DMM英会話ブログ編集部
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3月17日はセント・パトリックス・デー(Saint Patrick's Day)!
元々アイルランド発祥のお祝いイベントだったものが世界各地に広がり、最近は日本でもパレードが行われるようになりました。世界中の熱狂振りを、ニュースで見た方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、まだまだ日本だとあまり馴染みがないセント・パトリックス・デー。
今回は、セント・パトリックス・デーがどういう日なのか、みなさまにご紹介したいと思います。
アイルランドにキリスト教の教派であるカトリックを布教したセント・パトリック(聖パトリック)の功績を讃えて制定された日。3月17日はセント・パトリックの命日で、アイルランドでは祝日になっています。
セント・パトリックは、キリスト教布教のため、432年にアイルランドに送られた司教です。461年に他界するまで、アイルランド中を旅しながらキリスト教を広め、各地に修道院・学校・教会を建てたと言われています。
セント・パトリックにまつわる神話の中で、最もよく知られているのはアイルランドから蛇を駆逐したというもの。セント・パトリックのおかげで、今でもアイルランドに野生の蛇はいないそうです。
セント・パトリックス・デーが近くなると、アイルランドを筆頭に、世界各地で緑色をテーマカラーにさまざまなイベントが催されます。緑のコーディネートで統一された楽団によるパレード、緑のビール、川や噴水を緑に染める…などなど、世界は緑一色!
もともとセント・パトリックは「セント・パトリック・ブルー」と呼ばれる空色を使って描写されていたそうですが、美しく緑多い風景から「エメラルド色の島」とも呼ばれるアイルランドのシンボルカラーは緑。
そのため、アイルランドに敬意を表して緑を用いるのです。セント・パトリックス・デーに緑色を身にまとっていないと、つねられるという噂までありますよ。
セント・パトリックス・デーには、いたるところで三つ葉のクローバーのデザインを目にします。これは「シャムロック」と呼ばれる、アイルランドの国花。
セント・パトリックがこのシャムロックを用いて「三位一体(父である神、その子であるイエス、そして精霊)」を説き、キリスト教を広めたと言われています。アメリカや日本ではよく「四葉のクローバー」と混同されますが、全く異なるものです。
毎年この時期に、国の絆の証としてアイルランドの首相からアメリカ大統領にシャムロックが贈られることも、セント・パトリックス・デーの伝統となっています。
毎年アイルランドとアメリカの絆の象徴として、#セントパトリックスデー の時期にアイルランドの首相がアメリカ大統領にシャムロックをプレゼントすることが伝統となっています。オバマ大統領自身もアイルランドの血を引いておられます。 pic.twitter.com/AVOvk7NwIL
— アイルランド大使館 Ireland in Japan (@IrishEmbJapan) March 17, 2016
セント・パトリックス・デーでは、緑色の帽子を被っている人をよく見かけます。あの帽子は、アイルランドの伝承に登場する妖精・レプラコーンがかぶっているもの。虹のふもとに金貨をたくさん隠していると言われています。
レプラコーンは、映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2000)でも、クィディッチの世界大会でアイルランドチームのマスコットとして登場していますよ。
世界的にセント・パトリックス・デーに食べるものといえば、「コーンビーフとキャベツ」が有名です。しかし、これはアメリカでの話。
本場のアイルランドでは、「シェファーズ・パイ」や「ラムシチュー」、「ソーダブレッド」などが食べられるそうですよ。
ではなぜ「コーンビーフとキャベツ」がセント・パトリック・デーに食べられるものという通説が広まったのでしょうか?
実は、アメリカに移民として行ったアイルランド人が、手ごろに用意できる食べ物としてお祝いに食べるようになったからだとか。国をまたいでいる間に伝統が変わってしまうなんて、興味深いですね。
アイルランドの首都ダブリンでは、毎年「セント・パトリックス・フェスティバル(St. Patrick's Festival)」が数日間にわたって開催されます。もちろん最終日17日のパレードは、盛大に盛り上がります。
アメリカのセント・パトリックス・デーで有名なのは、毎年真緑に染められるシカゴ川。
ホワイト・ハウスの噴水も真緑になります。
当日アイリッシュ・パブに行くと、緑色のビールが出てくることも…!
オーストラリアの都市・シドニーでは、オペラハウスが緑になり、パレードも行われます。
南半球なだけあって、ほかの国のパレードとは少し変わった趣です。
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カナダのモントリオールでは、1824年から毎年行われているセント・パトリックス・デー・パレードを観ることができます。
ちなみに北米で最も長く続いているのは、アメリカ・ニューヨークのセント・パトリックス・デー・パレード。なんと1762年から毎年続いています。
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イギリス・バーミンガムでは、国内最大のセント・パトリックス・デー・パレードが開催されます。世界でもダブリンとニューヨークに次いで、3番目に大きいイベントなのだとか。
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日本では、表参道で開催される「セント・パトリックス・デー・パレード東京」が最も有名で、アジア最大規模と言われています。
また、横浜元町や福岡などでもパレードが行われていたり、アイリッシュパブでイベントが開催されたりもしているので、ぜひ参加してみてください。
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近年では国際宇宙ステーションでも、セント・パトリックス・デーが祝われています。2011年には、宇宙飛行士のキャスリン・コールマンさんが、伝統的なアイリッシュ・フルートとティン・ホイッスルを演奏しました。
「アイリッシュ・パブはこの辺にありますか?」
セント・パトリックス・デーにアイリッシュ・パブに行くと、アイルランド音楽やアイルランド系移民の人で盛り上がっていて、セント・パトリックス・デーがより楽しめます!
ぜひ近くのアイリッシ・パブを探してみてくださいね!
「グリーン・ビールありますか?」
セント・パトリックス・デーにアイリッシュ・パブに行くと、もしかしたらグリーン・ビールを飲めるかもしれません。
この日だけの特別なビールを、一度は飲んでみてはいかがですか?
「何の格好ですか?」
セント・パトリックス・デーにちなんだ仮装をしている人も多いので、気になる格好をしている人がいたら、ぜひ話題を振って会話を楽しみましょう!
今や祖国アイルランドだけでなく、世界中で親しまれているセント・パトリックス・デー。
ぜひ緑色をコーディネートに取り入れて、一緒にお祝いしてみては?
「シェファード・パイ」や「ソーダブレッド」を作ってみるのも楽しいかもしれませんね!
参照:アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン横浜、BBC News、montreal.about.com、アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン(INJ)