いくつ知ってる?世界の神話に出てくる伝説の生き物15選
日本の伝説の生き物といえば、カッパや鬼、天狗などがいますよね。
海外には存在しない生き物を、外国の人に伝えるとしたらどのように説明しますか? また、そもそも「神話」や「伝説」を英語でどう表現するのでしょうか。
今回は、神話に関連する英単語や英語表現、そして外国で一般的に知られている架空の生き物15選をご紹介します!
神話関連の英語表現
まず、神話や架空の生き物の話になったときに知っておきたい英語表現を、ご紹介します。
- mythical creature|神話上の生き物
- mythological creature|神話上の生き物
- legendary creature|伝説の生き物
- magical creature|魔法の生き物
- fictitious creature|架空の生き物
- imaginary creature|架空の生き物
Mythical creatures のベースとなる myth という言葉は、「神話」という意味を持ちますが、「作り話」や「うそ」と訳されることもあります。
一方で mythological creatures のベースとなる mythology は「神話」だけを指す言葉です。
「天照大神は、日本神話に登場する有名な女神です」
他にも、Greek mythology(ギリシャ神話)などが有名ですね。次に、mythology 以外の神話関連の英単語を紹介します。
- folklore, folktale|民話
- fairytale|おとぎ話、童話
- fable|寓話(ぐうわ)・たとえ話
- superstition|迷信
- tradition|伝統
- fantasy|空想
「桃太郎は日本でもっとも知られている民話のひとつです」
最後に、日本特有の「妖怪」など、架空の生き物関連の英語表現をいくつか見てみましょう。
- Japanese (folklore) monster|妖怪
- monster|お化け、化け物、怪物
- monstrous beast|怪獣
- dragon|龍
- ghost, phantom|幽霊
- devil, demon|悪魔
- evil spirit |悪霊
「日本では、超自然的な怪物や悪魔を意味する言葉として『妖怪』が使われます」
では、神話にまつわる英語表現が少しわかったところで、海外で有名な架空の生き物をさっそく見ていきましょう!
世界の架空の生き物15選
cyclops|サイクロプス
ギリシャ神話に由来する生き物「サイクロプス」。日本語では「キュクロープス」と表記することがありますが、英語の発音的にはサイクロプスが近いです。
そんなサイクロプスは、ギリシャ神話に登場する大きな目を一つ持つ化け物。Cyclops という言葉は、ギリシャ語で round eye(丸い目)を意味します。
ちなみに、cyclops の複数形は cyclopes です。
では、そんなサイクロプスを英語で説明してみましょう!
「サイクロプスとは、古代ギリシャの神話や文学に登場する巨大な一つ目の生物です」
mermaid|マーメイド
次は「人魚」です。
一般的には女性版の mermaid(マーメイド)が有名ですが、実は男性版の merman(マーマン)も存在します。
魚の尾を持つ人間の姿は、紀元前5,000年頃のバビロニアの神話に登場するイーアという神が、人と魚の両方の体を持つと表現されたのが最初だそうです。
ちなみに、mer というのは中世英語で「海」を指し、maid は「女性・少女」を意味します。フランス語でも海を la mer と言いますよ。
「人魚は、上半身が人間で、腰の下に魚の尾を持つ神話上の生き物です」
ogre|オーガー
人気映画「シュレック」に出てくるキャラクターをご存じですか? シュレックは ogre なんです!
Ogre(オーガー)とは、おとぎ話や民話に登場する、人間を喰らう恐ろしい巨人のことで、シュレックのように緑色であることが多いです。外見は日本の「鬼」と少し似ていますね。
女性の ogre に対して使われる言葉は ogress(オーグレッス)。
また、ogre という言葉は「凶暴で恐ろしい、または残酷な人」という意味で、人間に対して使うこともできます。
「オーガーは人間を食べる、大きくて醜い伝説の怪物です」
leprechaun|レプラコーン
アイルランドといえばの生き物「レプラコーン」。
Leprechaun は、アイルランドの民間伝承に出てくる、小さなおじさんの姿をしたイタズラが好きな妖精。緑色の帽子や洋服、大きなヒゲ、そして革製のエプロンなどがレプラコーンの主な特徴です。
そんなレプラコーンは日々靴を作って暮らしているそうですが、主な仕事は隠された財宝(pot of gold=金が入った壺)を守ること。
なお、leprechaun という言葉は、古アイルランド語の luchorpan(小さな体)に由来すると言われています。
「レプラコーンとは、小さな老人のような姿をしていて、いたずらが好きなアイルランドの伝説上の生き物です」
gnome|ノーム
海外のガーデンや庭でよく見かける gnome(ノーム)は、地中の宝を守るとされる伝説の小人族です。最初の g は発音しません。
元々ノームは、ルネサンス期の魔法や錬金術に登場する神話上の生き物で、16世紀に初めて紹介されたそうです。その後、さまざまな文学に登場するようになりました。
そんなノームは幸運のシンボルで、特に地中に埋められた財宝や鉱物を守ると考えられています。現在でも、農作物や家畜を見守るために、納屋の垂木にくくりつけたり、庭に置いたりして使われることが多いですよ。
「ノームとは、16世紀に誕生した神話上の小さな生き物です。現在では芝生の置物としてよく見かけます」
goblin|ゴブリン
Goblin(ゴブリン)とは、ゲルマン民族やイギリスの民話を主として、ヨーロッパの複数の文化圏の民間伝承に登場する小型でグロテスクな怪物です。
基本的には、善良な妖精や精霊とは正反対の悪者、あるいは単なるいたずら好きとして信じられています。
そして、ゴブリンは暗い場所に住み、さまざまな問題を起こす小さな生き物の総称なんです。人によってゴブリンのイメージはそれぞれですが、近年では、洞窟に住み、子供を脅かす緑色の生き物のイメージを持つことが多いそうですよ。
「ゴブリンは、ヨーロッパの民話に登場する、小さくていたずら好きな生き物です」
fairy|フェアリー
ディズニー映画「ピーターパン」に出てくるティンカーベルを想像してください。これが代表的な fairy(フェアリー)です! Fairy のほかにも、faerie や faery とスペルされることも。
フェアリーはヨーロッパ各地で知られていますが、特にスコットランド、アイルランド、ウェールズ辺りで人気です。
そんなフェアリーは、羽のついた小さな女性として描かれることが多く、魔法の力を持ち、人間と密接な関係を持ちながら地上に住んでいることが多いです。
ちなみに、意外なことに、上記で紹介したレプラコーンやゴブリン、そしてノームなどもフェアリーの一種とされています。
「妖精は、神話に登場する小さな生き物で、通常は不思議な力を持っています」
centaur|ケンタウロス
Centaur は、英語読みだと「センターウ」のような発音になりますが、日本語ではギリシャ語由来の「ケンタウロス」という言葉が使われます。
ギリシャ神話に出てくる centaur というのは、下半身が馬で、上半身が人間の架空の生き物です。
ケンタウロスの基本的な性格は野生的で、無法で、人を寄せつけないものであり、動物的な情熱で溢れています。
「ケンタウロスは、上半身が人間で下半身が馬という神話上の生き物です」
werewolf|ウェアウルフ
次に紹介するのは werewolf(ウェアウルフ)。これは「オオカミ男」または「人狼」です。
Lycanthrope(ライカンスロープ)と呼ばれることもあり、意図的に、または呪いや苦悩の下に置かれた後、オオカミに変身する能力を持つ人間のことを指します。
なお、満月の夜に変身することが多く、変身した夜間には動物や人、死体を食い尽くし、昼間に人間の姿に戻ります。
「人狼は、ヨーロッパの民間伝承で人気で、満月の夜に狼に変身する人間のことを指します」
ちなみに、日本で人気の「人狼ゲーム」は英語で「Werewolf」と呼ばれています。
loch ness monster|ロッホ・ネス・モンスター
日本では「ネッシー」という愛称で親しまれている loch ness monster。
この怪物は、スコットランド高地のネス湖に生息するとされるスコットランドの民間伝承の生物です。ネッシーは、大型で首が長く、水面から1つまたは複数のこぶが突き出ていると表現されることが多いです。
英語読みだと発音は「ラーク・ネス・モンスター」になります。
「ロッホ・ネス・モンスターは、スコットランドのネス湖に住むといわれる神話上の動物です」
bigfoot|ビッグフット
Bigfoot(ビッグフット)とは、北米の森林に生息すると言われている猿のような生物で、ときには Sasquatch(サスカッチ)と呼ばれることもあります。
1800年代後半から1900年代にかけて、大きな足跡が見つかったり、散発的な遭遇があったりと、複数の目撃情報がビッグフットの謎を深めているのです。
また、ビッグフットのような生き物を英語では cryptid(クリプティド)と呼びます。Cryptid とは、上記でも紹介したネッシーのように、実在すると主張されながら、その存在が証明されていない動物のことです。
Cryptid の多くは、神話上の生き物ではなく、普通に生息していそうな生き物であることが多いですよ。
「ビッグフットとは、北米の森に存在すると言われる大型の猿のような生物です」
yeti|イェティ
Yeti(イエティ)は、上記で紹介した bigfoot と少し似ている大きな猿のような生き物ですが、北米ではなくアジアのヒマラヤ山脈に生息すると言われています。
西洋では Abominable Snowman(忌まわしい雪男)と呼ばれることが多いです。
「イエティは、アジアのヒマラヤ山脈に生息するとされている猿のような生物です」
また、Yeti といえば、アメリカの大人気テレビシリーズ「フレンズ」に「The One with the Yeti」というタイトルのエピソードがあります。
この動画の0:45あたりから、レイチェルが「ビッグフットかイェティみたいな感じの男がいた」という表現をしているので、気になる方はぜひ見てみてください!
unicorn|ユニコーン
Unicorn(ユニコーン)は神話に登場する動物で、額の中央に一本の角がある白馬として描かれることが多いです。
ユニコーンは初期のメソポタミア美術作品をはじめ、インドや中国の古代神話にも登場したそうですよ。
「ユニコーンは白馬に似た神話上の生き物で、額に一本の角があります」
また、ユニコーンという言葉はビジネス業界で使われるスラングでもあり、unicorn company と言ったら、企業価値が10億ドルを超える新興企業のことを指します。
ほかにも、会社などで極めて希少価値の高い、ユニークな資質を持つ従業員を unicorn employee と呼ぶこともあります。
レアで貴重なユニコーンを連想させる表現はたくさんあるのですね!
boogeyman|ブギーマン
Boogeyman(ブギーマン)とは、子供を怖がらせて良い行いをさせるために大人が使う神話上の生き物です。Bogeyman(ボギーマン)と表記されることもあります。
ブギーマンは特定の外見を持たず、見た目は家庭や文化によって大きく異なりますが、ブギーマンの多くは、かぎづめや鋭い歯を持っているように描かれます。
子供が悪さをしたときに罰を与えるための生き物という存在なので、日本の「鬼」と少し似ているかもしれませんね。
「ブギーマンは、親が子供を脅して良い子にさせるために使う怪物的な生物です」
vampire|ヴァンパイア
最後に紹介するのは vampire(ヴァンパイア)! これは「吸血鬼」です。有名な吸血鬼は「ドラキュラ」ですね。
伝説によると、吸血鬼は人間の血を吸い人間を捕食する生物であり、多くの場合は牙を持ちます。主にヨーロッパの民話に登場します。
吸血鬼のような特徴を持つ生物は、少なくとも古代ギリシャ時代には登場していたそうですよ。
「吸血鬼は人間の血を吸う牙の生えた生物と言われています」
まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介した15の生き物のなかで、みなさんはいくつ知っていましたか?
国や文化によってさまざまな民話と伝説がありますが、今回は英語圏で主に知られているものを選びました。
普段の会話にも出てくるような生き物なのでぜひこれを機に覚えていってください!