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【履修編】アメリカ(カリフォルニア)の大学へ留学したときに驚いたこと

【履修編】アメリカ(カリフォルニア)の大学へ留学したときに驚いたこと

前回は、アメリカの大学への入学制度についてご紹介させていただきましたが、今回は入学以降の履修システムや専攻方法などについて書いていきます。

前回の記事:【入学編】アメリカ(カリフォルニア)の大学へ留学したときに驚いたこと

 

アメリカ(カリフォルニア)の大学へ留学したときに驚いた6つのこと【履修編】

1. 専攻内容と就職先が強く結びつく

日本においては専門職ではない限り、必ずしも大学で専攻した学部で就職先が決まるというわけではないですよね。

しかし、アメリカでは、大学で何を専攻したかが就職先と強く結びつきます。例えば、銀行では、ビジネスや経済といった学位を取った人を採用するのがほとんどです。

 

2. 専攻内容によって年収にはっきりと差がつく

なにを専攻してどの職業につくかによって、給料にもかなりの差がでます

実際、こちら2015年5月8日付けの "Entrepreneur.com" の記事「The 10 Highest- and Lowest-Paying College Majors」では、お給料の高い専攻10個と、低い専攻10個を載せています。

例えば、 "Petroleum engineering" (石油工学)で年収約1630万円、 "Early childhood education" (幼児教育)で約465万円です。大学の専攻によってこれほどまでに差がでるのかと思うと驚きです。

 

3. 専攻は入学後に決める

日本では大学受験をする時に、どの学部に進むかを決めてから大学を選びますよね。

しかし、アメリカでは大学に進学する時に専攻を決めておく必要はありません。大学生活最初の2年間は一般教養科目を履修し、様々な分野のクラスを取りながら自分が本当にやりたいことをじっくり考えることができるのです。

また、どこの大学にも進路カウンセラーがいて、次の学期ではどの授業を取れば効率的かを専攻に合わせて気軽に相談することができます。今までの専攻を変えることも簡単なので、学生にはとてもありがたいシステムです。

 

4. 専攻は2つ以上選ぶことも可能

日本の大学ではなかなか聞くことがない二重専攻という言葉ですが、英語では「ダブルメジャー」と呼ばれます。

その名の通り、アメリカの大学では専攻を2つ以上選ぶことができるのです。「ダブルメジャーにすると卒業までに2倍の時間がかかるのでは!?」と思われるかもしれません。ただ、似たような専攻を2つ(例えばビジネスと経済など)にすれば、卒業に必要な必修科目が共通のものもあるので、単純に2倍に増えるというわけでもないのです。

さすがに、全く違う分野でのダブルメジャーは卒業までに取る科目も増えるため大変にはなるでしょう。ちなみに、私の友人に、将来は日本で仕事をしたいと意気込み、日本語と国際ビジネスの両方を専攻していたアメリカ人もいました。

もし、ダブルメジャーは時間的に厳しいという方には、マイナーと呼ばれる副専攻を取ることもできます。マイナーの場合、すべての専門科目の単位を取得する必要はなく、決められた一定の単位数を取ることで、副専攻を修了したと認められるのです。

 

5. 学びたいことを積極的に学べる柔軟な履修システム

アメリカの大学は授業も柔軟に選ぶことができます

例えば、日本の大学においては、学年と学部によって履修できる授業が決まっているケースがよく見られますが、アメリカの大学ではそのような区切りはありません(高レベルの専門科目を除く)。専攻学部に関係なく、誰でも自由に取りたい授業を履修できるシステムが整っています。これが、ダブルメジャーや、途中で専攻を変えることも簡単に行えるなどの要因とも言えるでしょう。

また、他大学間での単位の互換制度があるため、他大学への編入も簡単に行なうことができます。国外の大学の単位も一般教養であれば移行することが可能です。

 

6. アメリカならではの変わった専攻科目がある

Wikipediaの「Higher Education in the United States」によると全米には4,726校もの大学が存在しています。日本の大学の合計数が782校(※)であることと比較すれば、どれほど多いかが想像できるでしょう。

※参照:大学–都道府県別学校数–平成25年度学校基本調査データ–ナレッジステーション

そのため、日本では考えられないような、ちょっと変わった専攻もあるので最後にご紹介いたします。

 

THEME PARK ENGINEERING(カリフォルニア州立大学ロングビーチ校

エンジニアリングは男性に人気ですし、就職口もたくさんあるので多くの人が専攻として選びます。

ただ、こちらの大学で学べるのは「テーマパーク」に特化したエンジニアリングです。ロングビーチのある南カリフォルニアにはディズニーランドをはじめユニバーサルスタジオなどの大きなテーマパークがたくさんあるので、文句なしの学習環境ですね!

 

Puppet Arts(コネチカット大学

パペットこと操り人形を学ぶ専攻「パペットアーツ」です。セサミストリートでもおなじみですよね。さすがショービジネスの国といったところでしょうか。卒業後は映画やTV関係で仕事が見つかるそうです。

 

AUCTIONEERING (ハリスバーグ・コミュニティ・カレッジ、ペンシルベニア州)

日本でも「ヤフーオークション」などのインターネットサービスが人気ですが、アメリカでオークションを勉強したい人はぜひ、こちらの大学への進学を検討してみてはいかがでしょうか。

ペンシルベニア州ではオークション(インターネット上ではなくて、実際に行われるオークション)の競売人としての免許を取るためには、このプログラムを修了しないといけないそうです。

 

BOWLING INDUSTRY MANAGEMENT AND TECHNOLOGY (ビンセンズ大学、インディアナ州)

「ボーリング産業経営学とテクノロジー」というアメリカ国内で唯一の専攻です。「ボーリングレーンとピンのメンテナンス」や「プロ製品の売店経営」といった科目を履修するそうです。ボーリング場経営に人生を賭けたい人はぜひ。

 

CANNABIS CULTIVATION (オークスターダン大学、カリフォルニア州)

聞きなれない単語かもしれませんが、 "cannabis" とは日本語にすると「大麻」です。そう、日本では違法薬物として知られるマリファナの栽培を勉強しちゃおうという、なんともびっくりな専攻がサンフランシスコの隣のオークランドにある私立大学に存在します。

学校のウェブサイトを見ると、大麻に関する講演を行っていたり、校章を見てみると大麻の絵が入っていたりと、かなりファンキーな学校ですね。

 

さいごに

さすがに上記のようなユニークな専攻は、日本に戻ってきてからの就職が心配なので、なかなか選ぶことはないかと思いますが、アメリカのほうが進んでいるとされるITや工学といった分野は留学生に人気があります。

なんといっても、高校3年生の時点で専攻を決めなくてはいけない日本と比べ、じっくりと専攻を考えられるところがアメリカの大学の魅力でしょう。途中で専攻を簡単に変えることができるシステムも、ぜひ日本でも一般的に導入されてほしいところですね。