DMM英会話ブログ編集部
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突然ですが「世界遺産」ってどんな基準で決められているか知っていますか?
言葉だけ聞くと「なんだかすごい!」ということだけはわかるけど、実はいろいろな基準を満たしてやっと登録されるのです。たとえば「最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する」こと。
特にオーストラリアには、この「自然が引き起こした素晴らしい」世界遺産が多く存在しているのです。
この記事では、そんなオーストラリアの世界遺産をそれぞれの魅力とともに紹介します。
エアーズロックは、オーストラリア中心部、ノーザンテリトリーの真っ赤な大地にそびえる巨大な一枚岩です。
日本人にとっては、森山未來と長澤まさみが主演した青春恋愛映画『世界の中心で愛を叫ぶ』(2004)で重要な役割を果たした舞台(実際のロケ地はキングスキャニオンという場所ですが)として知られています。
現在ウルルがある地域は、6億年ほど前には8000m級の山脈があったと考えられています。山脈を流れていた川の浸食や地殻変動によって現在のエアーズロックが形成され、7000万年前にはほぼ現在の姿となりました。
「ウルル 」はオーストラリアの先住民であるアボリジニによる呼び名で、「エアーズロック」は1873年にイギリスの探検家によって名付けられました。どちらの呼び方でも親しまれています。
アボリジニがウルル周辺に住み着いたのは、今から1万年以上前といわれており、アボリジニによる精霊や水場の位置が描かれた壁画も多く残されています。
エアーズロックは1987年に世界遺産に登録されました。
エアーズロックの見どころはやはりその雄大な姿でしょう。
特に、夕焼けをバックにくっきりと浮かぶシルエットを見ると、人知を超えた神聖なものを目にしているような、厳かな気持ちになります。
先住民のアボリジニにとってもウルルは神聖な場所で、表面の色や風食による巨大なくぼみや穴などには、精霊が宿っているとされています。
一点注意が必要なのはウルルに「登ること」。
アボリジニにとってはウルルは登ってはいけない神聖な場所です。現在は観光客の意思を尊重するため敢えて「禁止」にはしていませんが、過去に転落死亡事故が起きているため、天候やさまざまな条件により登頂禁止になっている場合もあります。
そして、2019年10月26日から観光客向けの登山が禁止されることになりました。
次に紹介するのは、巨大な珊瑚礁「グレート・バリアリーフ」。
3000種類以上の珊瑚と熱帯島からなるグレートバリアリーフは、なんと日本列島がすっぽり入ってしまうほどの世界最大の珊瑚礁です。宇宙から見える唯一の地球上の生物なんですよ。
現在のグレートバリアリーフは今から2万年程前に形成されはじめました。現在生育している珊瑚は8000〜6000年前にサンゴ礁を形成したものが、絶滅せずに繁殖しつづけているものだそうです。
グレートバリアリーフの魅力は、やはり珊瑚礁の見せる美しい海の世界。
まるでディズニーの有名な映画『ファインディング・ニモ』の世界のようです。ドリーやニモを見つけることができるかな?
シュノーケリング、スキューバダイビング、航空機またはヘリコプターツアー、ベアボートやガラス張りのボートからの生物観賞、クジラウォッチングなどの多くの体験を楽しむことができます。
グレートバリアリーフ
公式ウェブサイト【GREAT BARRIER REEF】
古代から残るユーカリの森「ブルーマウンテンズ国立公園」。ユーカリの油分が気化して太陽の光に当たると、渓谷全体が青くみえることからこの名前がつきました。
8つの保護区域からなるブルーマウンテンズは太古から変わらない姿で訪れる観光客を楽しませてくれます。
ブルーマウンテンズは2000年に世界遺産に登録されました。
ブルーマウンテンズは大昔に地殻変動により突然隆起して形成されました。
近年までは玄武岩をともなった火砕流が周辺一帯を覆っていましたが、この部分はほとんど摩耗し、ごくまれに山頂部ではっきりとした地層を観察することができます。
世界最古の石灰石の鍾乳洞といわれる「ジェノランケーブ」では、11の洞窟を探検して美しい鍾乳洞を見ることができます。
今でも新しい洞窟の探索が続いているジェノラン・ケーブは、まさにインディージョーンズの世界。
アトラクション施設「シーニック・ワールド」では、眼下に広がるブルーマウンテンの渓谷を存分に楽しめるケーブルカーやトロッコ電車を楽しむことができます。
ブルーマウンテンズのランドマーク「スリーシスターズ」と雄大な渓谷を望むことができる「エコーポイント」では、写真には収まりきらない雄大な峡谷風景を堪能してみてください。
ブルーマウンテンズ
公式ウェブサイト【Blue Mountains Australia】
数億年前、南半球にオーストラリアも含む巨大な大陸「ゴンドワナ大陸」がありました。ゴンドワナ熱帯林は、そのゴンドワナ大陸時代から変わらぬ姿でたたずむ熱帯雨林です。
クイーンズランド州南東部とニュー・サウス・ウェールズ州北東部に37万ヘクタールの広さでまたがっています。
樹海や滝、洞窟など冒険心をくすぐる雄大な自然のなかで、世界最古のシダ類なども観察できる、まさに自然の博物館なのです。
宮崎駿監督作品『天空のラピュタ』に登場する飛行石の参考にされたとも言われる「土ホタル」は、洞窟で青く幻想的にきらめく不思議な虫。夜にならないと見ることができないので、ディナー付きのツアーを申し込むのがオススメです。
また、日中でも楽しめるのは熱帯雨林のブッシュウォーキング。色鮮やかな鳥や熱帯植物を観察しながら都会とはまったく違う澄んだ空気を味わってみましょう。
ゴンドワナ熱帯林
公式ウェブサイト【NSW National Parks and Wildlife Service】
フレーザーアイランドはオーストラリアのクイーンズランド州にある島で、世界で一番大きな砂の島です。
1992年にユネスコに登録されました。
もともとこの島にはオーストラリアの原住民であるアボリジニが住んでいて、パラダイスを意味する「クガリ」という名で呼ばれていました。
しかしイギリス人が入植してきてアボリジニを追い出し、20世紀初頭にはアボリジニは島から消えてしまいました。
現在の「フレーザーアイランド」という名前については諸説ありますが、キャプテン・ジェームス・フレーザーの妻であるエリザ・フレーザーが乗船していたスターリング・キャッスル号が難破した際、この島へ流れ着いたのが由来であるともされています。
フレーザーアイランドの観光地の1つとして透明度の高い淡水湖が有名です。
なかでもマッケンジー湖は、真っ白な砂浜と真っ青なブルーの水面が信じられないほど美しい調和を織りなしているスポットです。
また、エリー川は水泳などのレジャースポットとして人気。
水底がそのまま綺麗にみえる透き通った水質の川は、少し冷たいですが天気のよい日の水浴びなどが気持ちいいでしょう。
また難破船マヘノ号の残骸が残っている浜辺も、まるで海賊映画に出てくる1シーンのような景色で、観光地の1つとなっています。
フレーザーアイランド
公式ウェブサイト【http://www.fraserisland.net】
1.エアーズロック(ウルル)
2.グレート・バリアリーフ
3.ブルーマウンテンズ
4.ゴンドワナ熱帯林
5.フレーザーアイランド
人知を超える自然が創りだしたオーストラリアの世界遺産を、あなたも感じてみませんか?