タビワライフ
(更新)
こんにちは。夫婦で「死ぬまで新婚旅行」をしていますタビワライフの大地と言います。
今回は、2015年から現在進行形で続いている僕たちの旅を通して感じた「英語が話せなくても旅はできるの?」に対する答えをまとめました。
まず、結論から言ってしまうと「英語が話せなくても旅はできる」。
これは本当だと思います。ただ、一方では間違いだとも感じています。
これから旅に行きたいと思っているけど英語に不安があるあなたにとって、この記事が少しでも役に立つものになればうれしいです。
これは僕たちが新婚旅行で旅に出る前、世界一周をしたいと考えていた頃のエピソードです。2人で世界一周に行くためにまずはお金が必要だといろんな工夫をして一生懸命お金を貯めていました。
少しずつお金は貯まっていく一方で、ずっと引っかかる大きな不安がありました。それが「英語」です。
僕たちは当時、あまりに英語が喋れなかったので、旅の出発前までに少しでも勉強しようと思い、英語の参考書を買った記憶があります。
でも結果的には、忙しいと言いながらその参考書を開く機会は日を追うごとに少なくなっていきました。
そんなとき、実際に世界一周をした方にお話を聞ける機会がありました。僕たちは「実際にどのくらいのお金が必要なのか?」「予防接種はどうしたのか?」「旅中に気をつけることはどんなことなのか?」などたくさんのことを質問させてもらいました。
最後に「ただ、英語が苦手なんですよね…」とボソッと言った時に「英語が話せなくても旅はできるよ!」と実際に世界一周を経験した方がおっしゃっていたので、自分たちもなんとかなるかと、最後は勢いで日本を飛び出してしまいました。
そして、自分たちが旅をしてみて感じたことは、確かに「英語が話せなくても旅はできる」ということでした。
自分がしたいこと、行きたい場所、わからないことをなんとか伝えられれば、周りのいろんな人が助けてくれて旅はできてしまいます。
"新婚旅行で世界一周" 1カ国目
ただ、僕たちは世界一周の1カ国目で立ち寄ったタイで出会った日本人の方をみて、英語を喋れるようになりたいと思いました。
彼は英語をとても上手に話し、現地の人や他の国から来た旅人と昔からの友達のように楽しそうに話しているのです。
それに比べて僕たちは、英語で話しかけられてもうまく返すことができないという負い目から、ゲストハウスにいても他の旅人と話す可能性が高い共有スペースを避けるようになり、自分の部屋にこもりがちになっていきました。
日本を飛び出して、広い世界に来たつもりだったのですが、彼が見ている世界はもっともっと広く、もっともっと楽しそうで、そんな彼の姿を正直羨ましく思いながら見ていたのです。
そこから僕たちは、元々の予定になかったフィリピンでの英語留学に向かいました。
フィリピンでの英語留学はとても楽しかったです。と同時に、日本を出発する前にもっと英語の基礎を学んでおけばよかったと感じました。
フィリピン留学を開始して2ヶ月がたった。最初は辛かった留学も今では卒業したくないと思えるほどになった。決して英語力が上がったわけではない。
でも今はめちゃくちゃな英語でも笑ってくれる先生がいる。めちゃくちゃな英語でも読み取ってくれる生徒のみんながいる。めちゃくちゃな英語でも笑いあえる仲間がいる。
僕たちは旅の途中にフィリピンに立ち寄ったため、もう少しここで勉強したいと思いながらも予算的、時間的な都合で断念しました。
ただ、英語は言語なので、日本語と同じように日々使うことで自分のものになっていくと教えてもらい、長期的にも英語に触れていきたいと思えるようになりました。
英語が話せるようになるには相当な努力が必要なんやってこと、英語が話せる人はみんなすごい努力をしてきたってこと、これがわかっただけで満足。
この写真は私の大好きな先生2人。この2人がいるだけでまた帰ってきたい。
フィリピンでの一番の収穫は、英語で意思疎通ができることの楽しさを感じられたことだと思います。
フィリピン留学は、先生と生徒が1対1で行うマンツーマン授業が基本になっていて、授業も生徒のレベルに合わせた内容になっています。
はじめは先生に質問されたことに対して、すぐに答えることができず、考える時間が長く沈黙が続きました。でも、日を追うごとに何を聞かれているのかがわかるようになってきて、自分の口からもよく使うフレーズがスムーズに出てくるようになりました。
また、ヘンテコな答えをしても先生は笑顔で返してくれるため、間違えることに対する恐怖心がなくなり、先生との会話を楽しもうという気持ちになっていきました。
こうした経験から、今まで自分の中にあった英語に対する苦手意識が少しずつなくなっていくのを実感していたのです。
タイで出会った彼が見ている世界を、ちょっとだけのぞき見できたような気がしました。
そこから僕たちの旅は大きく変わりました。
フィリピン留学の後、オーストラリアでワーキングホリデーを活用して、野菜を収穫する仕事を半年以上しました。これはタイにいた頃の自分たちでは考えられない大きな挑戦でした。
オーストラリアで僕たちが滞在していた地域では、働きたいのであれば自分たちで畑のオーナーに交渉しに行かなければいけません。
もちろん畑のオーナーは英語で話しますし、お金をいただいて働くため、正確にオーナーが求めていることを理解して仕事をする必要があります。
大地くんの誕生日の次の日、仕事終わりに「大地の誕生日に乾杯しよう!」とディーンがお祝いしてくれた。誕生日プレゼントにこの段ボールいっぱいに無農薬野菜をくれた。
ディーンは働き者で力も強くて家族思いでめちゃめちゃ優しい。これでもかってくらい優しい。
私たちがちょっと勘違いしてても、どんなに仕事が遅くても、絶対に怒らずまず「Thank you!!」と必ず言ってくれる。
最初の頃は失敗すること、正確に理解できないこともありましたが、その都度英語で聞き直す、確認することでオーナーとの信頼関係を築くことができました。
その一年後にまたオーストラリアに戻ったときも、そのオーナーから声をかけてもらい、さらに半年以上働かせてもらいました。
仕事以外にもすごく良くしてもらい、何度も家族とのご飯に誘ってくれて、いまでも連絡を取り合う関係が続いています。
最近の話で言えば、ヨーロッパを約3ヶ月かけて、車で暮らすように旅をするバンライフというものにも挑戦してきました。
ヨーロッパでバンを借りるために自分たちが使いたい期間、車の種類、金額、保険と一つ一つ細かいことを英語のメッセージでやりとりしました。
また、ヨーロッパで実際にバンライフをしている最中も、お店での買い物はもちろん、旅先での偶然の出会いを楽しいものにしてくれたのはやはり英語でした。
次はアメリカやニュージーランドでもバンライフをしてみたいなと、さらに夢が広がっています。
もし、ずっと英語に苦手意識を持ったままでいたら、世界を旅しているようで、実は自分の世界に閉じこもりながら旅をしていたかもしれません。
自分から新しい出会いや交流を求めるように変わり、本当の意味で僕たちの旅がスタートしたように感じます。
英語は間違いなく、僕たちの旅の選択肢を広げてくれています。
いまになって思えば、僕たちが世界一周に出発する前に話してもらった、「英語が話せなくても旅はできる」という言葉の中には2つ意味が込められていたように感じます。
1つは海外だったとしても寝る、食べる、移動するという旅は、英語が話せなくてもできてしまうという意味。
そしてもう1つは、英語が話せなくて不安だろうと、やりたいんだったら一歩踏み出してごらんという意味。
きっと僕たちに話してくれたその方は、不安いっぱいだった当時の僕たちの背中を押す意味でそう言ってくれたのだと思います。
あなたはこれからどんな旅がしたいですか?
僕たちがもう一度、世界一周の旅に出発する前に戻れるとしたら、間違いなく英語の勉強に時間を使います。
それは自分たちが旅を通して英語の必要性、そして面白さを体感したからです。
自分の大切な時間を使ってどんな旅がしたいのか?そしてどんな風に生きていきたいのか、よかったら一度ゆっくりと時間を作って考えてみるのもいいかもしれません。
「英語が話せなくても旅はできる!」
これも正解だと思います。ただ、この記事を最後まで読んでくれたあなたにとっては違うかもしれません。
あなたがこれから行きたい旅が、いわゆる移動であるのか?それとも移動の先にある出会いなのか?でおそらく答えは見えてくると思います。
いまはいろんな翻訳ツールも出てきていますが、こうしたツールも、何かあったときに困らないように持っていくのではなく、目の前の相手とコミュニケーションを楽しむために持っていく、というマインドだけで大きく価値が変わってくると思います。
これからは英語に対するイメージを、学校で学んでいたような間違わない英語ではなく、自分の旅をより一層楽しいものにしてくれるコミュニケーションツールの1つとして捉えてみてください。
旅先で英語を使って出会いを広げていく自分を想像したら、きっと楽しく英語を身につけていけると思います。