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米警察、熟睡した運転手を乗せてオートパイロットで疾走するテスラ車を止める【デイリーニュースで振り返る2018 vol.11】

米警察、熟睡した運転手を乗せてオートパイロットで疾走するテスラ車を止める【デイリーニュースで振り返る2018 vol.11】

こんにちは、エリックです。

DMM英会話の大人気教材である『デイリーニュース』から毎回気になるニュースをピックし、英語のポイントだけでなく文化や歴史、イマの社会情勢などにも触れながら紹介する『デイリーニュースで振り返る』。

今回のニュースは『運転手が車内で寝ていたテスラ車、警察が止める』です。

テスラは電気自動車や関連商品を扱うアメリカの自動車会社です。半自動運転機能の「オートパイロット」が一つの特徴で、今回のニュースはこれを使っていた運転手が居眠り運転をしてしまい、捕まったというもの。

しかし、単純にドライバーが車を停止させたわけではありませんでした。警察がテスラ車の後ろでサイレンを鳴らすも、運転手は起きる気配がなかったのです。

そんな車を一体どのようにして止めたのでしょうか?今回はこの件について解説しながら、世間の反応なども見ていきたいと思います。
 

運転手が車内で寝ていたテスラ車、警察が止める

今回のニュースはこちらです。

Police Stop Tesla Car with Driver Sleeping Inside
運転手が車内で寝ていたテスラ車、警察が止める
December 18, 2018

上記ニュースより英文を一部抜粋し、単語や文法等の解説を交えながら、関連情報等を見ていきましょう。

全文はこちらからご確認いただけます。
 

速度113キロで疾走するテスラ車
運転手は熟睡?!

カリフォルニア警察は、11月30日早朝にスピード制限を超えて走る車を発見し、止めたと言う。

しかし、どうやら運転手が普通に車を停止させたわけではないらしい…

【ニュース本文】
<英文>
Police saw the Model S traveling at speeds up to 113 kilometers an hour near San Francisco, breaking the speed limit for the area.
When officers drove up next to the vehicle, they saw that the driver appeared to be asleep in the driver's seat. The officers then drove behind the Tesla and turned on their car's warning lights and siren, but the driver did not wake up.
<和文>
警察はモデルSがサンフランシスコ近郊で地域の制限速度を破り、最高時速113kmで走行しているところを目撃した。
警官らが車の横まで運転すると、ドライバーが運転席で眠っているように見えた。それから警官らはテスラの後ろに回り、車の警告灯とサイレンをつけたが運転手は起きなかった。

* "driver's seat" は直訳「運転手の席」で「運転手席」を意味します。「助手席」は "passenger seat"、「後ろの席」は "back seat" と言います。

なんとテスラ車を運転していた男性は寝てしまっていたのです。それもサイレンを鳴らしても起きないほどの熟睡です。

非常に危険な状況に思えますが、なぜ車は事故を起こさずに走行し続けることができたのでしょうか?
 

テスラの「オートパイロット」技術

実は、テスラ車は半自動運転機能の「オートパイロット」が一つの特徴であり、今回その機能が活躍したのではないかとされています。

【ニュース本文】
<英文>
The officers knew that Tesla vehicles have driver assistance systems and thought the driver might have been using it at the time. The technology helps drivers stay in a lane and keep a safe distance from other vehicles. The systems can also slow or stop a vehicle to avoid an accident or in case of an emergency.
<和文>
警官らは、テスラ車には運転支援システムが付いていることを知っており、運転手がそれを使っているのかもしれないと考えた。この技術は運転手が車線内にとどまり、他の車両から安全な距離を保つのを助ける。このシステムは緊急時に、あるいは事故を避けるために車両を減速または停止させることもできる。

サイレンを鳴らしても起きない運転手と半自動で走行し続けるテスラ車。オートパイロットとは言え、完全な自動運転機能ではありませんので、運転手が寝ているとなれば非常に危険な状態です。

カリフォルニア警察は一体どのようにして、安全に車を止めることに成功したのでしょうか。
 

機転を利かせた警察
オートパイロット機能を逆手にとる

【ニュース本文】
<英文>
The officers then moved their police car directly in front of the speeding Tesla and gradually slowed down. As their vehicle slowed, the speeding vehicle also reduced its speed. Eventually, the Tesla came to a complete stop.
<和文>
それから警官らはパトカーをスピード違反のテスラの真正面に移動し、徐々に減速した。彼らの車両が減速すると、テスラ車もスピードを落とした。最終的にテスラは完全に停止した。

* "gradually" は「徐々に」、"eventually" は「やがて」の意味。

警察の "quick thinking(とっさの判断)" とテスラの最先端技術によって、誰も怪我することなく事態は収まりました。なお、テスラ車の運転手は飲酒運転の疑いで逮捕されたとのことです。
 

世間の反応

メディアの反応

下記は米テレビ局 KPIX CBS サンフランシスコがこの件について報道した際の動画です。

動画の中で現地レポーターが下記のようにコメントしました。

We know how bad it can be if a driver falls asleep out here on the highway while driving but in this case the CHP says the man’s car, a Tesla, might have had the autopilot feature on and that may be what kept the car tracking along in a straight line even at 70 mph. Now that technology could be the reason that man is still alive tonight, but it could also be the reason why he fell asleep in the first place.

高速道路でドライバーが寝てしまったらどのような悲劇が起こるかみなさんおわかりでしょう。しかし今回に関しては、テスラ車の運転手がオートパイロット機能をつけていた可能性があるとCHP(カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール)は言います。これによって車は時速70マイル(時速約112キロ)でも事故を起こさずに進み続けられたのではないかとしています。男性が今も生きているのはこのテクノロジーのおかげかもしれませんが、同時に寝てしまった理由でもあるかもしれません。

警察の反応

同じ動画の中で警察もコメントしています。

It’s great that we have this technology, however we need to remind people that they need to be responsible.

このようなテクノロジーがあるのはとても良いことですが、責任感を持つ必要があると、人々に再認識させなければなりません。

ネットの反応

これ実際テスラにとってはかなり良いマーケティングだよね。誰も死ななかったし、オートパイロットは正しく機能した。いいね。

テクノロジー的には、飲酒運転じゃないよね。コンピューターが運転してたんだから。

“DWI” や “DUI” は「飲酒運転」を意味します。それぞれ “Driving While Intoxicated” と “Driving Under the Influence” の略です。

イーロン・マスクさん、オートパイロットに関するアイデアがあります:運転手が意識があるかどうかをオートパイロットが判断できたら、路肩に止まり、ハザードをつけ、警察か救急救命士に連絡するのはどうでしょう。また、警察が止まるよう呼びかけているかどうかも判断できるようにしてはいかがですか。

上記は、この件についてあるユーザーがテスラ社に向けて提案したアイデア。これに対し、テスラ社CEOのイーロン・マスク氏が次のように返信しました。

同感です。オートパイロットはデフォルトで、運転手の動作が確認できないと、ゆっくりスピードを落として停止し、ハザードがつくようになっています。その後テスラがオーナーに連絡をする。今回の件では何があったのかを調べています。

まとめ

いかがでしたか?

近未来的なイメージが強い車の自動運転。これらの技術がすでにここまで進化していることをご存知でしたか?

完全な自動走行はまだもう少し先になるかもしれませんが、今後もテスラ社や自動車業界に注目していきたいですね。

ニュースを読むだけでなくその文化的な背景を知るおうgこと、より深く理解することで、英語学習もより楽しくなるのではないでしょうか。今後もデイリーニュースで楽しく英語を勉強していきましょう!

2018年もありがとうございました!

英語学習のためのニュース教材、毎日更新中!

This blog features a Daily News lesson based on an article from VoA News.