世界的リーダーのSNSから見る、米パリ協定離脱に対する米国内と世界の反応【デイリーニュースで振り返る2017 vol.9】

こんにちは、エリックです。

DMM英会話の大人気教材である『デイリーニュース』から毎回気になるニュースをピックし、英語のポイントだけでなく文化や歴史、イマの社会情勢などにも触れながら紹介する『デイリーニュースで振り返る2017』。

今回は『ブルームバーグ前NY市長が米国のパリ協定順守を宣言』です。

地球温暖化の対策のために2015年に採択された国際的合意であるパリ協定。

米国トランプ大統領がアメリカを離脱させると表明したのは記憶に新しいですね。今回の件でトランプ氏は世界中から批判を浴びることになりましたが、自国内の多くの国民や自治体なども大統領に反発する姿勢を見せています。

前ニューヨーク市長のブルームバーグ氏を筆頭に、多くの州知事、地方自治体、大手企業などがパリ協定の支持を表明し、トランプ政権抜きで温室効果ガス排出量を削減するために動き出しています。

本記事では、米国のパリ協定離脱に対する世界各国の主要人物の反応と、今回のニュースのメインテーマであるトランプ政権に立ち向かうアメリカ国民の動きについて、ツイッター投稿を見ながら紹介していきたいと思います。

各国の首相や大手企業の代表者レベルの方達がどのような英語を使うのかにも着目すると、より楽しめることでしょう。
 

ブルームバーグ前NY市長が米国のパリ協定順守を宣言

"Bloomberg Delivers U.S. Pledge to Continue Paris Climate Goals to UN"
『ブルームバーグ前NY市長が米国のパリ協定順守を宣言』
(June 8, 2017)

上記記事より英文を一部抜粋し、解説していきます。
※全文はこちらからご確認いただけます。

【ニュース本文】
<英文>
Former New York City Mayor Michael Bloomberg submitted a statement to the United Nations on Monday that over 1,000 U.S. governors, mayors, businesses, universities and others will continue to meet the goals of the Paris climate agreement abandoned by President Donald Trump recently.
He also launched a process to work with local governments and non-state entities to formally quantify the combined emissions reduction pledges, which will be known as "America's Pledge," and submit the report to the United Nations.
<和訳>
先にドナルド・トランプ大統領が離脱を表明したパリ協定について、元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは月曜日、1000以上の米州知事、市長、企業、大学などが目標を達成し続ける旨の声明を国際連合に提出した。
さらに、地方自治体や非国家主体と共に、「アメリカの誓い」と呼ばれる排出量削減の誓いを正式に数量化し、国際連合にレポートを提出するプロセスを開始した。
解説

"meet the goals"「目標を達成する」という意味。

"meet" は「会う」という意味で覚える方が多いと思いますが、「満たす」「合う」という意味もあるのです。

【例】

"meet the requirements"
「条件を満たす」

"meet the criteria"
「基準を満たす」

"meet one's needs"
「誰々の要求を満たす」

"meet the deadline"
「締め切りに間に合う」

"make ends meet"
「家系の収支を合わせる」
 

【ニュース本文】
<英文>
"Today, on behalf of an unprecedented collection of U.S. cities, states, businesses and other organizations, I am communicating to the United Nations and the global community that American society remains committed to achieving the emission reductions we pledged to make in Paris in 2015," Bloomberg said in a statement.
Signatories to the new initiative include 13 Democratic and Republican governors, 19 state attorneys general, over 200 mayors, and CEOs of Fortune 500 companies and small businesses.
<和訳>
「本日、前例のない規模のアメリカの都市、州、企業、その他団体などを代表して、私は国際連合と国際社会に伝えます:私たちアメリカ社会は、2015年にパリで誓った排出量削減の目標を達成することに引き続きコミットし続けます」と、ブルームバーグは声明で述べた。
署名者は13の民主党と共和党の州知事、19の州司法長官、200以上の市長、そしてフォーチュン500と小規模なビジネスのCEOを含む。
解説

"unprecedented" 「前例のない」という意味。"precedent"、"precedented" (先例、先行する)に接頭語 "un-"(否定)がついています。

"signatory"「署名者」"signature"「署名」です。
 

パリ協定とは

パリ協定は地球温暖化の対策のために、2015年に採択された国際的合意です。2020年以降の地球温暖化対策を定めていて、世界195の国と地域が参加していました。

パリ協定の目的は、世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える、加えて平均気温上昇を1.5℃未満を目指すというもの。各国が排出量削減の目標を立て、対策をとることが求められています。

トランプ氏がパリ協定離脱を表明

2017年6月1日、トランプ大統領がパリ協定からの離脱を発表。

今回米国が抜けることになり、非参加国はシリア、ニカラグア、そして米国の3カ国となりました。

トランプ氏は選挙戦時から唱えている「アメリカ・ファースト」を理由にあげ、米国の石油や石炭産業を再興させるとしています。

さらにトランプ氏は、米国にとってより公平な条件でパリ協定に入り直すか、全く新しい協定を作るための交渉を始める、とも述べました。

米国は世界第2位の温室効果ガス排出国であり、抜けることによってパリ協定の効果が著しく下がってしまう可能性があります。
 

世界の反応

今回のトランプ政権の決断には多くの批判の声がありました。

米国民に加え、世界中の主要人物らも声明を出していますのでご紹介していきます。
 

米国内

まずは分裂が加速しているアメリカ国内の声。

パリ協定を抜けることは間違っている。気候変動は本当だ。子供たちにもっと(地球の資産と未来を)残さなければならない。将来を守ることで雇用は生まれる。
ービル・クリントン(第42代アメリカ合衆国大統領)

私たちはすでに気候変動の影響を感じ始めている。パリ協定離脱はアメリカの安全とクリーンエネルギーの将来を手に入れる能力を危険にさらす。
ージョー・バイデン(アメリカ合衆国第47代副大統領)

今日、私たちの地球は苦しんだ。今こそ行動を起こさなければならない。
ーレオナルド・ディカプリオ(ハリウッド俳優)

アメリカをパリ協定から離脱させるトランプの決断はアメリカのリーダーシップの放棄であり、国際的な不名誉である。
ーバーニー・サンダース(政治家)

主義に基づいて、パリ協定離脱を受け、私は大統領の諮問委員会を辞任しました。
ーロバート・アイガー(ウォルト・ディズニー・カンパニー会長兼CEO)

アメリカ最初!地球最後!
ーマイケル・ムーア(映画監督、ジャーナリスト)

金曜日の表紙はこれです…
トランプから世界へ:くたばれ
ーニューヨーク・デイリーニューズ

肯定的な反応

パリ協定離脱に関してトランプ大統領を批判している全ての外国首脳。協定が不公平で外国に有利であったことのさらなる証拠だ。
ーニュート・ギングリッチ(政治家・共和党)

パリ協定はエネルギーの値段を吊り上げ、中流階級と低収入のアメリカ国民に最も大きな打撃を与えただろう。
ーポール・ライアン(政治家・共和党)

世界各国

パリ協定はシリアとニカラグア以外の全ての国が参加している協定です。

世界各国が力を合わせて気候変動に立ち向かうための協定ですので、温室効果ガス排出量世界2位のアメリカが抜けるとなれば、世界中から批判が殺到するのも無理はありません。

アメリカ合衆国連邦政府がパリ協定から離脱することを決断したことを非常に残念に思います。
ージャスティン・トルドー(第29代カナダ首相)

地球を再び偉大にしよう。
ーエマニュエル・マクロン(第25代フランス大統領)

パリ協定からの離脱。トランプは今の世代とこれから来る世代の運命を決めている。彼は地球そのものに宣戦布告している。
ービセンテ・フォックス・ケサーダ(第55代メキシコ合衆国大統領)

アメリカが気候変動との戦いに背中を向け、国際社会にとって悲しい日。EUはこの一方的な決断を非常に残念に思う。
ミゲル・アリアス・カニェテ(欧州委員会気候行動・エネルギー担当委員)

パリ協定を抜けるというアメリカの決断は、私たちの子供の将来を確保する最後の希望を手放す決断である。
ーマルゴット・ウォールストローム(スウェーデン外務大臣)

アメリカ合衆国大統領の無責任な決断を考えれば、カリフォルニアのジェリー・ブラウンのようなリーダーたちが前進し続けることがより一層重要になる。
ーニコラ・スタージョン(スコットランド自治政府首相)

世界にとって悲しい日だ。デンマークは未来の世代のための気候変動との戦いを続ける準備ができている。
ーラース・ロッケ・ラスムセン(デンマーク王国首相)

私はこのパリ協定に対する残酷な行為を強く非難する。リーダーシップとは、力を合わせて気候変動に立ち向かうことである。責任を捨てることではない。
ーシャルル・ミシェル(第69代ベルギー首相)

メルケル首相はトランプ大統領の決断を残念に思っています。私たちは今まで以上に地球規模の気候政策のために動く。
ーシュテファン・サイバート(報道官)

立ち上がる地方自治体と大手企業

トランプ政権のパリ協定離脱表明を受けて、オバマ前大統領は以下のように述べています。

アメリカンリーダーシップが不在の中でも、この政権が未来を拒否する数カ国と肩を並べたとしても、私たちの州、都市、そして企業は立ち上がり、先導をし、一つしかない私たちの地球を、未来の世代のために守る努力をすると、私は信じている。
ーバラク・オバマ(第44代アメリカ合衆国大統領)

そして今回のニュースのメインテーマ、州知事や大企業の代表者などが立ち上がり、引き続きパリ協定を尊重することを発表。

ClimateMayors(環境のための市長)の仲間と共に、未来を守るために立ち上がる。セントルイスはパリ協定を尊重し、自分の役割を果たす。
ーリダ・クルーソン(ミズーリ州セントルイス市長)

ピッツバーグの市長として、市民、経済、そして未来のために、私たちはパリ協定のガイドラインに従うことを約束しよう。
ービル・ペドゥート(ペンシルバニア州ピッツバーグ市長)

パリ協定からの離脱に関係なく、サンアントニオは引き続き健全で持続可能な環境プランに集中する。
ーアイビー・テイラー(テキサス州サンアントニオ市長)

パリ協定から離脱する決断は地球にとって間違っていた。アップルは気候変動に立ち向かうことにコミットし、絶対に揺るがない。
ーティム・クック(アップルCEO)

本日の決断に失望しました。グーグルは、全ての人のよりクリーンで幸福な未来のために努力し続けます。
ーサンダー・ピチャイ(グーグルCEO)

法律やルールが州レベルで異なるアメリカ。

大統領がパリ協定を尊重しないというのなら、政権抜きで目標を達成してやろう、という意気込みが感じられますね。
 

まとめ

いかがでしたか?

トランプ大統領はツイッター大好きで有名ですが、他の世界のリーダーたちもこんなにSNSを活用していることに驚いた人も多いのではないでしょうか。SNSで気になる国の大統領や企業の代表者をフォローしておくと、時事問題に詳しくなると同時に英語の勉強もできて一石二鳥ですね。

私たちの生活にも影響を及ぼす可能性がある今回の米国のパリ協定離脱表明。協定を引き続き尊重すると表明している州は多いですが、もちろん全てではありません。今後もどのような動きがあるのか注目したいですね。

ニュースを読むだけでなくその文化的な背景を知ること、より深く理解することで、英語学習もより楽しくなるのではないでしょうか。
今後もデイリーニュースで楽しく英語を勉強していきましょう!

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