西東 たまき
(更新)
イースターという言葉は聞いたことがあっても、それがどういうものなのか具体的なイメージが浮かぶ人は、日本ではまだ少ないかもしれません。
でも近年は春先になると、お店にウサギや卵の形をしたチョコレートが並ぶのに気付いている人は結構いるのではないでしょうか。
イースターはキリスト教のお祝いです。日本語では「復活祭」と呼ばれています。イースターを祝う国々では、ちょうど日本のゴールデンウィークのような連休になります。
今回は、春の訪れを感じさせられるイメージもあるキリスト教の祝日「イースター」と、その「聖週間」についてご紹介していきます!
さて、キリスト教のお祝いというと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、クリスマスではないでしょうか。
しかし実は、キリスト教徒にとって最も大事な祝日はクリスマスよりもイースターなのです。
十字架にかけられて処刑されたイエス・キリストが3日後に復活したことをご存知の人は多いと思います。それを祝う日が「Easter(イースター)」。
日本語でイースターが「復活祭」と呼ばれる所以(ゆえん)です。
クリスマスが毎年12月25日と決まっているのに対し、イースターの日付は毎年変わります。ただし、必ず日曜日に当たります。
少しややこしいですが、春分の日が過ぎて最初の満月があったあとの初めての日曜日がイースターになります。
2022年は4月17日、2023年だと4月9日、2024年は3月31日といった具合で、年によってはひと月ほど日付に幅が出ます。
イースター近くなると Easter Egg (イースターエッグ)と呼ばれる卵や、 Easter Bunny (イースターバニー)/ Easter Rabbit (イースターラビット)と呼ばれるウサギのモチーフが目に付くようになります。
卵は生命や再生を表すとして、また、ウサギは繁殖力が強いことから繁栄を表すとしてイースターのシンボルになっているからです。
カラフルなペインティングを施したイースターエッグを隠して子供たちに探させるゲーム Easter egg hunt の様子は、海外ドラマや映画で見覚えがある人もいるのでは?
クリスマスのサンタクロースさながら、イースターのウサギが子供たちにプレゼントを持って来るという習慣があるところもあります。
イースターの時期は祝日が重なり連休になります。
Holy Weekとは、イースター前の1週間のこと。日本語では「聖週間」や「受難週」と呼ばれています。
ここでは、Holy Weekの一週間を一日ごとに見ていきましょう。
Holy Weekの初日となる日曜日。
日本語名にある「主日」とは日曜日のことです。イエス・キリストがロバに乗ってエルサレムに入城したことを祝う日で、英語でPalm Sundayと呼ばれるのは、エルサレムの人々がたくさんのナツメヤシの枝でイエス・キリストを迎えたことにちなんでいます。
イエス・キリストが神殿を浄めた日。
イエス・キリストが自分の死を予言した日。
イエス・キリストの12人の弟子の一人であるユダの裏切りの日。
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画でも有名な「最後の晩餐 (英語では the Last Supper ) 」の日。
「洗足」という言葉は、イエス・キリストが互いに愛し合うことを教えるために、12名の弟子たちの足を自ら洗ったことから来ています。
イエス・キリストが十字架にかけられて処刑された「受難日」。
人類を救うために神から遣(つか)わされたイエス・キリストが、十字架に磔(はりつけ)にされて処刑を受けたのは、人間の罪を背負って身代わりになったためです。
イエス・キリストが墓に埋葬された日。
イースター当日、つまりイエス・キリストが復活した日。イースターの日は晴れ着を着て教会へ行き、家族とご馳走を食べて過ごします。
イースター休暇は、イースター翌日の月曜日Easter Mondayまで続くところが多いです。
筆者が住んでいる東アフリカの国・タンザニアは、キリスト教徒とイスラム教徒がほぼ半分ずつ。
そのため、キリスト教とイスラム教両方の祝日を経験することができます。イースターの連休が明けると学校は最終学期に入ることからも、季節の変わり目を感じさせられる祝日になっています。
連休は旅行に出かける人も多いため、旅行やホテル宿泊プランの広告も増えます。
イースターが近くなると、お店にはイースターのシンボルとなるお菓子などがお目見えし、パン屋では十字の飾りが付いた hot cross bun と呼ばれるこの時期ならではのパンが並んだりしますよ。