日本がテーマのボードゲーム、間違ってニュージーランド人を妖怪として採用?【デイリーニュースで振り返る2018 vol.2】

こんにちは、エリックです。

DMM英会話の大人気教材である『デイリーニュース』から毎回気になるニュースをピックし、英語のポイントだけでなく文化や歴史、イマの社会情勢などにも触れながら紹介する『デイリーニュースで振り返る』。

今回のニュースは『封建時代の日本がテーマのボードゲーム、間違ってニュージーランド人を妖怪として採用』です。

あるゲーム会社が封建時代の日本をテーマとしたゲームを発表し、ゲーム内では日本神話の妖怪が登場するのですが、その中には日本人も知らない「コタヒ」という謎の妖怪が。

実はこの「コタヒ」はある人物の名前で、開発者が誤って日本の妖怪として登場させてしまったのです。その人物とは?そして一体なぜこのようなことが起きてしまったのか?

その一部始終を、一連の流れをまとめたツイッタースレッドを参照しながらご紹介します。
 

日本がテーマのボードゲーム、間違ってニュージーランド人を妖怪として採用

今回のニュース記事はこちらです。

Feudal-Japan-Themed Board Game Accidentally Casts New Zealander as Monster
『封建時代の日本がテーマのボードゲーム、間違ってニュージーランド人を妖怪として採用』
February 6, 2018

上記ニュースより英文を一部抜粋し、単語や文法等の解説を交えながら、関連情報やネットの反応等を見ていきましょう。

全文はこちらからご確認いただけます。
 

事の発端

2017年、ゲーム会社のCMONは "Rising Sun" というゲームを発表し、人気商品となりました。

Rising Sun のキックスターターが始まりました! Eric M. Lang と CMON による新タイトルで名誉と栄光をつかめ!

日本の封建時代をテーマとしたボードゲームで、日本神話に登場する妖怪が登場します。

ゲームが人気を集めるに連れて、CMONは新しい妖怪を追加していきました。
 

謎の妖怪「コタヒ」

その中に「コタヒ」という妖怪がいました。

プロジェクトが人気を集めるに連れて、CMONは「コタヒ」を含む新しい妖怪を追加できるチャレンジ目標を解禁した。

さて、みなさんはこの「コタヒ」という妖怪を知っていますか?

このゲームを目にした日本人ユーザーが BoardGameGeek というオンラインフォーラムで下記の質問を投げかけました(和訳)。

みなさん、こんにちは。
 
妖怪を見ていたところ、「コタヒ」というのはどこから来たのか疑問に思いました。私は日本人ですが、「コタヒ」という妖怪は聞いたことがありません。他のアジア圏の国から来ているのでしょうか?もしくはCMONが作ったオリジナルキャラクターでしょうか?
 
ウィキペディアの「日本の妖怪一覧」ページではコタヒはとても奇妙な説明が書かれています(「マナワ・ブラッドフォード」とはなんでしょう?)
 
誰かご存知の人はいますでしょうか?

 

コタヒという妖怪は存在しない

この投稿を見た多くのユーザーからコメントが集まり、どうやら「コタヒ」という妖怪は存在しないことが発覚。

どうやら Rising Sun のデザイナーたちは他のソースを確認せずに、主な調査をウィキペディアで行っていたよう。これがウィキの「日本の妖怪一覧」ページの「コタヒ」に関する記述だ。

ウィキペディアページのスクリーンショットには「コタヒ:マナワ・ブラッドフォード。とても毛深く、怒り狂う猿の霊。『カノト』とも呼ばれる」とあります。

ゲーム会社がウィキペディアをもとにキャラクターデザインをしていたことも驚きですが、そもそもこの「コタヒ」という存在しない妖怪はなぜウィキペディアのページに名前を連ねているのでしょう。

そして「マナワ・ブラッドフォード」とは…?
 

明かされる真相

ウィキペディアは一般の人、誰もが編集することができるサイトです。

誰かが「コタヒ」に関する記述を「日本の妖怪一覧」ページに追加したと考えるのが妥当でしょう。

ニュースの英文を確認していきましょう。

【ニュース本文①】
<英文>
A 19-year-old New Zealand farmer has accidentally become a character in a U.S. board game based on feudal Japan. Kotahi-Manawa Bradford, from Dannevirke, was messing around on the Internet with a friend from Australia when they added his name to a list of “Legendary Japanese Monsters” on Wikipedia.

 
<和文>
封建時代の日本をテーマとしたアメリカのボードゲームのキャラクターとして、ニュージーランドの農家の19歳の青年が誤って登場した。ダンヌヴィルク出身のコタヒ・マナワ・ブラッドフォードは、オーストラリア人の友人とふざけてウィキペディアの「日本の妖怪一覧」のページに自身の名前を追加した。

なんと「コタヒ」とはニュージーランドの19歳の青年の名前だったのです。

"feudal" は「封建の」という意味。日本の「封建時代」は "feudal period"、「封建時代の日本」は "feudal Japan" などと表現されます。「大名」は "feudal lord" の他に、そのまま "daimyo" とも言います。

"messing around" は「ふざける」「いじる」などの意味。今回は "messing around on the Internet" で「インターネットをいじりながら遊んでいた」のニュアンスです。
 

ニュージーランドのコタヒさん

こちらがコタヒさん、19歳。ニュージーランドの地方に住む青年です。

おそらく追加したのはニュージーランド、ダンヌヴィルク出身のコタヒ・マナワ・ブラッドフォードさん、もしくは彼の友達の一人だろう。

 

今回のニュースに対する反応

日本神話の妖怪と間違えられてしまった当の本人、コタヒさんは以下のように述べています。

【ニュース本文②】
<英文>
“I can't help smiling but I do feel a little bad for the company”, Bradford told The Wireless. “Hopefully they keep the character.”

 
<和文>
「笑いを堪えられないけど、ちょっとゲーム会社の方に申し訳ない気持ちもあります」とブラッドフォードは言う。「コタヒがそのままキャラクターとして残るといいな」

こちらはコタヒさんがニュージーランドのニュース番組に出演したときの映像です。

その他、ネット上ではゲームデザイナーやゲームのファンなどもこの件に対して反応。

【ニュース本文③】
<英文>
Some board game designers and fans have pointed to the mistake as evidence of cultural appropriation. U.S. Game designer, John Brieger, criticized CMON on Twitter for relying on Wikipedia for their research, and not including Japanese people in the development of a game based on their culture.

 
<和文>
一部のボードゲームデザイナーとファンはこの間違いが文化の盗用であると指摘する。アメリカのゲームデザイナー、ジョン・ブリーガーはツイッターでCMONのウィキペディア頼りの調査、そして日本をテーマにしたゲームの開発チームに日本人を含めなかったことを非難した。

"cultural appropriation" は日本語に訳すと「文化の盗用」という概念で、賛否両論あります。一言でいうと、ある国や地域の文化を、他の文化の人が本来の意味とは違った意味で都合よく「盗用」することです。

この場合は日本神話に登場する「妖怪」を、きちんと調査もせず、さらに存在しない「コタヒ」を自身の開発するゲームに登場させてしまったことが、日本文化に対して差別的で失礼なのではないか、ということです。

多くの文化が入り混じるアメリカのような国と違って、日本文化がマジョリティの日本ではこのような概念はあまり存在しないのかもしれません。

まとめると:ボードゲームのテーマにしている文化の人の意見を聞こう。もっと良いのはその人たちを共同デザイナー、開発者、もしくはアーティストとしてチームに加えよう。文化の盗用はさておき、ウィキペディアの偽情報をゲームに入れてしまうことを防げるよ!

 

まとめ

いかがでしたか?

ダンヌヴィルクはニュージーランドの北島にある小さな田舎町で、オンラインフォーラムの BoardGameGeek のユーザーは、「ここ最近ダンヌヴィルクで起きた一番面白い出来事だよ」と投稿した。

そんなダンヌヴィルク出身のコタヒさんとその友人にはCMONから実際のボードゲームとキャラクターピースが送られることになりました。自分の名前のキャラクターでゲームが遊べるなんてとても楽しそうですね。

ニュースを読むだけでなくその文化的な背景を知ること、より深く理解することで、英語学習もより楽しくなるのではないでしょうか。今後もデイリーニュースで楽しく英語を勉強していきましょう!

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