クリスマスだけじゃない! 年末に祝われる世界のイベントとは

年末に行われるイベントといえば「クリスマス」。

12月に入ると、世界がクリスマス一色になるようなイメージがあるかもしれませんが、実はそんなことはありません。クリスマスはキリスト教の行事ですので、もちろん祝わない人もいます。

同じ頃に主にアメリカで行われる「Kwanzaa(クワンザ)」や、ユダヤ教の祝祭「Hanukkah(ハヌカ)」といったイベントも存在します。

どちらのイベントもキャンドルがシンボルですが、それぞれのルーツや目的はまったく異なるんです。クリスマスと同時期に行われる「クワンザ」、「ハヌカ」とは一体どんなお祝いなのでしょうか。

今回は、クリスマスだけではない12月のイベント「クワンザ」と「ハヌカ」についてご案内します!

 

Kwanzaa(クワンザ)

Kwanzaa(クワンザ)

クワンザはどういう行事?

クワンザはアフリカにルーツを持つアメリカ人(アフリカ系アメリカ人)がアフリカの文化と歴史を再認識するためのイベントです。

1960年代に広がったブラック・パワー・ムーブメントのさなかの1966年、アフリカ系アメリカ人の研究者マウラナ・カレンガ博士(Dr. Maulana Karenga)によって提唱され、その伝統が始まりました。

以下の「7つの柱/原則(Nguzo Saba/Seven Principles)」を掲げていて、7日間の期間中、毎日1つずつこれらのテーマに取り組みます。

  • Umoja(結束/unity)
  • Kujichagulia(決意/Self-Determination)
  • Ujima(共同作業及び責任/Collective Work and Responsibility)
  • Ujamaa(協調経済/Cooperative Economics)
  • Nia(目的/Purpose)
  • Kuumba(創造性/Creativity)
  • Imani(信頼/Faith)

「7つの原則」のほか、「7つのシンボル」もあります。

  • Mazao(作物)
  • Mkeka(マット)
  • Kinara(キャンドルホルダー)
  • Muhindi(コーン)
  • Kikombe cha Umoja(結束を象徴するカップ)
  • Mishumaa Saba(7つの原則を表す7本のキャンドル)
  • Zawadi(贈り物)

「kwanza」とは、アフリカを代表する言語であるスワヒリ語で「first(最初の)」を意味する言葉です。

行事としてのクワンザは、収穫のお祝いにつながる「matunda ya kwanza(first fruits/最初の果物)」というスワヒリ語の表現から来ていて、語尾に「a」をもう1つ加えて「Kwanzaa」と表記されます。
 

クワンザの過ごし方は?

クワンザの過ごし方は?

アフリカを象徴する「黒」「赤」「緑」の3色のキャンドルを7本飾り、アフリカ各地のルーツを持つアメリカ南部スタイルの料理を食べ、アフリカ関連の本やアート、アフリカンモチーフのアイテムなどの贈り物を交換します。

商業主義にあおられない手作り品やシンプルなものが好ましいと考えられています。ファッションやデコレーションにもアフリカを思わせる色やデザインを取り入れて楽しむんですよ。

アフリカには数多くの言語が存在しますが、クワンザにまつわる言葉はすべて、タンザニアを中心とする東アフリカの言語・スワヒリ語が用いられている点にも注目です。
 

クワンザの時期は?

「クワンザ」は、クリスマスの翌日である12月26日から1週間続きます。

特定の宗教に関係するものではないので、クリスマスのお祝いに続いてクワンザも祝ったりします。
 

Hanukkah(ハヌカ)

Hanukkah(ハヌカ)

ハヌカはどういう行事?

特定の宗教によらない「クワンザ」に対し、「ハヌカ」はユダヤ教に由来するお祝いごとです。

ユダヤ人への弾圧やエルサレム神殿の冒涜などが横行したセレウコス朝シリアによる支配から、エルサレムと神殿を奪回したこと(マカバイ戦争/Maccabean Revolt)を祝うイベントです。

戦いを率いたマカバイがエルサレム神殿に戻ったとき、ランプを灯すための油はわずか1日分ほどしかありませんでした。にもかかわらず、8日間に渡ってランプが灯り続けるという「奇跡」が起こりました。これが、ハヌカが「光の祭り/Festival of Lights」とも呼ばれるゆえんになっています。

ユダヤ教の行事としては、ヨム・キプル(贖罪の日)やユダヤ暦の新年祭に比べると重要度は下がるものの、クリスマスシーズンと重なることもあって、近年はアメリカを中心にポピュラーなイベントになリつつあります。

「Hanukkah」は、イスラエルの言語・ヘブライ語の「捧げる(dedicate)」という意味の動詞が語源です。「Chanukah」と表記されることもあります。
 

ハヌカの過ごし方は?

ハヌカの過ごし方は?

奇跡の油にちなんで、ハヌカではドーナツや揚げ物など油を使った料理がたくさん並びます。

また、祖国を救った勇敢な女性・ジュディスの逸話からチーズや乳製品もハヌカの象徴的な食べ物です。

クワンザと同じくハヌカでもキャンドルは重要なアイテム。複数のキャンドルが並ぶ様子は一見似ているようですが、クワンザのキャンドルホルダーは7本立て、ハヌカでは9本立てが使われます。

子供たちが遊ぶ「ドレイドル(dreidel)」と呼ばれる木製の角ばったコマもまたハヌカの代表的なシンボル。

そして、ハヌカにもテーマカラーがあるんです。イスラエルの国旗の色と同じ青と白です。
 

ハヌカの時期は?

ハヌカは、ユダヤ暦(Hebrew calendar)のキスレブ月25日から8日間続きます。

ちょうど11月末から12月にあたりますが、具体的な日付は毎年異なります。

例えば、2021年は11月28日から12月6日、2022年は12月18日から12月26日までといった具合で、日没に始まり日没に終わります。
 

クリスマス以外の年末行事について知ろう!

私が住んでいるタンザニアはキリスト教徒とイスラム教徒が半々なので、双方の祝日をお祝いします。

クリスマス近くになるとお店にクリスマスアイテムが並び、街にはクリスマスの飾りが目立つようになります。

でも、南半球なので気候的には夏真っ盛り。北半球のようなクリスマスムードはまったくありません! 同じイベントでも、ところ変われば本当に多様です。

もし年末にアメリカに行く機会があったら、クリスマスだけでなくクワンザやハヌカといったイベントにもぜひ目を向けていただきたいと思います!