SHIORI
(更新)
今年もクリスマスまであと少しとなりました。
クリスマスといえばプレゼントのほかに、普段口にしないような豪華な料理や飲み物を楽しみにしている方も多いでしょう。
DMM英会話のデイリーニュースでも、世界で楽しまれるクリスマスの食べ物に関する記事がピックアップされていました。
今回は、その延長として、欧米で定番になっているクリスマスの飲み物について少し詳しく紹介していきます。
クリスマスは世界各国で祝われていますが、クリスマスならではの食べ物や飲み物は、国によってそれぞれ少しずつ違います。
欧米では、ターキー(七面鳥)、ポテト(マッシュドポテト、ローストポテト、フライドポテトなど)、スタッフィング(ターキーの空洞に入れる具)、野菜、グレービーなどが、一般的なクリスマス料理です。北米では、ターキーの代わりにチキンやハムが出されることもあります。
また、ヨーロッパや北米のクリスマス時期には、エッグノッグやグリューワイン、ホットチョコレート、アップルサイダー、クリスマスポンチなどが飲まれます。
一方、日本ではKFCのフライドチキンを食べることが多いですよね。この習慣は欧米の人からするととても興味深いのだとか! 海外の人に驚かれる日本のクリスマス習慣については下記の記事もぜひご覧ください。
「エッグノッグ(eggnog)」とは、牛乳、クリーム、砂糖、そして卵から作られる飲み物で、とても濃厚でとろみのある乳製品です。
そのままでも飲めますが、非常に甘いため、アルコールやミルク、コーヒーなどと割って飲まれることも多いです。シナモンなどのスパイスと相性が良く、ホットはもちろん、冷たいままでも美味しくいただけます。
クリスマス近くのホリデーシーズンになるとお店に出回り、パーティーなどで出されたりもします。寒い冬にホットで飲めば(アルコール入りは特に)、身体の芯から温まることができます。甘酒や卵酒のような感覚なのだと思います。
パクチーなどと一緒で、好き嫌いが分かれやすい味と舌触りですが、欧米では昔から親しまれている、伝統的な飲み物です。
正確な発祥地や時期はわからないものの、ほとんどの食歴史学者たちの間では、中世初期のイギリスで飲まれていた posset という温かくてミルキーなエール(ビールのようなアルコール飲料)に似た飲み物が起源なのではないかと言われているそうです。
当時はミルクと卵、そしてシェリー酒(アルコール分を強めた白ブドウ酒)は富を象徴するものだったので、エッグノッグは成功と健康を表すために出されていたそうですよ!
クラシック エッグノッグの作り方はこちらの Delish のレシピを参考にすると良いと思います。
私自身もこのレシピでエッグノッグを作ったことがありますが、とても美味しく出来ました。砂糖とスパイスはお好みに合わせて調整することもできます!
さらに、欧米で良く飲まれている、混ぜるだけで完成するエッグノッグをベースにしたドリンクを2つ紹介しますね!
【材料】
【トッピング】
【材料】
【トッピング】
「モルドワイン(mulled wine)」とは、いろいろなスパイスが含まれたホットワインのことを言います。
スパイスと温かいワインで身体を芯から温めることができるので、クリスマスなどのホリデーシーズンや、寒くなってくる秋などによく飲まれます。
mull には「熟考する」という意味のほか、「砂糖やスパイスなどで甘味や香りを入れて温める」という意味があります。モルドワインはまさにその通り、果物やスパイスをワインに混ぜて作られます。
手作りのものは、カレーライスのように各国や家庭で違った味で楽しまれます。スパイスが入っているため、エッグノッグと同様、好き嫌いがはっきりと分かれることが多いです。
モルドワインの発祥は2世紀のローマで、身体を温めるためにワインを温めで飲んだことから始まったと言われているそうです。そして中世にかけてヨーロッパを中心に広まっていきました。
始めはワインを温めるだけでしたが、次第に健康促進のため、スパイスを加えて飲まれるようになったようです。その後も時間をかけてレシピが進化していき、味も美味しく健康で、かつ身体が温まる、今のようなモルドワインになったとされています。
ドイツでは、「グリューワイン(gluewein)」という名で親しまれ、クリスマスマーケットでの買い物中に飲まれることが多いです。
私自身が試したなかでいちばん美味しく出来たなと思うレシピが Delish に載っています。
【材料】
【作り方】
日本でもおなじみホットチョコレートは、多くの人が好む飲み物だと思います。
ホットミルクにチョコレート(固体、液体、粉末など)を加えて混ぜたものに、マシュマロを表面いっぱいに浮かせて飲むのが北米流です。
また、マシュマロのほかにも、たっぷりの生クリームを浮かせて飲む人や、ペパーミントシロップや、ジンジャーブレッドシロップなどの「クリスマスの味」を加えて飲む人も多いです。
アメリカのホットチョコレートは粉末を使用することが多く、少し粉っぽい感じがします。一方ヨーロッパでは sipping chocolate という、もっと濃厚でとろみのある、リッチなホットチョコレートが好まれます。
sip には「一口」や「すする」という意味があり、一口づつすすりながら味わうことからそのような名前で呼ばれているようです。確かにとろみのある濃いホットチョコレートを一気に飲むことはできませんよね。
粉末状の sipping chocolate も売られていますが、基本的に固体のチョコレートから作られるため、粉っぽさを感じることはありません。sipping chocolate にパンなどをディップするのも1つの楽しみ方です。
【材料】
【作り方】
【材料】
【作り方】
サイダーと聞いたら、しゅわしゅわのソーダを想像する人が多いと思います。私もアメリカに来て初めてホットアップルサイダーをカフェのメニューで見たときに、「温かいりんごのソーダ」を想像して買ってしまったことがあります。
「温かいソーダってどんなだろう?」と思っていたのですが、いざ飲んでみると衝撃的でした。まったくしゅわしゅわしていない、普通のリンゴジュースにシナモンがふりかけてあるドリンクが出てきたのです。
そう、この「サイダー」は炭酸飲料ではなく、アルコールの「サイダー(リンゴ酒)」のことを指しており、北米では「リンゴ果汁」のことを表します。
National Apple Museum によると、りんごは昔、食べ物というよりは飲み物として認識されていたようで、りんごの果汁を発酵させてアルコールにするのが一般的だったみたいです。
クリスマスのホリデーシーズンにお店やカフェで見かけるようになり、シーズンが終わるとメニューから消えることが多く、まさにこの時期にだけ味わえる飲み物です。
私は自分でアップルサイダーを作ったことがありませんが、Delish の人気レシピをシェアさせていただきますね!
【材料】
【作り方】
クリスマスポンチは、クリスマスの時期に飲まれるフルーツをふんだんに使ったジュースです。
アメリカではパーティーのために大人数用に作られることが多く、大きな瓶に大量に作り、飲みたい量を注いで飲むスタイルが一般的です。
クランベリージュースやザクロジュースなどのクリスマスを思わせる赤色ベースのジュースに、パイナップルジュースやジンジャーエールなどお好みのジュースと混ぜ合わせ、カットしたフルーツを浮かばせます。
ノンアルコールなので子供から大人まで楽しむことができますが、ウォッカやラム酒などのアルコールを混ぜて楽しむこともできます。
近年では、お祝いごととなるとシャンパンを飲むような印象がありますが、18世紀や19世紀頃はお祝いごとにはポンチが定番でした。
起源はインドで、「5」という意味のヒンディー語 panch から来ていると言われています。その名の通り、当時は水、アルコール、フルーツジュース、砂糖、そしてスパイスの5つの材料から作られていたようです。
【材料】
【作り方】
いかがでしたか?
欧米のクリスマスシーズンには、日本ではあまり馴染みのない飲み物が飲まれることがわかったと思います。
ホットチョコレートは日本でも飲まれている定番のドリンクですが、エッグノッグやモルドワイン、ホットアップルサイダーなどは、飲んだことがないという人も多いのではないでしょうか?
これを機に、欧米で楽しまれる飲み物を作って、今までと少し違ったクリスマスを過ごしてもるのも良いかもしれませんね!