アカデミー賞にまつわる英語表現とイディオムをご紹介!

毎年大きな話題となる米アカデミー賞。

2022年は日本からもエントリーがあり、濱口竜介監督・脚本の「ドライブ・マイ・カー」がInternational Feature Film(国際長編映画賞)のカテゴリーでノミネートされています。

最近では日本やアジアの作品も注目を浴びるアカデミー賞ですが、毎年楽しみにしている方はたくさんいるのではないでしょうか?

そこで今回は、アカデミー賞を英語で楽しめるように、ニュースで見かける英語表現や、レッドカーペットにまつわるイディオムをまとめてご紹介したいと思います!
 

アカデミー賞は英語でなんという?

アカデミー賞自体は、英語では Academy Awards と言います。

しかし、一般的には Oscars(オスカーズ)と呼ばれることが多いです。

このオスカーズの由来は、アカデミー・ライブラリーの司書であったマーガレット・ヘリックという女性が、受賞者に配られる像が自分の叔父のオスカーに似ていると思ったことが始まりだそう。

そしてこの像は Oscar Statuette という名で親しまれていますが、公式名称は Academy Award of Merit です。
 

アカデミー賞にまつわる英語表現

レッドカーペット
 

motion picture

「映画」という言葉はアメリカでは一般的に movie と呼び、イギリスなどでは film と言うことをご存知ですか? しかし、アカデミー賞では映画のことを motion picture と呼びます。

受賞カテゴリーのなかにも Academy Award for Best Picture というものがあり、これは「アカデミー作品賞」を指します。

Motion は「動き」を表す英単語で、picture は「画像」という意味なので、「動く画像」で「映画」になったのです。

なお、この motion picture という表現は19世紀に使われていた古い言い方。実は、movie という言葉はスラングなんですよ!

Movie という言葉は20世紀初期に世間的に普及し始め、それにより motion picture という言葉は徐々に使われなくなりました。

1926年頃から「サイレント映画」は「音のある映画」に主流が変わっていきました。この「音のある映画」は talk(話す)という単語にちなんで、 talkie(トーキー)と呼ばれるようになります。

ではなぜ最後に -ie がつくのでしょうか?

Selfie(セルフィー・自撮り)という言葉のように、最後に -ie をつけると、その言葉に親しみやすさが生まれます。 movie や talkie という言葉も、この理由から派生したのです。
 

red carpet

レッドカーペットの歴史は実に面白いものです。

紀元前458年、古代ギリシャの詩人アイスキュロスの戯曲「アゲムノン」に登場したことがレッドカーペットの始まりだと言われています。

劇中では、王様のアデムノンがトロイに戻ったときに、妻のクリテムネストラが「crimson path(深紅の道)」で彼を出迎えたのです。しかしアガメムノンは、神様でもない自分がこの道を歩くのは傲慢な行為に見えるのではないかと、歩くのに戸惑いました。

それ以来、レッドカーペットは高いステータスを表すものとして、王室の場でも使用されるようになったのです。

そして現在では、red-carpet treatment という表現もあります。

We got the red-carpet treatment.

「私たちはVIPのように扱われました」

これは、20世紀初期のニューヨーク・セントラル鉄道に由来すると言われています。専用車両に乗り込む乗客の案内用に赤いカーペットが使われていたそうですよ。
 

nominee

「ノミニー」と発音するこの言葉は、「候補者」や「推薦者」を意味します。

「推薦をする」は nominate(ノミネート) と言い、名詞として使う場合は nomination(ノミネーション)になります。

There are five nominees for this year’s Best Short Film award.

「今年の最優秀短編映画賞には5作品がノミネートされています」

My favorite actor was nominated for Best Actor in a Leading Role!

「私の好きな俳優が、主演男優賞にノミネートされた!」

 

runner-up

「優勝者」は winner と言いますが、「準優勝者」はなんと言うかご存じですか?

2位になった人のことを、英語では runner-up と呼ぶのです!

この言葉は1840年代に行われていたドッグレース(犬の競争)で使われていたことに由来していると言われています。最終レースだけで勝てなかった犬のことを runner-up と呼んでいたそう。

She didn’t win, but being runner-up is also a huge accomplishment.

「優勝はしなかったが、準優勝というのも大きな成果だ」

 

presenter

プレゼンターとは、受賞者や受賞作を発表する人や人たちのことです。

よく授賞式のステージで、小さなカードや手紙を開いて、名前を読み上げる人たちを見ますよね。これを presenter と呼び、毎年さまざまな有名人が選ばれます。

To present an award は、「賞を贈る」という意味です。

Lady Gaga is one of the many presenters at this year’s Academy Awards.

「レディー・ガガは、今年のアカデミー賞の数あるプレゼンターのなかの一人です」

 

アカデミー賞の主なカテゴリー

映画監督のカチンコ

アカデミー賞には、The Big Five Awards というのがあり、もっとも注目されている5つの賞のことを指します。

  • Best Picture|作品賞
  • Best Actor|主演男優賞
  • Best Actress|主演女優賞
  • Best Director|監督賞
  • Best Screenplay|脚本賞

それでは、これらを含むさまざまなカテゴリーについて少しずつ説明していきますね!
 

Best Picture

映画界でもっとも期待される賞、作品賞。

前述でも説明した通り、picture は motion picture から来ていて、ここでは「映画」を表しています。

“Gone With the Wind” was the first color film to win Best Picture.

「『風と共に去りぬ』は、初めて作品賞を受賞したカラー映画です」

 

Actor/Actress

次に知っておきたいのは、Best Actor/Actress in a Leading Role(主演男優・女優賞)と Best Actor/Actress in a Supporting Role(助演男優・女優賞)です。

Kristen Stewart plays the leading role in “Spencer”.

「Kristen Stewartは『Spencer』で主役を演じています」

「主役」や「主演」は、lead actor/actress と表現されることもよくあります。

Will Smith is the lead actor in “King Richard”.

「『キングリチャード』の主役はウィル・スミスです」

 

Director

「監督賞」は Best Picture(作品賞)の次に注目されている賞です。

カテゴリー自体は Directing と呼ばれています。

Ryusuke Hamaguchi, from Japan, is nominated for Best Director.

「日本からは、濱口竜介が監督賞にノミネートされています」

 

Best Screenplay

このカテゴリーには、Best Original Screenplay(脚本賞)と Best Adapted Screenplay(脚色賞)があります。

Adapted Screenplay というのは、小説や演劇など、すでに存在する素材を基にした脚本です。

“Drive My Car” is nominated for Best Adapted Screenplay because it is based on a short story by famous author Haruki Murakami.

「『ドライブ・マイ・カー』が脚色賞にノミネートされているのは、著名な作家である村上春樹の短編小説を原作としているからです」

 

Cinematography

こちらは「撮影賞」と言い、Cinematographer(撮影監督)に授与される賞です。

Greig Fraser of “Dune” is nominated for Best Cinematography.

「『デューン』のグレイグ・フレイザーは撮影賞にノミネートされています」

 

Music

音楽カテゴリーには、Best Original Score(オリジナル作曲賞)と Best Original Song(オリジナル歌曲賞)の二つがあります。

Best Original Score は、歌詞のある曲ではなく、歌のないサウンドトラックを手掛けた作曲者に贈られます。

Hans Zimmer is one of my favorite composers, and he has been nominated for Best Original Score numerous times.

「ハンス・ジマーは私の好きな作曲家の一人で、これまでに何度もオリジナル作曲賞にノミネートされています」

ちなみにここに出てくる score は「点数・得点」のほうの意味ではなく、合奏や合唱の譜面を一つにまとめた楽譜「総譜」を指します。

そして Best Original Song は、映画のために作られた歌曲のことを指し、ミュージカル映画が受賞することが多いです。ただ、そうでない映画が受賞することもたくさんあります。

“No Time to Die” by Billie Eilish has been nominated for Best Original Song.

「Billie Eilishの『No Time to Die』は、オリジナル歌曲賞にノミネートされました」

 

Others(そのほか)

ほかにも以下のようなカテゴリーがあります!

  • Best Costume Design|衣装デザイン賞
  • Best Sound|録音賞
  • Best Makeup and Hairstyling|メイクアップ&ヘアスタイリング
  • Best Visual Effects|視覚効果賞
  • Best Film Editing|編集賞
  • Best Documentary Feature|長編ドキュメンタリー映画賞
  • Best Animated Feature Film|長編アニメーション賞
  • Best Live Action Short Film|短編映画実写賞

みなさんは、どのカテゴリーが一番気になりますか?
 

アカデミー賞にまつわる英語イディオム

授賞式の席

最後に、アカデミー賞や授賞式にまつわるイディオムをご紹介したいと思います。
 

to play (someone) off

アカデミー賞では、受賞をしたらスピーチをしますよね。このスピーチは英語では acceptance speech と言います。

しかし、なかには時間制限を超えてしまう、長く喋る方もいますよね。

そこで、スピーチを無理やり終わらせようと、わざとオーケストラやBGMが演奏を始め、受賞者をステージから追い出す状態のことを to play him/her/them off と言うのです!

His acceptance speech was so long that they had to play him off.

「受賞スピーチがあまりにも長かったので、彼をステージから追い出す必要がありました」

 

Oscar bump / box office bump

この bump というのは、「興行収入の大幅な伸び」を表します。

ある映画がアカデミー賞を受賞して注目を浴び、その映画を観に人々が映画館へ足を運ぶことから生まれた言葉です。

これは基本的には一時的な伸びなので、数字をグラフで見た場合、斜めに上がるのではなく、少しボコっとした「コブ(bump)」のように見えます。

それに由来し、この現象を Oscar bump または box office bump と呼ぶようになったのです。

Most movies that win Best Picture get an Oscar bump.

「作品賞を受賞する映画のほとんどはオスカー・バンプを得ます」

 

star-studded

Star-studded は「豪華なキャスト」や「オールスターのキャスト」という意味で使われるイディオムです。

たとえば、ある映画に主演している俳優や女優が全員主役級の役者であったり、脇役にも豪華な俳優が使われているなら、その映画のキャストは star-studded と言えるでしょう。

この studded という言葉には「散りばめられた」や「点在した」という意味があります。

よく耳にするのは a star-studded sky(満天の星空)です。また、ファッションの世界でも a diamond-studded jacket(ダイヤモンドが散りばめられたジャケット)などのように studded という言葉を聞くことがありますよ!

The movie that won Best Picture has a star-studded cast.

「作品賞を受賞した映画には、豪華なキャストが勢ぞろいしています」

 

アカデミー賞を英語で楽しもう!

いかがでしたか?

今回は、アカデミー賞にまつわる英語表現をご紹介しました。

日本のテレビでは放送されないですが、WOWOWをお持ちの方は生中継を視聴することができます。

結果発表や名シーンのみ見たい方は、リアルタイムや翌日にはSNSやYouTubeに動画が上がってくるはずです。

受賞者のスピーチでリスニングの練習をしたり、司会者の表現に注目をしてみたり、アカデミー賞はさまざまな楽しみ方がありますよ!

また、優勝した作品を実際に観るなど、自分なりに楽しんでみてくださいね。