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生きがい(Ikigai)が英語に!? 英語になった意外な日本語60選

生きがい(Ikigai)が英語に!? 英語になった意外な日本語60選

こんにちは。英語ライフスタイリストのRinaです。

日本特有の文化や習慣、思想。英語スピーカーを前にして「これってどうやって英語で説明したらいいんだろう?」と悩んだり困ったりしたことはありませんか?

頑張って翻訳してみたものの、「上手く説明できずもどかしかった…」「本当に伝えたいことが伝わらなくてモヤモヤした…」なんて経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

でもちょっと待って!
その言葉、意外とそのまま日本語で伝わるかも知れません!!

今回は ”Sushi” や ”Geisha” などの代表的なものだけでなく、最近話題になったものなど含め、海外でも通じる意外な日本語をご紹介します。

※本記事で紹介する各言葉の語源や由来には諸説あります。あらかじめご理解の上、楽しみください。
 

はじめに

みなさん『翻訳できない世界のことば』という本をご存知ですか?2013年、当時19歳だったエラ・フランシス・サンダースさんという女性が綴った「翻訳できない世界の11の言葉」というブログ記事が世界中で話題になり生まれた一冊です。

日本語版も2016年に刊行され5ヶ月で10万部を突破したそうです。本のタイトル通り、「翻訳できない言葉」を世界中から集めた世界一ユニークな単語集と謳われています。

この本の中では ”Komorebi” などの日本語が紹介されていますが、最近では海外のニュースやSNS、ウェブサイトなどでも日本語がそのままローマ字表記になり英語として使われているのを目にする機会が増えました。

日本文化に興味を持ち日本を訪れる外国人旅行者が毎年増え続けているのに加え、インターネット環境の充実や、SNS普及による一般の人たちの情報発信の日常化も相まって、「翻訳するよりそのままの言葉の方が伝わる!」ということで様々な日本語がそのまま世界で通用するようになってきているんですね!

あなたはどれくらい、こうした日本語が世界で使われているのを見たり聞いたりしたことがありますか? 是非チェックしてみてください!
 

思想に関する言葉

思想に関する日本語
英語になった言葉英語発音日本語
zenゼン
satoriサトリィ悟り
ikigaiイキガィ生きがい
mottainaiモッタイナァイもったいない
omakaseオマカァセおまかせ

“zen” という言葉が広く知られるようになったこともあり、“satori” など禅に端を発する言葉も自然と世界に受け入れられている印象があります。

最近で言うと、故スティーブ・ジョブズ氏が ”zen” を愛し、その教えを実践していたことは有名ですが、その影響もありビジネス界では、グーグルなどシリコンバレーの企業も、禅に影響を受けたメニューを研修に取り入れたりしているそうです。

他にも、アメリカのプロバスケットボール界で記録的な結果を残している指導者フィル・ジャクソン氏は、若い時から禅を学び選手の指導に取り入れるなどして、禅道師を意味する「ゼン・マスター」という異名を持っていますし、スポーツ界では他にもイチロー選手などにも禅の思想が影響を与えていると言われています。

“ikigai” は意外に感じた方もいるかもしれませんが、数年前にスペイン人の日本愛好家の方が出版した『Ikigai:The Japanese secret to a Long and Happy Life』という書籍がきっかけで広く知られるようになりました。海外では「生き甲斐」という概念がない地域もあるんだ、ということも驚きですよね!

“mottainai” は2004年に環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マータイという女性が、その概念に感銘を受けて世界中にこの言葉を広げる活動を始めたことで、世界共通語として認知されるようになりました。
 

ビジネスに関する言葉

ビジネスに関する日本語

ビジネスに関する言葉は、思想に関する言葉に少し似ているところもあります。日本人の仕事に対する姿勢や考え方が反映されている言葉がたくさん見つけられるので、そうしたものを中心にご紹介してみます。

英語になった言葉英語発音日本語
kaizenカイゼン改善
jidokaジドォカ自動化
hanseiハァンセィ反省
nemawashiネマワァシ根回し
kanbanカンバン看板
zangyoザンギョウ残業
karoushiカロォゥシィ過労死
honchoホンチョォ班長
keiretsuケイリツ系列
senpai/sempaiセンパァイ先輩

トヨタ生産方式(Toyota Production System)で広く知られた言葉が ”kaizen” でしょう。英語でも ”continuous improvement” と翻訳できますが、やはり ”kaizen” とすることで本来の意味を表せる言葉だと思います。

また、この “kaizen” 以外に ”Toyota Production System” をきっかけに広く世界で使われたり紹介されたりするようになった言葉が上に挙げた ”jidoka”, “hansei”, ”nemawashi” などでしょう。全てのビジネスパーソンが理解できるとは限りませんが、ビジネスシーンの中で少なからず浸透してきています。

また、少し残念なのが ”zangyo” ”karoushi” といったネガティブな日本語(日本のビジネス文化)の浸透です。残業や過労死の概念は、ワークライフバランスが当然の事として受け入れられている文化圏の人々にとっては、到底理解できない事かもしれません。

日本における残業や過労死の実態が海外に向けて発信された時、概念を理解できない人々は、大きなインパクトを伴ったこの日本語をそのまま使うほかなかったのかもしれませんね。

また “honcho” という言葉も英語になった面白い日本語のひとつ。人気ドラマシリーズの『24』でも使われたりと、広く浸透している印象ですが、英語でも日本語同様「ボス」や「リーダー」を意味しています。世界に広く知られたのは、第二次世界大戦中だと言われています。最近では ”head honcho” と ”head” と一緒に使われる事も多いです。
 

時事に関する言葉

時事に関する日本語

時事ネタの中で目にするようになった、意外な日本語にはどのようなものがあるでしょうか。

英語になった言葉英語発音日本語
hikikomoriヒキコモォリひきこもり
tsunamiツナミィ津波
gaijinガイジン外人
akita/akita Inuアキィタ秋田犬
shibaシィバ柴犬

“hikikomori” は2010年、イギリスの辞書『Oxford Dictionary of English』において初めて掲載され、ちょっとした話題になりました。その定義の説明を日本語にすると、「社会との接点を極端に避けること。典型的には思春期の男性に起きること」とされていて、日本語での使われ方と大きな乖離はないように感じます。

2011年3月の東日本大震で発生した津波は、世界にも大きなインパクトを与えましたが、実は ”tsunami” という言葉が世界共通語になったのは、もっとずっと前のこと。1946年に発生したアリューシャン地震の際に大きな津波被害を受けたハワイで、日系移民が用いたことから ”tsunami” が英語圏でも広く使われるようになったと言われています。

ちなみに気象関連の言葉の中で ”typhoon” も英語になった日本語として紹介されることが多いのですが、語源をたどってみると実は台湾や中国で使われていた「大風」が語源になっているという説もあります。

“gaijin” という言葉は、時事ネタからは少し外れるかもしれませんが、こちらも広く浸透してきている日本語のひとつでしょう。日本人が外国人のことを指して言う場合、少し差別的な印象を与えてしまうこともあるので、あまりオススメできません。

ただ最近では、日本のことをよく知っている外国人や、日本に長く住んでいる外国人の間でも、使われることが多くなってきた印象があります。最大手の英語求人サイトの中には ”Gaijin Pot” というものまでありますし、ロシアに本社を置く ”Gaijin Entertainment” というゲームソフト会社もあるくらいです。

“akita” は2018年、平昌冬季五輪のフィギアスケート女王、ロシアのザギトワ選手が日本の秋田犬保存会から秋田犬を贈呈されたことで話題になりましたね。その前にも、ハリウッドでリメイクされた映画『Hachi』にも登場するなど、しばしば話題になっていることから、”shiba(柴犬)” と並んで世界に通用する日本犬種と言えそうです。
 

文化・エンタメに関する言葉

文化に関する日本語

また、忘れてはいけないのが、日本特有の歴史や最近のエンタメ文化を背景に生まれた言葉たちです。

”geisha””kabuki” ”kimono” などはあまりに有名な日本語ですが、その他にもじわじわと世界で市民権を得つつある日本語もあります。

英語になった言葉英語発音日本語
karaokeキャリオォキィカラオケ
origamiオリガァミ折り紙
mangaマンガマンガ
otakuオタァクオタク
zoriゾォリィ草履
rickshawリックシャ人力車
sudokuスウドォク数独
kawaiiクワァイィ可愛い
pokemonポキモンポケモン
emojiイモジィ絵文字
pachinkoパチンコパチンコ

個人的に面白いなと感じるのが ”manga” です。もちろん英語圏でも漫画はあって、それらは一般的に ”comics” と呼ばれます。でも敢えて日本発の作品たちを表して ”manga” と言って使い分けられているそうです。

そうした ”manga culture” の中から ”otaku”“hentai” などの言葉も浸透してきているというので面白いですよね。ちなみに「コスプレ」もそのままの発音で海外でも伝わりますが、文字にした際にはあくまで ”cosplay” であって ”kosupure” とはなりません。これは英語の ”costume-play” が語源になっているという理由でしょう。

“cute” を表す言葉 ”kawaii” も、若い人たちを中心に世界的に受け入れられてきている日本語です。 ”cute” や ”pretty”、”adorable” ともまた違ったニュアンスを含んでいて、日本らしい独特の可愛らしさみたいなものを表現する際に ”kawaii” が使われます。

また ”emoji” は、SNSでは当たり前のように使われるようになってきています。海外の有名なYouTuberたちが「コメントにemojiを入れてね!」なんて言ったりしていて面白いですよ。

もともと英語圏では絵文字といえば :D や ;P などキーボードで打てる簡単なものが多かったのですが、スマホの普及で可愛い絵文字が海外でも良く使われるようになったことをきっかけに、”emoji” という言葉自体が市民権を得るようになったのでしょう。
 

スポーツに関する言葉

スポーツに関する日本語

日本の国技である「相撲/sumo」は言うまでもなく世界に通用する日本語となっていますが、スポーツ界では他にもそのまま使われている日本語がたくさんあります。

英語になった言葉英語発音日本語
karateカラァディ空手
judoジュード柔道
kendoケンドォ剣道
aikidoエイキドォ合気道
jujitsuジュージツ柔術
senseiセンセイ先生
shiraiシラィ白井

こう見てみると「相撲」意外にも、日本発祥かつ世界中に愛好家やプロの選手のいる競技はたくさんありますね。

そして、こうした日本独自のスポーツ競技やそのトレーニング文化の中から生まれ、世界で通じるようになった日本語のひとつが ”sensei” です。ここでいう ”sensei” はいわゆる学校で教科を教えてくれる「先生」ではなくて、各競技の「師匠・師範」や熟達した「指導者」のことを指しています。

また、記憶に新しいところでいうと体操競技の白井健三選手。世界で誰も成功したことのない技を競技会で次々と決め、その技に ”shirai” という名前が付けられました。実は、日本体操界では他にも ”tsukahara” ”yamawaki” など、第一線で活躍されてきたOB選手たちの技の名前が未だに使われることもあります。

食文化に関する言葉

食文化に関する日本語

最後に、世界に通用するようになった日本語を語る上で外せないのが、「食文化」に関する言葉たちでしょう。

”sushi”、 ”tempura” 以外に、どんな日本語が世界で使われているのでしょうか。

英語になった言葉英語発音日本語
washokuワショク和食
sobaソバそば
ramenラーミンラーメン
tsukemenツキミンつけ麺
teriyakiテリヤァキィ照り焼き
yakitoriヤキトォリィ焼き鳥
tonkatsuトンカツとんかつ
tofuトォフゥ豆腐
edamemeイダマァミィ枝豆
shiitake (mushroom)シィタキィしいたけ
shisoシソしその葉
wasabiワサビィわさび
noriノォリィ海苔
umamiウマァミ旨味
mirinミリンみりん
dashiダシィ出汁
kombuカンブ昆布
sakeサキィ
shochuショウチュウ焼酎
matchaマッチャ抹茶
kombuchaカンブチャ紅茶キノコ
bentoベントー弁当

いち早く海外へ進出した「一風堂」や「一蘭」などの人気ラーメン店の影響もあってか、”ramen””tsukemen” はもはや日本食の代表格と言えるかもしれません。

他にも ”teriyaki””yakitori” など居酒屋で提供されるようなメニューも、英語では表現しづらくまた味も独特なので、このまま表現することになったのでしょう。

料理名だけではなく、野菜や調味料などの素材そのものも、日本食の浸透と同時に日本語そのままで表記されるようになっています。

特に ”sushi””soba”、 “tempura” などの付け合わせやタレとして活躍する ”shiso” ”wasabi” などは海外でも割と一般的になりつつありますし、”dashi””mirin“ といった調味料は ”umami” が広く知られるようになったことで、一気に認知度を上げたように思います。

“umami” は、和食ブームで注目されるようになった味覚のひとつで、日本の科学者池田菊苗博士によって発見された日本生まれの基本味のひとつと言われています。身近なところでいうと、アメリカで ”umami barger” というハンバーガー屋さんが人気になり日本に逆輸入されたりもしましたね。

また、飲料に関する日本語も広がりを見せています。代表的な “sake” に加えて ”shochu” もそのまま伝わることもあるようです。

ちなみに、”kombucha” はハリウッドのセレブたちの間で話題になったのをきっかけに、健康食品のひとつとしてブームになり一気に英語圏に広がりました。ただ、これは日本で飲まれている「昆布茶」とは全く別物で、お茶を発酵させてつくる発酵ドリンクを表します。

日本ではかれこれ40年以上前に大流行したものらしいですが、発音が「昆布茶」と類似しているので勘違いしてしまいますよね!

こうした日本独特の食文化を表す日本語は、「和食」ブームに合わせて、今も現在進行形で世界中に広がっていると言えるでしょう。
 

まとめ

いかがでしたか?

今回は、「生きがい(Ikigai)が英語に!?英語になった意外な日本語60選」というテーマで、そのまま世界で通用するようになった日本語を紹介しました。実際に、これまで海外で使われているのを見たことがある!聞いたことがある!という日本語はいくつくらいありましたか?

言葉はその国の文化やそこに住む人々の思想や歴史などを色濃く表すツールのひとつ。だからこそ、このように他言語に翻訳されずに日本語のまま世界的に通用するようになっている言葉たちは、私たちが普段気づくことのない「日本人らしさ」を教えてくれるヒントになるかもしれませんね!

普段から会話の勉強を頑張る中で「これって英語で何て言ったらいいんだろう?」と常に考えがちな私たちですが、「海外の人がそのまま使っている日本語」を意識して英語のニュースやウェブサイトを読んでみるのも新鮮な体験ですし、学びを豊かでより楽しいものにしてくれるかもしれません。

今日の記事が参考になれば幸いです。