Hiroe H
(更新)
こんにちは、Hiroe H.です!
前回、わが家のカナダ移住の理由は子供の学校を考えてのことだとお話ししましたが、そもそも日本と北米の学校はどう違うのでしょうか?
私自身カナダに移住するまで、北米の学校教育については多くの日本人同様、映画やドラマで見る程度にしか知りませんでした。実際カナダに移住して現地の学校に子供たちを通わせたことで、日本と北米の学校教育の違いを、身をもって体験することができました。
日本とカナダの学校、どちらが優れているとは一概には言えませんが、良い意味でも悪い意味でもたくさんの違いを目にし、それぞれの国の良いところを再確認できたのはとても良い経験になったと思います。
今日は日本とカナダの学校教育の違いを親の目線から紹介していきます!
まずは学校生活の違いから見てみましょう。
カナダの小中学校の1日は、日本の小中学校の1日より少し短いです。朝8:30から1時間目が始まり、14:35に下校となります。
それに比べ、高校は朝9:10から授業が始まり、下校は15:25と日本の高校とあまり変わりません。でも、1つの授業が1時間15分と長く、1日4時間目まで(4教科)しかありません。
大半の子はお昼はカフェテリアで食べます。お弁当の子もいれば(と言ってもほとんどの子がサンドイッチですが)、カフェテリアで買って食べる子もいます。
カフェテリアでは毎朝、家庭の事情で朝食を食べられない生徒たちのために無料で朝食を提供しています。単に朝食を食べる時間がなかった子たちが食べていることもありますが……。
カナダの小学・中学・高校には日本の学校と違い保健室がありません。子供の調子が悪くなったら学校から親に連絡が行き、子供の様子によっては迎えに行きます。
息子の友達が小学校の校庭の遊具から落ちて腕の骨を折ったときも、学校から連絡をもらった親がその子を迎えに行き、病院に連れていっていました。日本だったら保健の先生が先に病院に付き添ってくれていますよね。
また、カナダの高校には警察が駐在しています。わが家の住む町は州警察ではなくRCMP(王立カナダ騎馬警察)の管轄なので、RCMPが高校に1人配置されています。
息子の通う高校は私たちが住む郡の中で良い高校として知られており、RCMPにお世話になるような生徒はほとんどいないのに、なぜ駐在しているのか不明です。
カナダの学校には日本の学校のような掃除の時間がありません。学校の掃除はすべて放課後や夜間に清掃業者の人が行います。
日本の子供たちのように、自分たちの使う教室などを掃除するのはとても良いことだと思うのですが、その考えはこちらにはないようです。
カナダの学校の夏休みは、6月末から9月頭までととても長いです。
私たちが日本で暮らしていた県は、7月末から8月半ばまでと、日本の中でも特に夏休みが短い県でしたのでカナダの夏休みはなおさら長く感じます。
長い夏休みなのに夏休みの宿題は1つもないので、子供達は小さいうちは遊び放題、15歳くらいになるとアルバイトをする子が多いです。
次に学習面の違いを見てみましょう。
日本では高校受験が一般的で、高校の同じクラス内での学力差はそこまでないと思います。一方、こちらの中高は一般のクラスにいる場合、生徒たちの学力差が激しいです。
良い大学に行きたい生徒たちは、高校で「AP programs(アドバンス・プレースメント・プログラム)」と呼ばれる大学レベルのクラスなどを選択します。
また、こちらには日本の塾のようなものがありません。カナダの名門大学に行きたい子たちでも、基本自分で勉強し、塾などには通いません。
カナダにも家庭教師はいますが、家庭教師をつけているのは勉強を頑張っている子たちより、勉強が苦手で学校の授業についていけない子たちの方が多いです。
では、カナダの学校の授業はどのようなものか見てみましょう。
うちの子供たちが通った中学・高校は学校から Google の Chromebook を支給されます。一応、レンタルなので卒業時には返却します。故意に壊した場合は弁償ですが、そうでない場合は別の Chromebook を貸してくれます。
新型コロナウイルスが流行る前から Google Classroom を使っていたので、ロックダウンになったときも問題なくオンライン授業に切り替わりました。
また、中学からいろいろな授業で Google スライドを使ったプレゼンをしているので、日本の子供たちに比べプレゼン慣れしています。
プレゼンだけでなく、グループワークも多いので、ほかの子と協力し合うことや、自分たちの意見を言い合うことにも慣れています。
カナダの学校では教科書を配布しません。
まず日本の学校のように全科目で教科書を使うことはなく、教科書を使う場合は学校から借りることになります。
その学年が終わると、使っていた教科書は学校に返却するので、日本のように家に古い教科書が溜まっていくこともありません。
最後に親の学校への関わりを見てみましょう。
こちらの学校にもPTAのようなものはありますが、いつの間にか役員が決まっています。何の連絡も報告もなく決まっているので、勝手に立候補しているのでしょうか?
そんないい加減な感じなので、親がPTAに縛られることはまったくありません。
また学校行事もほとんどありません。日本でいう体育祭や文化祭などもうちの子供たちの学校にはありませんでした。
こちらの学校は日本の学校と比べると、とにかくいい加減です。
どのくらいいい加減かというと、イギリスから移住してきた家族が、学校に子供の生年月日を間違えて伝えてしまい、その子は1学年上のクラスに入れられてしまいました。(学校がパスポートや出生届などを確認することもありません。)
何ヶ月もしてから誤りに気づいた親が学校に連絡したところ、「授業に問題なくついていけているので問題ない」と言われたそうです。
日本でよく耳にする「モンスターペアレント」はカナダにもいます。
学校に怒鳴り込みに来ている親を数人見かけたことがありますが、日本とはまた違った迫力があって怖いです。息子のクラスメイトの親にもモンペの人がいて、学校にはもちろんクラスの親への苦情もしょっちゅうでした。
ある日、そのモンペの子がうちの息子とその友人たち数人にいじめられたと嘘をつき、それを真に受けた母親がわが家に怒鳴り込みに来たことがありました。
うちの子はその場におらず無実だったのに、1時間くらいイチャモンをつけられ、最終的には誤解が解け納得して帰っていきましたが、しばらくドアベルが鳴るとあの母親ではないかと、ドキドキしてトラウマものでした。
カナダに移住してきてから教育熱心な親に出会ったことがありません。サッカーマムやホッケーマムのようなスポーツに熱心な親はたくさんいますが、日本のように学校の勉強に関して熱心な親は見かけません。
子供の学校生活に興味がないという訳ではなく、よほど問題がない限りは子供に任せている感じの親が多いです。特に中学、高校になるとこのようなスタンスの親がほとんどです。
言い換えてみると、授業についていけないくらい勉強が苦手な子の親や、問題を起こしてばかりの子の親の方が学校との関わりが強いです。
今日は日本とカナダの学校の違いを、学校生活・学習面・親の学校への関わりの3つに分けて紹介しました。
「日本のような栄養バランスを考えた給食があったらなあ」とか「子供たちに少しくらい掃除をさせるべきなのに」とか「日本のように献身的な先生がもっといたらなあ」とか思うところはいろいろありますが、子供たちがカナダで教育を受けることができ、何よりも子供たちにはカナダの学校生活がとても合っていたようで、カナダに移住して本当に良かったです。
今日ここで紹介した内容はあくまでもわが家の子供たちが通った学校のことで、すべてのカナダの学校がそうではないと思います。参考程度に読んでいただけたら嬉しいです!