DMM英会話 ブログ 英語でつながる ワールドトピックス

【英語のポエムを堪能!】英語圏で称賛されている詩人10選

【英語のポエムを堪能!】英語圏で称賛されている詩人10選

毎年3月21日は World Poetry Day(世界詩歌記念日)という日で、詩による言語の多様性を認識する日となっています。

詩人といえば、日本には夏目漱石や芥川龍之介、正岡子規、そして与謝野晶子などがいますよね。

では、英語圏ではどのような人物が有名なのか、みなさんはご存じですか?

今回は、英語の文学に多大な影響を与えた人気の詩人とその詩人たちの代表作などをご紹介したいと思います!

World Poetry Day(世界詩歌記念日)の歴史

お花と本

詩人について見る前に、少し World Poetry Day についてご紹介します。日本語では「世界詩歌記念日」と呼ばれる日です。

この日は、UNESCOが1999年に、詩の表現を通じて言語の多様性を支援することを目的とし、3月21日を World Poetry Day と制定したことが始まりです。

現在では、今まで活躍してきた詩人や現在活動する詩人を称えることや、「詩の朗読」などの伝統を復活させること、また詩の読み書きなどの教育を促進する機会とされています。

そもそも Poetry とは?

まず、Britannicaという英辞典による poetry の定義を見てみましょう。

literature that evokes a concentrated imaginative awareness of experience or a specific emotional response through language chosen and arranged for its meaning, sound, and rhythm.

「意味、音、リズムにこだわって選定・配置された単語を通じて、集中的な想像力によるある経験の認識や、特定の感情的な反応を呼び起こす文学」

少し難しい説明ですね。

要するに、読者になんらかの感情や反応を呼び起こすために書かれた文章ということ。

その反応を呼び起こすためには、言葉遊びだったり、比喩を用いたり、さまざまな形で言葉や句読点を使って文章を作り上げます。

Poetry は「詩・詩歌」という文化を表す言葉ですが、特定の詩は poem(ポエム)と言います。また、詩人のことは poet(ポエット)と呼びます。

誰かと poetry の話がしたいときは、以下のような質問をしてみてください!

Who is your favorite poet? / Do you have a favorite poet?
「好きな詩人は誰ですか? / 好きな詩人はいますか?」
Are you interested in poetry at all?
「あなたは詩に興味があったりしますか?」

英語詩に影響を与えた詩人10選

ではここで、英語圏で有名な poet をご紹介したいと思います。なかには聞いたことのある名前もあるはずですよ!

※ ポエムの和訳は筆者によるものです。あくまでもご参考程度にしていただければ幸いです。

19世紀以前の詩人

William Shakespeare(1564-1616)

ウィリアム・シェイクスピア。もちろんみなさん、一度は聞いたことがありますよね。

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

William Shakespeare(@william.shakespeare.official)がシェアした投稿

「ロミオとジュリエット」などを手がけた彼は、世界中で賞賛されているイギリス出身の劇作家と詩人です。

こちらのウェブサイトではシェイクスピアが書いたポエムを読むことができます。なかには、このように始まるポエムもあります。

Let the bird of loudest lay,
On the sole Arabian tree,
Herald sad and trumpet be,
To whose sound chaste wings obey.

「大声の鳥を寝かせよう。
唯一のアラビアの木の上で
悲しいヘラルドとトランペットの、
その音に清らかな翼は従う」

The Phoenix And The Turtle|WilliamShakespeare.net

「The Phoenix And The Turtle」というショート・ポエム(短詩)では、「死」が確実である世界での「愛」と「約束」のもろさが語られています。

William Wordsworth(1770-1850)

ウィリアム・ワーズワースはイギリスの詩人で、イギリスのロマン主義運動の始まりに影響を与えた人物とされています。

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Wordsworth Grasmere(@wordsworthgrasmere)がシェアした投稿

18世紀の詩の多くがフォーマルな言葉やテーマを扱っていたのとは対照的に、彼は「一般生活の状況」を「人々が実際に使う言葉」で表現しようと取り組んでいたのです。

また、ワーズワースは「自然」と「人間の生活」の関係を表現する詩をたくさん書いていて、自然が人々の感情や精神状態に影響を与えることができるという信念を追求していました。

There was a time when meadow, grove, and stream,
The earth, and every common sight,
To me did seem
Apparelled in celestial light,
The glory and the freshness of a dream.

「かつて、草原、木立、小川、
大地、そしてあらゆるありふれた光景が、
私には、天空の光に包まれ
夢のような輝きと新鮮さがあるように見えた」

Ode: Intimations of Immortality|Wordsworth Grasmere

ワーズワースのポエムが気になる方はこちらでお読みいただけます。

19世紀の詩人

Edgar Allan Poe(1809-1849)

The Raven」や「To Helen」で知られるエドガー・アラン・ポーは、アメリカの短編小説家、詩人、評論家、そして編集者です。

彼の特徴は、ミステリアスさや不気味さを面白く表現すること。そのダークな内容が世界中で愛されています。

エドガー・アラン・ポーの作品が気になる方は、こちらからご覧になれます。

Walt Whitman(1819-1892)

ウォルト・ホイットマンはアメリカ・ニューヨーク州出身の詩人、ジャーナリスト、そしてヒューマニスト(人道主義者)です。「The Father of Free Verse(自由詩の父)」という愛称で親しまれています。

「Leaves of Grass(草の葉)」という詩集がもっとも有名で、そのなかでも知名度が高いのは「Song of Myself」や「I Sing the Body Electric」というポエムです。

I celebrate myself, and sing myself,
And what I assume you shall assume,
For every atom belonging to me as good belongs to you.

「私は自分を祝い、自分を歌う。
そして、私が想定するものは、あなたも想定することになる。
すべての原子は私のものであり、あなたのものでもあるのだから」

Song of Myself|The Walt Whitman Archive

こちらは「Song of Myself」の一節目。「自己」という概念や「自己と他の自己との識別」などのテーマを扱っていて、「個性」と「集合性」を比較しています。

Emily Dickinson(1830-1886)

エミリー・ディキンソンは、英文学分野でかなり賞賛されているアメリカの詩人です。

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Emily Dickinson Museum(@emilydickinson.museum)がシェアした投稿

しかし、彼女の功績は生前に公に認められていなかったのです。彼女の作品は、1890年に第1巻が、そして1955年に最終巻が死後出版されました。

ディキンソンの数ある作品のなかで非常に有名なのは「I’m Nobody! Who are you?」というポエム。

I'm Nobody! Who are you?
Are you -- Nobody -- too?
Then there's a pair of us!
Dont tell! they'd banish us -- you know!

「私は誰でもない!君は誰だ?
君も…誰でもないやつか?
じゃあ二人組だ!
黙ってて!追放されてしまう!」

Emily Dickinson Archive

「誰か」ではなく「誰でもない」ことがいかに素晴らしいか。つまり、名声や世間の認知度よりも匿名性の方が望ましいということを表しています。

Oscar Wilde(1854-1900)

オスカー・ワイルドはアイルランドの詩人、そして脚本家です。

「The Picture of Dorian Gray」という小説が彼の作品のなかで一番知られていますが、ポエムであれば「The Ballad of Reading Gaol」がもっとも有名です。

この詩は、当時「違法」とされていた同性愛者であった彼が18ヶ月も過ごした刑務所での経験を書き上げた作品。獄中での体験と、死を宣告された他の囚人への観察が語られています。

He did not wear his scarlet coat,
For blood and wine are red,
And blood and wine were on his hands
When they found him with the dead,
The poor dead woman whom he loved,
And murdered in her bed.

「彼は真紅のコートを着なかった。
それは血とワインが赤いから。
死者と一緒にいるところを発見されたとき
彼の手には血とワインが付着していた。
その死者は、ベッドで殺害された
彼が愛した哀れな女性だった」

The Ballad of Reading Gaol|Poets.org

全文はこちらで読んでいただけます。

20世紀の詩人

Maya Angelou(1928-2014)

マヤ・アンジェロウはアメリカの詩人、活動家、そして自伝作家です。

彼女は、黒人女性で初めて、米国造幣局が発行する「クォーター」と呼ばれる25セント硬貨の肖像に採用されました。

アンジェロウの作品でもっとも有名なのは、アメリカの学校の授業で必ず教わる「I Know Why the Caged Bird Sings(歌え、翔べない鳥たちよ)」という自伝小説です。

A free bird leaps
on the back of the wind
and floats downstream
till the current ends
and dips his wing
in the orange sun rays
and dares to claim the sky.

「自由な鳥が飛び立つ
風の背中に乗って
下流に流れていく
流れが終わるまで
その翼を、墜落させる
オレンジ色の太陽の光の中で
そして、あえて空を要求する」

Caged Bird by Maya Angelou|Poetry Foundation

こちらの「Caged Bird」というポエムでは、当時のアメリカの「白人」を表す free bird(自由な鳥)と、「黒人」を表す caged bird(ケージに入った鳥)が比較されています。人種差別をテーマにした深いメッセージ性のあるポエムです。

続きはこちらで読むことができます。

Shel Silverstein(1930-1999)

The Giving Tree」や「Falling Up」などの作品で有名なシェル・シルヴァスタインは、アメリカの詩人、作家、イラストレーター、そして脚本家です。

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Shel Silverstein Poems(@shelsilversteinpoems)がシェアした投稿

子供でも楽しめるポエムやお話が多く、筆者も子供の頃よく図書館で彼の本を借りて読んでいました。

シンプルでかわいいイラストや、年齢に関係なく心に響くストーリーがシルヴァスタインの特徴です。

NEW WORLD
Upside-down trees swingin’ free,
Busses float and buildings dangle:
Now and then it’s nice to see
The world — from a different angle

新世界
逆さの木が自由に揺れている。
バスは浮かび、ビルはぶら下がる。
たまには世界を別の角度から見るのも
いいかも」

About Shel|Shel Silverstein

こちらは、頭を逆さにした子供の目線で描いたポエム。

物事を見る角度を変えれば、世界は変わって見えるという表現です。

Sylvia Plath(1932-1963)

シルヴィア・プラスは、アメリカの詩人、小説家、そして短編小説家です。

彼女は「confessional poetry(告白型詩)」という詩の種類を発展させた人物で、20世紀で特に賞賛されている詩人のひとりになります。

シルヴィア・プラスは、詩の中での絶望感や激しい感情の表し方が印象的で、また度々「死」への執着が見られます。

You do not do, you do not do
Any more, black shoe
In which I have lived like a foot
For thirty years, poor and white,
Barely daring to breathe or Achoo.

「あなたはいらない、もういらない
あなたは黒い靴
その中で私は足のように生きてきた
三十年もの間、貧しく、白く
かろうじて息をする勇気も、くしゃみをする勇気もない」

Daddy by Sylvia Plath|Poetry Foundation

こちらはもっとも有名なポエム「Daddy」の一節目ですが、続きが気になる方はこちらから読んでいただけます。

21世紀の詩人

Amanda Gorman(1998-)

ここで唯一、現代で影響力のある poet を紹介したいと思います。

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Amanda Gorman(@amandascgorman)がシェアした投稿

アマンダ・ゴーマンは、ハーバード大学を卒業した米国史上最年少の就任詩人であり、受賞歴のある作家です。

彼女は、アメリカの46代目大統領のバイデン氏の就任式で「The Hill We Climb」という詩を詠み、現在熱烈な注目を浴びています。

こちらの動画は字幕も付いているので、ぜひ字幕を読みながらご覧になってください。

英語でポエムを楽しもう!

いかがでしたか?

ポエムの世界はかなり広く、興味深いものだと思います。

実を言うと、みなさんが好きな音楽の歌詞も本当は「ポエム」ですよ!

音楽も、聞く人読む人になんらかの反応を呼び起こすために作られていることが多いですよね。音楽は「聞く」ポエムとして捉えることができます。

今回、気になる詩人はいましたか?

みなさんもぜひポエムを通して英語の世界を広げてみてください!