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【解説付】これだけは覚えておきたい基本の会計英語用語まとめ

【解説付】これだけは覚えておきたい基本の会計英語用語まとめ

会計はビジネスの共通言語とも言われますが、英語の会計用語を理解しようとして、また覚えようとして混乱してしまったことはありませんか?

そういう時は、用語間の関係や具体的な取引をイメージするのがおすすめです。また、関係性で覚えていれば、実際に英語でやりとりをする際にも相手と共通の認識を築ける点から、役立つこと間違いありません。

今回は「売上・仕入れ」に関する英語の基本的な会計用語を、実用的な例文、解説と共に紹介していきます。

 

売上に関する会計英語用語

売上に関する会計英語用語

売上高/売り上げる:Sales / Sell

【使用例】
X Corporation sold the products for $ 10 million to Y Corporation.
(X社はY社へ10百万ドルの売上を上げました。)

売上高や売上には、sales のように通例複数形を用います。

また「売上計画」は a sales plan と表現します。
 

売掛金:Accounts receivable

【使用例】
Upon the sales, X Corporation recorded accounts receivable against Y Corporation. It takes usually 3 months for X Corporation to collect accounts receivable.
(売上に際し、X社はY社に対して売掛金を計上しました。X社は売掛金回収に通常3カ月要します。)

「売掛金」は、得意先へ売り上げを行った時点で現金を受け取るのではなく、一定期間経ってから現金を受け取る際に使います。そのように会社が即入金を受けることは稀で、多くの場合は売掛金を一度計上します。

ネット上で「計上する」に対応する表現を検索すると、allocate、account for、allocate book、appropriate などの難しい単語が沢山出てきますが、残念ながらこれらの英語表現は実際の会計・税務の現場において、ほとんど見かけません。

record や book といったもっと簡単でシンプルな語句が好まれることを覚えておきましょう。
 

売上原価:Cost of goods sold

【使用例】
Soaring material price increased cost of goods sold against sales.
(原料費の高騰により、売上原価率が上昇しました。)

ここで注目したいのは、against の使い方です。A against B で「Bに占めるAの割合」を表すことができ、例えば operating profits against sales(営業利益率) のように他にもいろんな場面で使うことができます。

また「売上原価率」とは「売上高に占める売上原価の割合」を表します。
 

出荷/出荷する:Shipment / Ship

【使用例】
X Corporation shipped the products to Y Corporation on FOB shipping point.
(X社はFOB出荷地でY社へ商品を出荷しました。)

輸出入でよく見かける表現が FOB X です。FOB は free on board(本船渡条件) の略称で、続く X にてその物品の所有権(title)や破損リスク等(risk)が先方に移転します。

例えば、FOB shipping point なら運送業者(carrier)へ引渡した時点で、FOB destinationなら先方指定の場所へ到着した時点で、といった感じです。

 

入金/入金を受ける:Receipt / Receive

【使用例】
X Corporation received $ 10 million from Y Corporation.
(X社はY社から10百万ドルの入金を受けました。)

receipt は「レシート、領収書」の他にも、「入金」を表す名詞としても使われます。

 

債権流動化/債権流動化する:Liquidation / Liquidate

【使用例】
X Corporation liquidated accounts receivable against Y Corporation.
(X社はY社の売掛金を流動化しました。)

「流動化」とはなんとも仰々しい言葉ですが、「より使いやすい資産(流動性の高いもの)へ変更してもらう」といった程度の意味です。

液体を示す名詞 liquid に、動作を示す接尾辞 ation (actionと似ていますね!)が組み合わさっていると思えば、覚えやすいのではないでしょうか。

確かに、回収できるかわからない売掛金より、いつでも使える現金の方が安心しますね。ちなみに、貸借対照表は流動性の高い順に記載されていますよ。
 

貸倒懸念債権: Doubtful accounts

【使用例】
Accounts receivable against Y Corporation aged 1 year old to be categorized as doubtful accounts.
(Y社の売掛金は1年間回収されず、貸倒懸念となりました。)

売掛金が約束通り回収できるとは限りません。

相手の財務状況によって長らく入金がない場合、売掛金は「貸倒懸念」であると言います。
 

貸倒引当金(負債):Allowance for doubtful accounts

貸倒引当金

【使用例】
In preparation for loss to come, X Corporation provided for doubtful accounts against Y Corporation.
(将来の損失に備え、X社はY社の貸倒懸念債権へ貸倒引当金を計上しました。)

売掛金が貸倒懸念となってしまい、入金の見込みが少ない場合、将来損失が予想されます。

会計は保守的な処理を好むため、あらかじめ「貸倒引当金」を計上することで、将来の損失を先に織り込むのです。

 

貸倒引当金繰り入れ(費用):Bad debts expense

【使用例】
X Corporation suffered operating loss of $ 1 million due mainly to bad debts expense for the long-standing accounts receivable.
(X社は長期滞留売掛金に対し貸倒引当金の繰り入れを行い、営業赤字となりました。)

貸倒引当金を負債計上すると、その相手勘定に「貸倒引当金繰り入れ」が費用計上されます。

「貸倒引当金と貸倒引当金繰り入れ(費用)が混乱してしまっても、後者は費用であることを主張している (expense がついている)ことが多いので、安心です。
 

貸倒引当金の取り崩し:Write off allowance for doubtful accounts

【使用例】
Informed of Y Corporation entering into bankruptcy procedures, X Corporation wrote off the allowance for doubtful accounts.
(Y社が倒産手続きに入ったと聞き、X社は貸倒引当金を取り崩しました。)

貸倒引当金を負債計上していたものの、先方から入金があった場合は、取り消す必要があります。

アメリカのアニュアルレポートを読んでいる際、チャプターセブン(Chapter 7)という語句に出くわすことがありますが、チャプターセブンは連邦倒産法第7章のことで倒産手続きを規定しています

得意先の倒産手続きと貸倒引当金は密接に関係しています。

 

仕入に関する会計英語用語

仕入に関する会計英語用語

仕入/仕入れる:Purchase

【使用例】
X Corporation decided to purchase material amounted $ 10 million from Z Corporation.
(X社は1千万ドルの原料をZ社から仕入れることにしました。)

同様の意味を表す単語として馴染み深い buy がありますが、ビジネス英語では purchase が使われます。
 

原料の入庫/原料を入庫する:Receipt of material / Receive material

【使用例】
X Corporation received material from Z Corporation.
(X社は原料を入庫しました。)

「入庫や検収」は、先方から商品が届き、受け入れたことを指します。
 

買掛金:Accounts payable

【使用例】
Upon the receipt of the material, X Corporation recorded accounts payable against Y Corporation. X Corporation makes it a rule to clear accounts payable 3 months after the receipt of material.
(原料入庫に際し、X社はZ社へ買掛金を計上しました。X社は通常入庫後3カ月に支払いを行います。)

「買掛金」は売掛金の反対で、現金即払いではなく「ツケで払う」場合に使われます。

「通常~することとしている」には「S make(s) it a rule to V」「S make(s) it a rule that S V」といった英語表現が使われることが多いので、覚えておくと便利ですよ。
 

支払/支払う:Settlement / Settle

【使用例】
Falling short of cash, X Corporation settled the accounts payable two months after the due date, for which Z Corporation claims for interests on the delayed payment.
(X社は資金不足のため、支払いが2カ月遅れました。Z社は支払い遅延に対し利息を要求しています。)

低金利の日本では想像しにくいですが、特に高金利の国ではそうはいきません。

ここには支払遅延 (delayed payment) している間、取引先へお金を貸している (lending) という考え方があります。確かに、無料(free of charge / cost)でお金を貸してくれるなんて美味しい話はありませんよね。

 

おわりに

いかがでしたか?

今回は売上と仕入に関する英語の会計用語にのみ焦点を当てましたが、このように実際の取引をイメージしていくとそれぞれの語句が位置づけられやすくなります。

慣れるまで何度も復習してみてくださいね!