DMM英会話ブログ編集部
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ポカポカとした陽気、心地のいい風、草木の芽吹きと、もうすっかり春ですね!
近年、春先になると、カラフルな卵やウサギの形をしたお菓子が売られているのを目にするようになりました。
見ているだけでも楽しいこれらのお菓子は、「イースター」というお祭りのためのものだと知っていますか?
日本ではまだまだ馴染みのないイースターですが、海外では盛大に祝われる重要な祭日。そこで今回は、イースターがどんな日なのかをご紹介したいと思います。
十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストの復活を祝う日。
キリスト教にもさまざまな宗派・教派がありますが、イエス・キリストの復活について書かれていない聖書はないくらい、イエス・キリストの復活はキリスト教徒にとってとても重要な日です。
イースター(Easter)という名称は、ゲルマン神話の春の女神「エオストレ(Eostre)」にちなんで名付けられたと言われています。
もともと、イースターはキリスト教とは関係のない春の訪れを祝うお祭りでしたが、草木や新しい命が芽吹く春とイエス・キリストが死から復活する姿が重ねられ、キリスト教の布教方法の一つとして世の中に普及していったという説もあります。
イースターは移動祝祭日で、毎年日付が変わります。宗派によって多少異なりはするものの、基本的には「春分の日のあとで、最初の満月の次の日曜日」をイースターとして祝います。
イースターの前の金曜日は「受難の日(Good Friday)」といわれ、イエス・キリストが十字架にかけられて死亡した日とされています。そしてイースター翌日は「Easter Monday」 と呼ばれ、イギリスやオーストラリアでは学校や仕事はお休みになるそうです。
お店もほとんどが閉まってしまうので、イースターの時期に海外旅行に行く場合は、事前チェックをしましょう。
イースターと言えば、このカラフルにペイントされた卵。その名も「イースターエッグ(Easter Egg)」。卵は「新しい生命」を象徴するもので、イエス・キリストが死という殻から復活したことを表しています。
従来は、本物の卵(ゆで卵)にペイントしたり、装飾をほどこしていましたが、近年では卵形のプラスチック製品やチョコレート、キャンディーなどが代用されることも多いようです。
イースターのもう一つのシンボル「イースターバニー(Easter bunny)」。
うさぎは子だくさんで、多産や繁栄の象徴であることから、「新しい生命」を意味するイースターエッグを運んできてくれるものとして伝えられています。
イースター当日は、教会に礼拝に行き、家族や親族と集まってご馳走を食べてお祝いします。メニューは地域によって異なるようですが、ラム肉、ハム、たまご料理など豪華な食事が並びます。
・お肉料理
こちらはローストしたお肉。とっても美味しそうで、お腹が空いてしまいますね!
実はイースターの前の日曜日を除いた40日間は「四旬節(Lent)」と呼ばれ、この期間は質素な食事にしたりお祝いごとを避けるのが伝統です。Lentに入る前日を「告解の火曜日(Shrove Tuesday)」と呼び、イギリスでは「パンケーキデー(Pancake Day)」として知られます。
そして、Lentの間は質素な食事のために肉も避けて魚料理を食べます。だから、お祝いにお肉を食べるんですね。
・たまご料理
こちらは「デビルドエッグ(Deviled eggs)」で、たまごの黄身をマヨネーズ、ピクルス、マスタード、ハーブなどで味付けして、白の器に飾ったもの。
アメリカのパーティーでは必ず出てくると言っていいほど、有名なパーティーフードです。
この料理自体は古代ローマ時代からあるとされますが、イースターエッグを装飾するようになってから、この日に卵を食べる習慣も誕生したそうですよ。
・ホットクロスバンズ(Hot Cross Buns)
レーズン、フィグ、ピールなどのドライフルーツが入った菓子パン。パンの上には、十字の模様が入っており、十字架を象徴しています。イギリスではイースターの前の金曜日である「聖金曜日*(Good Friday)」 に食べるのが伝統だそうです。
一説には、14世紀にロンドン郊外のSt.Albans(セント・オールバンズ)の大聖堂にいた牧師が、「Alban Bun」と呼ばれるパンを作って貧困に悩む人びとに配ったことが始まりだそう。
このパンには長い航海に持っていくと難破を逃れるなど、多くのいわれがあるそうですよ。幸運をもたらしてくれるパンなのかもしれませんね。
・シムネルケーキ(Simnel cake)
主にイギリスで食べられる、マジパンでデコレーションされたケーキ。こちらもドライフルーツがたくさん入っています。ケーキの上にある11個のお団子は、イエスの12人の弟子のうち、ユダを除いた11弟子を表しています。
中世からこのケーキを焼く習慣があったとされ、Simnelという言葉は真っ白で最上級の小麦粉を意味するラテン語のsimilaから由来するそう。当時としてはごちそうのケーキだったわけですね!
小さな子供のいる家庭では、イースターならではのゲームをして遊びます。
・エッグハント(Egg hunt)
イースターエッグ作りはもちろんのこと、エッグハントは子どもたちが楽しみにしているゲームイベントの1つ! 屋外に隠されているイースターエッグを探して走り回ります。
始まりは16世紀のドイツといわれ、男性がイースターエッグを隠し、子どもや女性たちが探すのが最初のルールだったそう。イエス・キリストの復活を最初に知ったのが女性だったことから、この習わしが始まったともいわれています。
最近では卵型のケースにチョコレートやキャンディ、おもちゃなどが入っていることもあり、子どもたちの目はキラキラです!
・エッグレース(Easter egg and spoon race)
この様子、どこかでみたことがあるような気がしませんか?...そう、障害物競走です! 障害物競走では、スプーンやお玉にボールをのせて走ることがありますよね。
このゲームの場合は、卵をのせて走ります!(もちろん、おもちゃの卵でも大丈夫)
歴史は意外と古く、1800年代終わりごろにはこのレースが行われた記録があるそうですよ。
・エッグロール(Egg roll)
Today is the day! Hundreds of children and their families have descended on the South Lawn to participate in the White House Easter Egg Roll, a long-standing White House tradition. 📸https://t.co/MB3hcuKKOK #EggRoll2019 pic.twitter.com/T8oWjQgCPJ
— US National Archives (@USNatArchives) April 22, 2019
こちらはエッグレースと似ていますが、スプーンや板で草の上を卵を割れないように転がして、速さを競います。
ホワイトハウスでも、毎年子供たちを招待してエッグロール大会を開催していて、ラザフォードヘイズ大統領時代の1878年から伝統として続けられているそうです。
上の写真では、小さな子どもたちがホワイトハウスの芝生を元気よく卵を転がしていますね。シンプルだけど、なんだか夢中になっちゃいそうなゲームです!
さて、イースターがどんな日かおわかりいただけたでしょうか?
暖かい春の日に、イースターエッグを作ったり、ご馳走を食べたりなど、ぜひイースターを楽しんでみてくださいね!