則岡麻里絵
(更新)
こんにちは。
医薬翻訳者の則岡麻里絵です。
突然ですが、みなさんは海外のお菓子を買って食べてみたら甘すぎた!なんていう経験をしたことはありませんか?
ラベルを読まずに見慣れない製品を買ってしまうと、期待外れに終わってしまうことがありますよね。
お菓子に限らず、ラベルの内容を把握できれば、上手に買い物ができるようになるはず。またラベルを正しく読むことは、安全面において非常に重要なことでもあります。
しかし、ラベル表示は細かく複雑なことも多いため、よくわからない…と感じている方も多いことでしょう。
そこで本記事では、英語で書かれた製品ラベルを読む際に知っておきたいポイントについて、簡単に解説したいと思います。
※この記事ではアメリカで販売されている製品を例にとって解説しています。
※法律で定められているラベル表記については、各規制機関による情報をご参照ください。
海外の食品は日本のものとは味が異なる傾向がありますが、ラベルを読むことができれば、より自分の好みに近い製品を選ぶことができるようになります。例えば自分好みの健康食品や、海外旅行のおみやげも効率的に見つけられるようになることでしょう。
また海外に住む方にとっては、日本の食品を入手できても高価なことが少なくありませんが、ラベルの情報を参考に現地の食品を選ぶことができれば出費も抑えることにも繋がります。
では、自分に合った食品を選ぶためにはラベルのどこを見ればいいのでしょうか?
クッキーのラベル(写真)を参考にポイントを見ていきましょう。
まず注目したいのは、パッケージの ”Nutrition Facts”(栄養成分表)。
“Nutrition Facts” は、パッケージの裏面や側面に印刷あるいはシールで表示されています。写真にあるような決まった表の形で表示されているので簡単に見つかりますよ。
製品に関する重要な情報の一部がこの枠の中に記載されています。
通常ラベルの一番上に書かれているのが、”Serving Size”。
”(one) serving” には「1回分」「1人前」という意味がありますので、“Serving Size” は「1回分のサイズ」「1食分の量」を表しています。
ラベルには ”2 cookies” と書かれていますので、1食2枚を基準にしているということがわかりますね。
製品によっては以下のような単位が略語で表示されていることもありますので、覚えておくといいでしょう。
“per” には「~につき」「~ごとに」といった意味があります。
したがって、“Servings Per Container” には「容器ごとの分量」、つまり「パッケージに何食分入っているか」という情報が記されています。
写真のラベルには「7」と書かれていますので、2枚を1食とした場合、7食分が入っているということですね。つまり全部で14枚入っているとわかります。
アメリカの食品には「14枚入」のように全数が書かれていないものも多いのですが、この表示を見ることで簡単に計算することができます。この情報はパーティーなどで食べ物を持ち寄る際にも参考になりますね。
ラベル内のすべての栄養成分は、前述した ”Serving Size” に基づいて表示されています。
“Amount” は「量」を意味しますので、”Amount Per Serving” は、「Serving Size(=2枚)にどれだけの栄養成分が含まれているか」を表しています。
この栄養成分表内によく出てくる単語を一覧にしてみました。
写真の表によると、このクッキーを2枚食べると150kcalだということがわかります。
さらに、”Sugars”(糖類)は12gとなっていますので、この部分を見るだけで、この製品は甘いかもしれないな?と買う前に予想することができますね。(実際に甘かったです!)
製品の原材料は、”Ingredients” で確認できます。
通常、製品に含まれている量が多い順に記載されています。このクッキーで一番多く含まれているのは、”White chocolate chips” のようですね。もはやクッキーというよりチョコレートです(笑)
“Contains~” は、「~を含む」「~を含有する」という意味です。アレルギーなど持病のある方は、この表示に注意しましょう。
写真のラベルには、”Wheat, Milk, Macadamia Nuts, Eggs, and Soy”(小麦、乳、マカダミアナッツ、卵、大豆)と書かれています。
同じ施設や生産ラインでアレルギーの原因物質を取り扱っている場合には、以下のように表示されていることもあります。
“Nutrition Facts” にはさらに多くの情報が含まれていますが、買い物をする際に上記のポイントを確認するだけでも、判断基準となる情報を得られるのではないでしょうか。
ラベルの読み方を知っておけば、ダイエット中の海外旅行も怖くないですね。
ラムネにしか見えないけれど実は胃薬だった!というように、海外では驚きの製品に出会うことがあります。使い方を間違えると危険なものもあるので、日用品のラベルもよく読んでおきたいですよね。
ここでは洗剤、漂白剤、歯磨き粉、シャンプーなどのラベルに共通してよくみられる英語表現をまとめてみました。
製品の使い方の説明で頻繁に使用される動詞には “use”、”put”、”spray” といった比較的わかりやすいものの他に、”apply”(適用する、塗る、つける)や”dispense”(出す、取り出す)などもよく使われています。
Dispense directly onto sponge.
スポンジに直接出す
非推奨事項や禁止事項は "Not recommended for"(〜の使用には適していません)や "Do not use"(〜に使用しないでください)などの表現で以下のように記されています。
Do not use with detergent or bleach.
洗剤やブリーチと一緒に使用しないでください
使用前に特にしっかりと読んでおきたい部分ですね。どれも定番の表現です。
「こんなときは?」という情報は、”In case of~”(~の場合は)と書かれています。
In case of ingestion, drink a glass of water.
飲み込んでしまった場合は、水を飲んでください
事故があったときの指示は、ぱっと読めるようにしておきたいですね。
保管に関する指示は、”store” や ”keep” といった動詞とともに説明されています。
Store in a cool dry place
涼しく乾燥した場所で保管してください
Keep away from fire.
火気に近づけないでください
日用品のラベルには共通した表現が多いので、一度読めるようになると応用が効くのではないかと思います。
どれも実用的ですが、わかりやすいようシンプルな表現で書かれているため、英語としての難易度は高くありません。
ショッピングの際に、ぜひ読んでみてくださいね!
製品ラベルは細かい字で書かれていることが多いので、すべてを読むのは大変かもしれません。しかし、ポイントを押さえておけば、その場でわからない単語を調べるだけで必要な情報を簡単に手に入れることができます。
海外で生活する方はもちろん、海外旅行に出かける方や、海外製品を輸入される方にとっても、上記のポイントが役立つのではないでしょうか。
ラベル表示が理解できると製品同士を比較できるようになるので、国内外の多様な製品の中から自分に合ったものを選び、安心して生活に取り入れることができるようになります。
みなさんもラベル表示を読んで、いろいろな海外製品を試してみませんか?
【参照】
https://www.fda.gov/food/ingredientspackaginglabeling/labelingnutrition/ucm274593.htm