Erik
(更新)
こんにちは、エリックです。
DMM英会話の大人気教材である『デイリーニュース』から毎回気になるニュースをピックし、英語のポイントだけでなく文化や歴史、イマの社会情勢などにも触れながら紹介する『デイリーニュースで振り返る2017』。
今回は『国際オリンピック委員会、e-スポーツをスポーツとして認める』です。
e-スポーツとは、スポーツや競技としてのコンピュータゲームのこと。
そんなe-スポーツがオリンピックの正式種目になるかもしれないと話題になっています。ゲームがオリンピックの競技になるなんて数年前では想像もしなかった人も多いのではないでしょうか。
今回はe-スポーツが注目されている理由と、今回のIOC(国際オリンピック委員会)の動きに対するネットの反応も見ていきたいと思います。
"Esports Recognized by International Olympic Committee"
「国際オリンピック委員会、e-スポーツをスポーツとして認める」
December 13, 2017
上記記事より英文を一部抜粋し、解説していきます。
※全文はこちらからご確認いただけます。
"sell-by date" は「販売期限」という意味です。ここでは「古くなって人気がなくなってきている」といったニュアンスで使われています。
"break with" は「(古い考えなどを)捨てる」や「関係を断絶する」で、 "break with tradition" は「伝統を破る」「伝統と決別する」の意味。他によく使われる表現では "break up" で「(恋人と)別れる」があります。
"spring up" は「誕生する」「発生する」のような意味。ここでは「たくさん新設されている」のニュアンスです。
e-スポーツとは "electronic sports" の略で、英語では "esports"、"e-sports"、"competitive gaming"、"pro gaming" など様々な呼び方があります。
スポーツ、競技としてのビデオゲームのことであり、様々な大会が開催され、多くのプレイヤーがプロとして収入を得ています。
ここではそんなe-スポーツが注目を集めている理由について見ていきましょう。
度々話題になるのがe-スポーツの大会の莫大な奨金額。例えば Dota 2 というゲームの世界大会の優勝賞金は約11億(賞金総額は約28億円)。
他のスポーツと比べると、例えばテニスのウィンブルドンの優勝賞金は約3億円(賞金総額は約40億円)。メジャースポーツ並に稼いでいるプレイヤーも多いようです。
また、e-スポーツは圧倒的な競技人口を誇ります。最も人気のタイトルである "League of Legends" は世界中で約1億人のプレイヤーがいます。
野球の競技人口が約3000万人と言われていますので、他のゲームタイトルのプレイヤーも考えれば多くのメジャースポーツに匹敵する競技人口であることは間違いないですね。
eスポーツの市場規模は2015年がおよそ370億円とされ、2016年は約40%の増加を見せおよそ520億円となりました。2019年には約1240億円規模に達すると予測されている、超急成長中の市場なのです。
ミレニアル世代(1980〜2000年代に生まれた世代)の間ではeスポーツが従来の「スポーツ」と同等の人気を獲得しているという調査結果もあり、このままいけば2018年にはeスポーツファンの割合が通常のスポーツファンの割合を超えてしまうそう。
説明だけを聞いてもイメージがわかないと思いますので、こちらの動画をぜひ見てみてください。2017年の LoL(League of Legends)の世界大会の様子です。
中国の北京国家体育場に4万人以上の観客が集まり、ネット上ではさらに6000万人がこの大会の決勝を観戦したそう。
さて、最近ではこのe-スポーツがオリンピックの正式種目になるかもしれないと話題になっています。
ニュース本文でも触れたように、まだ実際に正式種目と決まったわけではありませんが、IOCはe-スポーツをスポーツとして認め、今後オリンピック競技になる可能性を示唆しました。
2024年のパリ五輪招致委員会の共同議長 Tony Estanguet 氏はe-スポーツについて以下のように述べています。
The youth, yes they are interested in esport and this kind of thing. Let’s look at it. Let’s meet them. Let’s try if we can find some bridges.
I don’t want to say ‘no’ from the beginning. I think it’s interesting to interact with the IOC, with them, the esports family, to better understand what the process is and why it is such a success.
「若年層はe-スポーツに興味があります。私たちも見てみましょう。彼らに会ってみましょう。何かしら繋がるものがあるか探してみましょう」
「最初から『ノー』とは言いたくありません。IOCやe-スポーツ関係者と今後のプロセスや、なぜこんなにも成功しているのかについて話し合うことは非常に興味深いことだと思います」
オリンピックは近年、伝統的な競技の人気の衰えや、ファン離れなどに悩まされています。そのため、若年層に絶大な人気を誇るe-スポーツを取り入れることはファン層の復活や収益の増加に繋がる可能性が高いでしょう。
とは言え、IOCはまだ様々なことを検討をしている段階であり、暴力的なゲームは除外される可能性や、統括機関が存在しない問題など、e-スポーツが正式競技になるには一筋縄ではいかないかもしれません。
ネット上では賛否両論の様々な意見が見られました。ここでいくつかご紹介します。
if esports joins the olympics i will actually watch the olympics
— ☀️Ray of Sunshine☀️ (@Rachel_Thieman) December 8, 2017
e-スポーツがオリンピック競技になったら、オリンピックを見るわ
ABOUT FUCKING TIME!!!! FINALLY ESPORTS GOING TO BE IN THE OLYMPICS!!!! #esports #Olympics pic.twitter.com/YqYlbYx8GM
— Ryan Tabatabai (@SirTabatabai) December 8, 2017
ついに!!!e-スポーツがオリンピック競技に!!!
If softball, baseball, and football are not in the Olympics, please don’t talk about the possibility ESports....I’d rather watch tug of war or arm wrestling that dudes playing #COD
— Lindsay Garinger (@lindsaygaringer) December 13, 2017
ソフトボール、野球、アメフトがオリンピック競技じゃないなら、e-スポーツが競技になる可能性について話し合わないでください…CODをプレイする男たちを見るより綱引きとか腕相撲の方がまだいいわ
※ COD : 戦争をテーマにしたシューティングゲーム『Call of Duty』の略。
いかがでしたか?
PCゲームがオリンピック競技になる可能性がある時代。近い将来、e-スポーツは当たり前のように他の伝統的なスポーツと肩を並べる存在になっているかもしれません。
ニュースを読むだけでなくその文化的な背景を知ること、より深く理解することで、英語学習もより楽しくなるのではないでしょうか。
今後もデイリーニュースで楽しく英語を勉強していきましょう!
【参考】
AP Interview: Paris open to esports on 2024 Olympic program
「世界で拡大eスポーツ市場!日本は?」(くらし☆解説)
賞金28億円。莫大な金額を動かすeスポーツの「魅力」と「将来性」
ウィンブルドン 優勝賞金3億円