Mei
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突然ですが、皆さんに質問です!
5月5日は何の日でしょうか。
これはわかりやすいかと思います。正解はこどもの日です! 英語では Children’s Day と呼びます。
今回はこどもの日の背景と、どのようにして「祝日」として制定されたか、この日はどのようなことをして何を食べるのかを英語で説明する方法、そして海外のこどもの日についてご紹介したいと思います。
では最初に、こどもの日の話をするときに出てくる英単語をご紹介します。
まずはじめに、どのようにしてこどもの日が祝日になったのか、その歴史的背景をご紹介したいと思います。
もともと、古来の中国に由来する行事でした。その行事の名も「端午節」。日本における「端午の節句(たんごのせっく)」の由来です。
端午の節句を英語にすると Boy’s Festival になります。そもそも「端午」というのは「5月の最初の午(うま)の日」という意味なので、「端午の節句」という呼び方はそこからきているわけです。
「端午節」は戦国時代に名を馳せた中国人政治家で詩人の屈原(くつげん)の供養祭が始まりで、そのお祭りではちまきを食べて、ドラゴンボートレースなどが行われてお祝いされていました。
それが毎年の5月5日に行われるようになったのです。
中国では屈原の供養祭ですが、日本では男子が健やかに成長できるように願う行事の日だと定められています。日本でこどもの日を祝日として制定したのは1948年のことでした。
さて、このような歴史背景を読んで、「こどもの日って男の子向けだったの?」と思った方が多いかと思います。こどもの日は、母子ともに健やかで豊かな生活を送れるように願う日なので、男の子だけの日ではありません。
ちなみに、ひな祭りは英語で Girls’ Day と言います。
ここからはこどもの日に見られる飾りや食べ物について、説明していきます!
まず最初は、こどもの日といえばこれ! 鯉のぼりについてです。
鯉のぼりの風習が始まったのは、江戸時代のこと。武士が玄関先で幟(のぼり)や旗指物(はたさしもの)を飾っていたことから始まったようです。
その後、5色のカラフルな「吹き流し」という鯉のデザインがされた幟を飾るようになりました。
では、どうして飾り始めるようになったのでしょうか?
実は、その理由は昔から中国にある「滝を登り切った鯉は竜になる」という言い伝えにあります。これにちなんで、縁起のいい鯉の形をした登りを飾るようになったのです。
「こどもの日に日本家屋の外に飾られる鯉のぼりは、幸運を表すといわれています」
こどもの日に見かけるものの一つといえば、鮮やかな色の鎧(よろい)や兜(かぶと)ではないでしょうか。
五月人形を飾るのも伝統の一つになっていますよね。これは子どもたちが力強く、たくましく成長できるように願いを込めて飾るものです。
では、なぜ鎧と兜なのでしょうか?
鎧と兜はとても頑丈にできています。昔の武士たちはこれを着て、自分達の身を守っていました。それにちなんで、子どもたちを災いから守られるようにという願いがこもっている鎧と兜を飾る風習ができたのです。
「五月人形は、子どもたちの成長を願いつつ、災いから守ってもらえるように願いを込めて飾ります」
こどもの日の食べ物といえばかしわ餅、ちまき、タケノコですよね。
どうしてこのような食べ物がこどもの日に食べられているのでしょうか?
もっちりとしたお餅にカシワの葉。ふんわりと漂うその葉の香りがプラスすると、美味しさが増しますよね。
カシワの葉は冬の間でも新芽が育つまで枯れることがなく、枯れ葉も落ちないことから「子孫繁栄」という縁起のいい植物とされてきました。
そのため、「将来子宝に恵まれるように」という願いを込めて、かしわ餅をこどもの日に食べるのです。
「日本では、こどもの日に子孫繁栄を願って柏餅を食べる習慣があります」
あるところではおこわであったり、また別の場所ではお団子であったり、地域によって中身の違うちまき。
そのちまきに使われる葉っぱはチガヤの葉というものです。今はほかの葉っぱで代用されることもありますが、もともとは匂いの強いチガヤの葉が使われていました。
匂いが強い葉っぱを使うことで魔除けになると信じられてきたので、健康を祈りつつ、魔除けとして食べる風習がこのようにして生まれました。
「こどもの日にちまきを食べるのは、健康祈願と魔除けのためです」
タケノコの旬の時期は、こどもの日と重なる3月から5月。ちょうど端午の節句と同じ時期なのです。
旬の食材ということもあり、また、タケノコのようにすくすくと成長してほしいという願いを込めて、こどもの日にはタケノコを食べます。
「こどもたちにすくすくと成長してほしいという願いを込めて、日本人はこどもの日にタケノコを食べます」
この風習は中国から伝わったものです。
菖蒲(しょうぶ)という植物は、屋根に吊るして魔除けとして使われていました。
お風呂の時間は、自身の体を労わる時間でもあるので、魔除けをしつつ体を労わるために菖蒲湯に入ります。
「菖蒲湯は、自分の体を労わりながら魔除けをするために入るお風呂のことを言います」
最後に、世界中のこどもの日についてお話ししたいと思います。
世界で定められたこどもの日は2つあります。
まず、6月1日の国際こどもの日ですが、1925年に「子どもの福祉世界会議」がジュネーブで開催され、この日を国際こどもの日として制定しました。
次に、11月20日の世界こどもの日は国連によって制定されたものです。1954年に、国連に加盟している国すべてに「こどもの日」を制定するように勧告したのがきっかけでした。
機会があれば、海外の友人や、オンラインレッスンの際に外国人講師に、その方々の国ではこどもの日がどのように祝われているのかを聞いてみてはいかがでしょうか?そんなときに使えるフレーズをいくつかご紹介しますね。
「あなたの国では『こどもの日』は祝われますか?」
「あなたの住んでいるところでは、『こどもの日』はどのように祝われていますか?」
「日本では『こどもの日』は大事な行事です。あなたの国にも似たような祝日はありますか?」
いかがでしたか?
当たり前のように過ごしていたこどもの日ですが、各行事のことを深く知るとよりこどもの日を楽しめるかと思います。
こどもの日に鯉のぼりを見ながらかしわ餅などを食べると、より一層感慨深くなるのではないでしょうか。
ぜひ楽しんでください!