さな
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3月8日は「国際女性デー(International Women’s Day)」!
この日は、女性の社会的地位向上やジェンダー平等について考える世界的な記念日です。近年は、SNSでも #InternationalWomensDay のハッシュタグとともに、女性の権利やジェンダー問題についてのメッセージが発信されるようになりました。
ジェンダーの話題は、日本だけでなく世界中で注目されているテーマ。英語でも「ジェンダー平等」や「女性のエンパワーメント」に関する表現が多く使われています。
この記事では、国際女性デーの基本情報とともに、ジェンダーに関する英語フレーズを紹介します。英語で自分の考えを伝えられるようになれば、国際的な場面でもより深い議論ができるはず! ぜひチェックしてみてください。
ここ数年、「SDGs」という言葉を耳にすることが増えてきましたよね。
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2030年までに達成を目指す17の目標と169のターゲットで構成されています。その中には、「ジェンダー平等を実現しよう」 という重要な目標も含まれています。
具体的には、ジェンダー平等を達成するために以下のような課題に取り組むことが求められています。
さらに、女性が財産を持つ権利や、子どもを産むかどうかを決める権利を保障することも、この目標の一環です。ジェンダー平等は、すべての人がより良い社会で生きていくために欠かせないテーマなのです。
国際女性デーの歴史は意外と長く、その始まりは1908年のニューヨークにさかのぼります。この年、1万5千人の女性たちが労働時間の短縮、賃金の改善、そして投票権を求めてデモ行進を行いました。これを受け、翌年の1909年2月28日には、アメリカで初の全国規模の「ナショナル・ウーマンズ・デイ(NWD)」が実施されました。
その後、ヨーロッパにもこの運動が広がり、各国で100万人以上の男女が集会に参加。労働環境の改善、投票権、公職に就く権利、差別撤廃などを求める大規模なキャンペーンが行われるようになりました。
1975年には、国連が初めて国際女性デーを正式に認識しました。しかし、この記念日が世界的に広く知られるようになったのは、さらに数十年後のことです。2011年には、アメリカのバラク・オバマ元大統領が3月を「Women’s History Month(女性史月間)」と定め、女性たちの歴史的な功績を振り返ることを国民に呼びかけました。
現在では、カンボジアやベトナム、キューバ、ザンビアなどの国々では国際女性デーが祝日として制定されています。一部の国では、母の日のような存在として、男性が母親やパートナー、同僚の女性に花やプレゼントを贈る文化も根付いています。
2025年の国際女性デーのテーマは 「Accelerate Action」 です。Accelerate は「加速させる」、Action は「行動」を意味し、直訳すると「行動を加速しよう」となります。今年のテーマは、ジェンダー平等を実現するための変革を、より速く、より積極的に進めていくことを強調しています。
スローガンは以下の通りです。
Imagine a gender equal world. A world free of bias, stereotypes, and discrimination. A world that's diverse, equitable, and inclusive. A world where difference is valued and celebrated. Together we can forge gender equality. Collectively for #IWD2025 we can all #AccelerateAction.
「ジェンダー平等な世界を想像してください。偏見や固定観念、差別のない世界。多様で、公平で、包摂的な世界。違いが尊重され、称賛される世界。私たちは共に、ジェンダー平等を築くことができます。#IWD2025 に向けて、みんなで #AccelerateAction(行動を加速しよう)を実現しましょう」
ジェンダー平等の達成には、現状のペースではまだ数世代かかると言われています。その遅れを取り戻すために、個人、企業、社会が一丸となって取り組むことが求められています。
今年の国際女性デーをきっかけに、自分自身ができる行動を考え、より良い未来のために一歩踏み出してみませんか?
ジェンダー平等や女性の権利に関する話題は、国際的に重要なテーマです。英語でもジェンダー問題を語る際に頻繁に使われる単語や表現がいくつかあります。ここでは、特に知っておきたいキーワードを紹介します。
差別全般を指す言葉で、性別に関するものは gender discrimination(性差別) と呼ばれます。
「権利を与えること」「力をつけること」 を意味し、特に women’s empowerment(女性のエンパワーメント) という形でよく使われます。
フェミニズムは 「男女平等を目指す思想・運動」 のこと。単に「女性優位を求めるもの」ではなく、すべての性が平等に扱われる社会を目指します。
「生物学的な性別(sex)」とは異なり、社会的・文化的に形成される性別を指します。
無意識のうちに性別による先入観を持つことを指します。
性別を考慮しないことを意味しますが、ジェンダーの違いや不平等を無視することにつながるため、批判されることもあります。
性別に関係なく平等な機会や権利を持つこと。SDGsの目標の一つにもなっています。
性別による経済的、政治的、教育的な格差 を指します。世界経済フォーラムの Gender Gap Index(ジェンダーギャップ指数) は、各国の男女格差を測定する指標です。
社会的に期待される性別の役割や振る舞いを指します。「男性はこうあるべき」「女性はこうすべき」といった固定観念も含まれます。
性別によって期待される社会的な役割や行動を指します。
特定の性別に対する差別的な態度や制度のこと。
ジェンダー平等のために声を上げてきたフェミニストたちは、時代を超えて多くの名言を残しています。ここでは、その中から特に力強く、今なお響く言葉を3つ紹介します。
If not me, who? If not now, when?
「もし私がやらないなら、誰がやるの? もし今でないなら、いつやるの?」
ハリー・ポッターのハーマイオニー役で知られるエマ・ワトソンは、国連の「HeForShe」キャンペーンのスピーチでこの言葉を述べました。ジェンダー平等は誰かがやってくれるのを待つのではなく、自分自身が行動を起こすべきだという強いメッセージが込められています。
We cannot all succeed when half of us are held back.
「私たちの半分が足を引っ張られている限り、全員が成功することはできない」
教育の権利を訴え続け、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイの言葉です。女性の権利が制限されている世界では、社会全体の発展も妨げられることを示しています。
A feminist is anyone who recognizes the equality and full humanity of women and men.
「フェミニストとは、女性と男性の平等と、人間としての完全な価値を認める人のこと」
アメリカのフェミニスト活動家グロリア・スタイネムのこの言葉は、フェミニズムが「女性優位」ではなく、「すべての人に平等な権利を求める思想」であることを明確に示しています。
これらの言葉は、ジェンダー平等の実現に向けて、私たちが何をすべきかを考えるきっかけになりますね。
国際女性デーは、ジェンダー平等や女性の権利について考える重要な日です。2025年のテーマ「Accelerate Action」は、変革を加速させる必要性を強調しています。
また、gender equality(ジェンダー平等)、gender gap(ジェンダー格差)、sexism(性差別)などの英語表現を知ることで、より深い議論が可能になります。
フェミニストたちの名言が示すように、大切なのは行動を起こすこと。国際女性デーを機に、身近なところからできることを始めてみましょう。