アメリカ人が大好きなピーナッツバター!知っておきたい豆知識を紹介
アメリカの映画やドラマを観ていると、必ず誰かしらが食べているピーナッツバターのサンドイッチ。入れ物から直接食べる人もたまに見かけますよね。
なぜアメリカではピーナッツバターが国民的に人気なのか、不思議に思ったことはありませんか?
本記事では、ピーナッツバターがどのようにしてアメリカで主流になったのか、また、ピーナッツバターにまつわる豆知識をご紹介しようと思います!
そして学生時代をアメリカで過ごした筆者が、現地で人気のあるピーナッツバターの食べ方も教えます。
お腹が空く可能性がありますので、なにか召し上がりながらご一読くださいね!
ピーナッツバターはいつ発明されたの?
Peanut butter(ピーナッツバター)はどのように誕生したのでしょうか?
実はピーナッツバターの起源は北アメリカではなく、南米です。古代インカやアステカの人々がピーナッツをペースト状にしたことが記録されているんです!
しかし、もっと近代的なピーナッツバターは、1884年にカナダに住むMarcellus Gilmore Edson(マーセラス・ギルモア・エドソン)という人が、初めてピーナッツ・ペーストの特許を取得したことが始まりだと言われています。
1800年代初頭、ピーナッツはアメリカで栽培されていましたが、主に油や食用、カカオの代用品として利用されていました。
そのあと、1895年に、アメリカのDr. John Harvey Kellogg(ジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士)が、生のピーナッツからピーナッツバターを作る製法で特許を取得。
お気づきの方もいるかと思いますが、この人こそ、コーンフレークなどで知られる「ケロッグシリアル」の生みの親ですよ!
そして1903年には、またもやアメリカのDr. Ambrose Straub(アンブローズ・ストラウブ博士)という人がピーナッツバター製造機の特許を初めて取得しました。
この経緯でピーナッツバターはアメリカで人気を集め、主流になっていったのです。
さらに、ピーナッツとピーナッツバターは、第一次世界大戦と第二次世界大戦において、軍隊の配給品として欠かせないものでした。
ピーナッツバターとジェリー(ジャム)のサンドイッチ(通称:PB&J)は、第二次世界大戦中に「栄養補給」として、アメリカ陸軍が普及させたと言われています。
なんとも深い歴史を持つピーナッツとピーナッツバターですが、今では老若男女に愛されている商品のひとつです。
ピーナッツバターにまつわる雑学
90%の法律
ピーナッツバターはアメリカの法律上、ピーナッツが90%以上入っていないといけないそうです。
ピーナッツの量が90%に達さない場合は、peanut butter spread(ピーナッツバター・スプレッド)と呼ばないといけないとのこと。
この spread という言葉は、「伸ばす」「広げる」という意味の動詞でもありますが、その動作にちなんで「パンやその他の食品に塗布できる柔らかいペースト」に対して使う名詞にも変化して使われています!
ピーナッツ生産国ランキング
アメリカは世界で5番目に多くのピーナッツを生産しています(2022年時点)。
1位は中国、2位はインド、そして3位はナイジェリアです。
ちなみに、日本で一番落花生(ピーナッツ)の収穫量が多い県は千葉県で、2位は茨城県だそう! 味噌とピーナッツを合わせてできた「みそピー」が作られているほど、千葉ではピーナッツが多く採れます。
Peanut という都市がある!?
アメリカにはなんと、ピーナッツという名前の都市が6つもあるそうですよ!
- Peanut, California(カリフォルニア)
- Lower Peanut, Pennsylvania(ペンシルバニア)
- Upper Peanut, Pennsylvania(ペンシルバニア)
- Peanut, Pennsylvania(ペンシルバニア)
- Peanut, Tennessee(テネシー)
- Peanut, West Virginia(ウェスト・バージニア)
日本だったら「落花生」という駅名があるような感じで、なんだか可愛いですね。
別名を持つピーナッツ
英語では、peanut 以外にも落花生を意味する単語が複数あります。
- goober - コンゴでピーナッツを意味する「nguba」に由来する言葉。
- groundnut - 広い意味で使われるピーナッツの別名。
- pindar - コンゴの「mpinda」に由来する言葉で、主にアメリカ南部で使われます。
- earthnut - イギリスで使われるピーナッツの別名。
- monkey nut - イギリスでの愛称。
突然ですが、Spongebob Squarepants(スポンジ・ボブ)が好きな人はいませんか? もしファンであれば、Goofy Goober(グーフィー・グーバー)という名前を聞いたことがあるかもしれません。
このキャラクターがなんで Goober という名前なのか疑問に思っていた方も、これでスッキリしたのではないでしょうか? ピーナッツだから Goober なんですね!
そして goober はピーナッツのほかにも、「おっちょこちょいな人」を表すスラングとして使うこともあります。Goofy は「バカげた」「マヌケな」を意味します。
ピーナッツバターに対する恐怖症がある
実は、ピーナッツバターが「口の上にくっついてしまう」ことに対する恐怖症というものが存在するのです。
英語では、the fear of peanut butter sticking to the roof of your mouth と、なんとも長いですが、このように表現します。The roof of the mouth は、口の中の上の部分(口蓋)を指します。
そしてこの恐怖症の正式名称は Arachibutyrophobia(アラキブチロフォビア)です。
ギリシャ語の arachi は「挽いた豆=ピーナッツ」という意味で、butyr は「バター」、そして phobia は「恐怖症」を指します。
ピーナッツバターは濃厚でべったりとしているので、それが口の上に張り付いて窒息してしまうのではないかと恐れる人は多いようですよ。
ピーナッツのために働く?
英語には「work for peanuts」というイディオムがあります。
これは、「ただ働きをする」や「非常に少ない報酬で働く」ということを意味する表現です。
アメリカではこのように食べられている!
日本ではまだそこまで馴染みのないピーナッツバターですが、ピーナッツ大国のアメリカではどのように食べられているのでしょうか?
PB&J (Peanut Butter & Jelly)
定番のなかの定番、ピーナッツバターとジェリーのサンドイッチ。
いちご味が人気ですが、ぶどう(グレープ)やブルーベリー味と合わせるのもおすすめですよ。
ちなみに、jelly(ジェリー)というのは果汁を固めてできたぷるんとしたもので、日本では「ゼリー」と呼ぶことが多いです。
一方で、jam(ジャム)は果物を砂糖で煮詰めた「果肉入り」のものになります。ジェリーは子供に人気で、大人はジャムを好んで食べるイメージがあります。
では、そんな PB&J サンドイッチについての雑学を英語で見てみましょう!
かなり多い数ですよね。日本人でいうと、一生で食べる「おにぎり」の数と同じくらいでしょうか。
The Fluffernutter
最近Merriam-Websterという辞典にも追加されたばかりのFluffernutter。
Fluffernutter(フラッファーナッター)とは、ピーナッツバターと「マシュマロスプレッド」を合わせたサンドイッチのことです。
このマシュマロスプレッドは、Marshmallow Fluff(マシュマロ・フラフ)と呼ばれることもあります。
子供に大人気のサンドイッチで、筆者も小さい頃よく食べていました!
Peanut Butter & Banana
アメリカでピーナッツバターといえばバナナ! と思う人はたくさんいるはず。筆者も、バナナとピーナッツバターの相性は否定できません。
パンやトーストにピーナッツバターを塗って、細かく切ったバナナを乗せて、最後に好みでシナモンを振りかけるとできあがりです。
実は、このサンドイッチを作るときにバナナの数や配置を気にする人がたくさんいます。アメリカの研究者が、完璧な割合を見つけ出すために、アルゴリズムを使った研究を行ったというニュースも出ていますよ!
ちなみに、バナナの他に、リンゴやセロリと合わせて食べても美味しいので、ぜひ試してみてくださいね。
エルビスが好んで食べていたサンドイッチには、追加でベーコンが入っていたこともあるそうです!
Peanut Butter Cookies
最後に紹介するのは、ピーナッツバター味のクッキー。
焼きたてのピーナッツバター・クッキーは格別ですよ。筆者は最近作りましたが、ピーナッツバターを1カップ、砂糖を1カップ、そして卵を1個だけで作れるので、とても簡単にできます!
日本では硬いクッキーがよく売られていますが、アメリカのクッキーは柔らかくて chewy(モチモチ)なものが多いです。
このハッシュタグ(#)のようなマークがつけられる理由は、明らかではないそうです。しかし一説では、こうすると均一に焼きあがるのと、ピーナッツアレルギーの人にわかりやすいためだそう。
まとめ
いかがでしたか?
日本ではまだあまり馴染みのないピーナッツバターですが、アメリカではこのように味わえられています。
現在は creamy(クリーミー=なめらか)なものから chunky(チャンキー=粒入り)なものまで、そして chocolate-flavored(チョコレート味)などさまざまな種類のピーナッツバターが販売されているので、いろいろ試してみてはいかがでしょうか?
ぜひ今回ご紹介した豆知識もあわせて、いつか誰かに共有して会話を広げてみてくださいね。