現地出身者が紹介するフィリピン!日本や世界との違いを徹底解説
ヤシの木にココナッツジュース。
暖かい気候に、美味しいチキンアドボ。
熱気に包まれている屋台。
フィリピンについて考えるときに、上記の光景を思い浮かべる人が多いかと思います。
フィリピンは世界で TOP5 に入るほど英語が話されている国。タガログ語だけでなく、英語も必須言語とされています!
言語はもちろん、日本とは文化も気候も、人々の生活スタイルも大きく異なりますが、果たしてフィリピンはどのような国なのでしょうか?
今回は、フィリピンのマニラ出身で東京育ちの筆者が、実体験をもとにフィリピンについてご紹介します! 日本と違う部分をぜひ楽しんでお読みいただけたらと思います。
フィリピンでの生活スタイルとお金・物価
まずは、生活する上でも特に気になるであろう「生活様式」と「お金・物価」についてお話ししていきたいと思います。
生活スタイル
一概に「フィリピンでの生活」と言っても、さまざまなものがありますので、「宗教的観点」と「国民性」に分けてお話ししたいと思います。
宗教的観点
外務省によると、2021年時点でのフィリピン人の人口の約90%以上はキリスト教信者だと言われています。
そのうちの80%はカトリック教徒で、残りの10%はその他のキリスト教徒だそうです。
イスラム教信者や仏教徒が多い東南アジアのなかでは、唯一のキリスト教国ということになります。
基本的に、毎週日曜日に家族で集まって、朝から教会に行くのが当たり前。そして、ご飯を食べる前と寝る前には必ずお祈りをします。
仕事や勝負事などの重要な場面や、災難に見舞われたときは、手を使って十字架のサインを作り、お祈りする方が多いです。
人によりますが、キリスト教では「許すこと」を教えられているからか、懐が広い人が多いです。これは、次の「国民性」の項目にも関係します。
国民性
上の項目でもお話ししたとおり、フィリピンは懐が広い人が多い国です。
そして何事に対しても、とても情熱的!フェスティバルも大好きです!
例えば、自分の家の前や通りを清掃しているボランティアの方々を見かければ、すぐに飲み物や軽食を差し入れます。
また、誰かが困っていると放っておけない人が多く、「この人何か困っているかな?」と思えば、「どうしたの? 大丈夫?」とすぐに声をかけます。
この情熱的な国民性は、日常生活や、のちほどお話しする恋愛に関しても見られます。
お金・物価
フィリピンの通貨は「peso(ペソ)」と言います。
そして物価は、一言でいえばとても安いです。
Yahoo!ファイナンスの外貨為替計算によると、2022年8月の時点では、日本円の100円は41ペソです。
フィリピンの物価は、日本の3分の1から5分の1程度。
具体的なものでいうと、タクシーの初乗りやタバコのマルボロライトがともに40ペソほど。これは日本円にすると約96円になります!(2022年8月時点)
そして気になるのは、フィリピン人の月収ですよね!
職業にもよるのですが、フィリピンでの平均月収は約18,000〜25,000ペソ。これを日本円に換算すると、約4〜6万円ほどです。
物価も安いのですが、平均月収の額にもびっくりしますね。
日本で暮らしていると、お財布に2〜3万円入れている人もいるかもしれませんが、フィリピンでは、このような額のお金をお財布に入れていると危ないので、スリなどには気をつけましょう。
フィリピンでの仕事環境
続いては、フィリピンの仕事環境についてお話ししていきます。
時間管理のしかた
日本の職場では「5分前行動」が当たり前ですよね。なかでも1時間前に行動をする人もいる几帳面な国ですが、フィリピンではそんなに早くに出勤をする人はあまりいない印象です。
朝夜関係なく、車、バイク、バス、そしてトライシクル(三輪車)などがたくさん走っています。それが理由でフィリピンでは渋滞がひどいため、仕事に遅刻することが多いのです。
渋滞は誰のせいでもないので、「仕方ないよね」と開き直る人がたくさんいます。
そして、この時間感覚は、仕事だけでなく、友人同士で出かけるときも変わりません。
例えば、16:00に待ち合わせをするとしたら、大体待ち合わせ時間の5分前くらいに家を出て、「遅れる〜」と遅刻するのもよくあることです。
実際に筆者も、日本に住んでいるフィリピン人の友人と待ち合わせると、友人は大体1時間ほど遅刻してやってきます。
少しお話がそれましたが、フィリピン人は時間にルーズであることが多いと言えるでしょう。
そして、残業を嫌い、定時には大体みんな上がります。
仕事をしながら他のことをする
日本国内で働いている限り、「ありえない」と言われるであろうことですが、フィリピンではお菓子を食べたり、同僚とおしゃべりをしながらお仕事をする人が多いです。
筆者がフィリピンのコンビニに行ったときのお話ですが、レジにお客さんが並んでいないときは、店員さんは同僚とスマホをいじっていたり、飲み物を飲んだりしていました。
そして、接客をするときも、ガムを噛みながら接客をするのは日常茶飯事です。
こういった緩さは、コンビニだけではありません。
オフィスで働いている人たちも、お菓子を食べたり、おしゃべりしながら仕事を進めます!
初めてフィリピンにいくという方は驚くかもしれませんが、よく見られる光景ですよ。
そしてこれに関しては、フィリピンに限ったことではありません。日本人の多くは気持ちのいい丁寧な接客を心がけているため、外の世界を見ると驚きます。
でも心配しないで大丈夫です。みなさん通常運転です。
契約通りの業務のみこなす
日本でお仕事をしていると、少なからず芽生える「会社のため」という義理と人情。
残業代が出なくても、周りの人々が快く過ごせるなら、自分の時間を少し犠牲にしてもいいという考え方を持っている方が多いかと思います。
しかしフィリピンでは、給料が発生しないのであれば、基本的には自分に割りふられた仕事以外の業務をこなさないスタイルです。
他のことをしている同僚がお仕事のお手伝いを頼もうとしても、それが自分の契約内容と違うのであればやりません。
なんだか、クールですね。
フィリピンの教育
筆者の経験談を踏まえてお話しすれば、一言でいうとフィリピンの教育は厳しいです!
小学校から赤点や留年があります! だから、フィリピンの小学生はどのテストに対しても、日本の中高生と同じようにテスト勉強をします。
また、言語的には、小さい頃から母国語であるタガログ語に加え、英語を話せることが当たり前です。
そして、これは家庭にもよるのですが、日本では小学2年生から始める九九と割り算の勉強を、小学校1年生から習わせる家庭が多いそう。
※ 実際に九九や割り算のお勉強は小学校3年〜4年から始まります。
つまり、基本的な足し算と引き算の本格的な勉強は幼稚園の頃から始めているということになります!
記憶が正しければ、筆者自身も、足し算と引き算を4〜5歳、掛け算と割り算を6〜7歳のときに母に厳しく暗記させられました。
フィリピンのエンタメ・娯楽
歌やダンス、ファッションなど、フィリピン現地の人はエンタメへの関心がとても高いです。
そのため、歌やダンスが上手な人が多く、なかにはそれらの世界大会などで注目を集めることもあります。
また、「ミスコン大国」と呼ばれるほど、フィリピンは「美」にも大いに力を入れています。その影響からか、過去に世界大会上位や優勝歴があります。
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フィリピン人の価値観
価値観について、実体験をもとにお話ししていこうと思います。
友情編
一度仲良くなると、どんなに年を重ねても疎遠になることがなく、家族のように仲が良い人が多いです。
なかでも一番多いパターンは、仲良くなった友達を、家族全員に紹介して、そのお友達の家族とも仲良くなること。
そして、金銭的に困っているときも放っておくことがほとんどなく、助けられる範囲で助け合います。例えば、金欠で飲み会などに行けないときは、みんなでお金を出し合って奢ったりします。
友情に関して情熱的な人が多い印象です。
恋愛編
友情関係でも情熱的なので、恋愛関係でも情熱的です。
日本では、誰かを好きになったときには、男女問わず、どちらから告白しても抵抗がないという考えが多いのですが、フィリピンではそこが違います!
まず、誰かを好きになったときは、女性側からはアプローチをすることが少なく、どちらかというと男性側が先手を切ることが多いのです。
そして、「この人と付き合いたい!」と思っていても、急に「好きです」と告白はせず、かといって「仲良くなりたいです」と遠回しにも好意を表しません。
その代わり、Ligaw(リーガウ)と呼ばれる「お試し期間」というものを必ずと言っていいほど設けます。
このリーガウの期間に、好きになった女性に対してプレゼントを贈ったりデートなどをして、気に入られようとします。
お互いの(主に女性側の)周りのお友達やご家族のみんなに気に入ってもらえるようにアピールをしたり、このリーガウ期間中に外堀を埋めます。
この期間中は、まだ正式ではないにせよ、「仮で」付き合っている状態です。男性は女性のご機嫌を取るのに必死です。
そして正式にお付き合いできたのであれば、男女問わず「いつ」「どこで」「誰と」「何を」したのか、必ずと言っていいほど聞かれたり、報告をする必要が出てくるのです。束縛が激しくなってしまうカップルが多いという傾向があります。
その一方、束縛されている=愛されているバロメーターとして捉える方が多いのも事実です。
LGBTQの受け入れよう
最後にご紹介するのは、LGBTQへの理解の示し方についてです。
結論から言うと、フィリピンではLGBTQに対して寛容な人が多いです。ゲイやレズビアン、バイセクシュアルの方がたくさんいるのも事実で、実際に筆者の親戚にもそういった方がいます。
「カトリックでは問題にならないの?」と疑問に思う方もいると思いますが、確かに宗教的な問題でいうならば、LGBTQはNGです。自身の親や家族にも打ち明けるのを怖がって、言わずに生きている方々が多いのも事実です。
ただ、それ以上に「その人自身」を見ているので、たとえどんなセクシュアリティであっても生きやすい国なのではないかと思います。
まとめ
少し長くなりましたが、いかがでしたか?
国も違えば、もちろん文化も違います。
そしてフィリピンは美味しいものも多くて、気候だけでなく人々も暖かい国です。
機会があれば、ぜひ次の旅行の目的地をフィリピンにしてみてはいかがでしょうか?