行きたいこと」「バスに乗りたいこと」「どこにあるのか知りたいこと」に分けることで、 "Tokyo, bus, where?" のように本当に重要な情報をシンプルに伝えることが可能です。
★シンプル:
Tokyo, go how?
★シンプル:
Tokyo, go easy way?
★シンプル:
Tickets, where?
★シンプル:
Pay now?
「先払いですか?後払いですか?」の例も "YES/NO" だけで答えられる質問をすると知りたい情報を容易に得ることができます。相手の気持ちになって、どのような質問の仕方をすれば回答しやすいかを考えてみるとGOODです。
旅行の醍醐味といえば、街歩きとショッピング! 現地の人とコミュニケーションが取れればスムーズに観光することができます。
★シンプル:
Tokyo Tower, where?
★シンプル:
Tokyo Tower, where?
★シンプル:
(方向を指差しながら)Tokyo Tower?
この項目の「シンプル」フレーズは "Tokyo Tower" と "where" しか使っていません。
「どうやって行くの?」も結局は「どこにあるか」を質問することで大抵の場合は教えてくれますが、そうでない場合は "Bus? Walk? Taxi?" のように単語だけで移動方法を聞いてみるのもいいですね。
また、英語が少しわかりそうな感じなら "how" を使えば一発です。
★シンプル:
(指差しながら)What?
★シンプル:
How much?
Price?
★シンプル:
One, please.
Buy.
★シンプル:
Credit card?
★シンプル:
(もらったお釣りを指差しながら)Change. ◯◯(正しい金額) yen.
お釣りが足りない場合など、具体的な数字を伝えることができるときはその方が確実に通じます。
また、ここまで読んだ方はもうお気づきかと思いますが、基本的には簡単な単語だけを単体でポンと言う、というのが私が思う「極端にシンプルな英語」です。
せっかく細かな文法や言い回しを覚えたのに〜、と思うかもしれませんが、もちろんそれらが通じる相手であれば使うのがベターです。しかし、英語も結局はコミュニケーションツールなので相手に理解されなければ意味がありません。
相手の英語レベルを見極めて、ある程度の文章が通じるようであればそれがベストですし、単語しかわからないようでも、共通の単語を知っていることで会話が成立します。
観光客がよく行く人気のレストランでは英語も比較的通じやすいです。
しかし、ローカル向けの屋台や食堂を訪れるのが旅の楽しみの一つ、という方も多いのでは。そのような場所では使い慣れた "Check, please(お会計お願いします)" も通じない可能性があります。
★シンプル:
(2本指を立てながら)Two.
★シンプル:
Reservation, (name).
No reservation.
★シンプル:
Menu?
非英語圏でも観光客が多く訪れるレストランであれば、ある程度の定番単語は理解されやすいです。例えば "menu(メニュー)" や "reservation(予約)" などはすぐにわかってくれるでしょう。
逆に、ローカル向けの屋台や食堂では簡単な単語でも通じないこともあるので、そういうときはもっと他の言い方がないかを考えてみたり、ジェスチャーも駆使して伝えてみましょう。
★シンプル:
◯◯, please.
★シンプル:
Water, please.
★シンプル:
No ◯◯.
★シンプル:
To-go/Takeaway, please.
国によっては、水をお願いすると炭酸水(sparkling)か普通の水(still)、どちらが良いか聞かれることもあります。また、有料の水ではなく無料の水道水が欲しい場合は "tap water" と言うと伝わりやすいです。
「持ち帰り」は国によって言い方が違います。なので "to-go" で通じなければ "takeaway" と言ってみましょう。逆も然りです。
★シンプル:
(指差しながら)What?
★シンプル:
◯◯? Yes? No?
★シンプル:
You like, which one?
Recommendation?
"house specialty" は「自慢の料理」「名物料理」のようなニュアンスで、そのお店の看板メニューを聞きたいときに使えるフレーズです。
英語が苦手な店員さんの場合は "recommendation" も通じないことがありますので、「あなたは何が好き?」のような聞き方をすると結構わかってくれます。
★シンプル:
Check, please.
(お財布を指差しながら)Pay.
★シンプル:
Credit card?
「お会計」は "check" や "bill" という表現が英語では一般的ですが、非英語圏のローカル屋台などでは通じないことがあります。
そういうときは "pay(支払う)" という単語が便利で、かなりの確率でわかってくれます。単語だけで伝わらない場合はお財布を出して指差してみたり、レジがあるお店であればそこに直接行ってしまうのもOKです。
最後におまけとしてこれまで英語が通じやすかった・通じにくかった国と地域を私の経験からご紹介します。個人的な意見ですので、悪しからず。
ヨーロッパでは英語が通じやすいイメージがあるかもしれませんが、東欧では東に行けば行くほど伝わりにくい印象がありました。特にウクライナでは最初は苦労しましたが、「シンプルフレーズ」を使えば大丈夫な場合がほとんどでした。
対して、西欧と中欧では比較的英語が通じると感じました。特にオーストリア、ドイツ、アイスランドなどではほぼ全域で問題なく「ネイティブフレーズ」で会話が可能でした。郊外やローカルマーケットでは「シンプルフレーズ」を使うこともありましたが、全く英語がわからないという人には出会いませんでした。
イギリス、アイルランド、またオセアニアなどの英語圏ではやはり「ネイティブフレーズ」がGOODです。「シンプルフレーズ」でも会話は成り立ちますが、盛り上がりはあまり期待できません。
アジア圏では基本的に「シンプルフレーズ」の方が役立ちましたが、マレーシアやシンガポールには流暢な英語を話す人が多くいますので、ある程度の会話力があると現地のおすすめ情報などを教えてもらうことができて楽しいですよ。
もちろん、ある国では一般的に英語が通じやすいからといって、全員がペラペラと喋れるわけではありませんし、逆も同様です。なので最初に述べたように、今回ご紹介した「ネイティブフレーズ」「シンプルフレーズ」はあくまで両極端な例文であり、実際の会話では相手や自分の理解度にあわせて調整していく必要があると思います。
みなさんも英語が通じなかったからといってすぐに諦めずに、ここで紹介したような「極端にシンプルな英語」で話しかけてみると、うまくコミュニケーションをとれるかもしれません。
英語は世界の共通語。母語が異なる人とコミュニケーションを取れる可能性が一番高いのは、間違いなく英語です。文法やそのまま使えるトラベルフレーズを紹介している記事は多いですが、今回のように視点を変えてみて、相手にとって答えやすい質問の仕方だったり、伝わりやすい表現について考えてみるのも会話力アップに繋がるのではないでしょうか。
英語は結局はコミュニケーションツールなのですから、いくら文法的に正しい文章だろうと相手に通じなければ意味がありません。自分が持っている英語知識をいかに応用できるかが、海外旅行だけでなく、今後の国際社会で世界中の人と意思疎通を図るためには大事なのではないかと私は思います。