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「英語を学ぶ過程はいつも楽しかった」クロアチア人講師Marko Pさん【DMM英会話 TUTOR'S VOICE Vol. 6】

「英語を学ぶ過程はいつも楽しかった」クロアチア人講師Marko Pさん【DMM英会話 TUTOR'S VOICE Vol. 6】

DMM英会話の最大の特徴といえば、世界中にいる1万名もの講師とオンラインレッスンができること!

英語圏だけでなく非英語圏の講師とのレッスンは、いろいろな英語に触れられることはもちろん、異文化理解へもプラスに作用します。

そしてバックグラウンドの異なる講師がたくさんいるということは、それだけたくさんのストーリーがあるということ。

「DMM英会話 TUTOR'S VOICE」では、レッスンだけでは知ることのできない講師の素顔に注目します。

今回は、クロアチア人講師Marko Pさんにお話を伺いました。

Marko P

国:クロアチア
DMM英会話講師歴:1年 (2021年4月時点)
趣味:スタンドアップコメディ

スタンドアップコメディアンとしても活動

パフォーマンスをするMarkoさん▲スタンドアップコメディのパフォーマンスをするMarkoさん

ー 簡単に自己紹介をお願いします。

Markoです。両親はクロアチア人ですが、ボスニアヘルツェゴビナの首都サライェボで生まれたので両国の国籍を持っています。

現在はクロアチアやボスニアと同じ旧ユーゴスラヴィアのモンテネグロに妻と住んでいて、DMM英会話の講師以外にスタンドアップコメディアン(漫談)として活動しています。

ー プロフィールにもスタンドアップコメディで賞を受賞されたと書いてありますね! スタンドアップコメディの経験は長いのですか?

以前はラジオでパーソナリティをしていたんですよ。そのために発声・発音トレーニングをしたこともあるので、一般の人より声が通りやすいかもしれません。あとはゴミ収集の仕事をしたり、テレビCMに出演したり、ホテルの受付もしました。

「自分にとって居心地のいい場所から抜け出したい」という思いがあったので、興味がある仕事はとにかくなんでも試してみたんです。

スタンドアップコメディはそうしたチャレンジのひとつとして始めて、普段は地域のライブハウスでボスニア語を使ってパフォーマンスをしています。また、アメリカ大使館で行われた「スペリング・ビー」というスペルの正確さを競うイベントで、英語でパフォーマンスをしたこともありますよ。

現在は残念ながら新型コロナウィルスの影響もあってパフォーマンスをすることができないので、オンラインレッスンの講師が主な仕事です。

ー 本当に多くの経験をされてきたんですね! なぜDMM英会話の講師になることにしたのですか?

ある日、講師募集を目にして、妻が「試してみたら?」と背中を押してくれたんです。英語を専攻していたわけではないのですごく迷ったのですが、とにかく挑戦してみることにしました。

最初は試行錯誤の連続でしたね。未知の世界だったのでかなり緊張して、手に汗はかくし、レッスン前は毎回ドキドキしながら待機していたのを覚えています。

そして、ようやく慣れてきたときに目にしたのが、レッスンの評価でした。ネガティブな評価には落ち込みましたが、そのおかげで自分のレッスンを改善する手がかりをつかむことができました。

例えば私自身が学生時代に出会ってきた先生は、みんなシリアスな顔をしていたので、私も最初は真剣な顔をしなければいけないと思っていたんです。でも評価欄を見てそれではいけないとわかり、笑顔でレッスンを楽しむようにしました。評価欄は私にとってスキルアップのためのいいバロメーターとして機能していますね。

「好き」を通じて身につけた英語力

テレビCM撮影中の様子▲テレビのCM撮影中

ー ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、クロアチアのどの国も、英語は公用語となっていないですが、Markoさんは何言語話せるのですか? また、なぜ英語力に長けているのでしょうか?

母国語のボスニア語に加え、ロシア語と英語の3ヶ国語を話すことができます。

ロシア語は大学のときに面白そうだと思って挑戦してみました。母がロシア語の先生なので、もともと興味があったんです。ロシアには何度も遊びに行きましたし、ロシア人の友人もたくさんいますよ。

英語については、学校ではイギリス英語を教わりました。でも私が話しているのはアメリカ英語です。なぜなら私が子どものときには、アメリカのアニメを見たくても吹き替えがなくて、アメリカ英語音声&字幕で見る必要があったから。アニメや映画を英語で楽しんでいた経験が、自分の英語力に大きな影響を与えたと思います。

また、Windows95の登場で家庭にパソコンを持つようになったのですが、どのゲームも英語版しかないわけです。自分としては早くゲームをしたいので英語を学ぶ必要がありました。もちろんゲームだけでなく、話す練習もたくさんしましたよ。

幸いなことに、私たちの国には外国人がたくさんいたので、青少年団体を通して会話をする機会を持てたんです。私の英語力の90%は練習で成り立っていると言っても過言ではないかもしれません。

考えてみると、(アニメやゲームで)英語の基礎的な知識をつけて話してみる、という言語を学ぶうえで重要なステップがふめていたようです。語彙力も文法の知識もありませんでしたが、不思議とできるという自信があったからこそ、英語で話す力をつけられたような気がします。そのせいか、英語を学ぶ過程はいつも楽しかったです。

ー 講師として英語を「教える」ことについて、どう感じていますか?

生徒のみなさんのことが本当に大好きなんです!(笑)

生徒さんの90%は日本の方ですが、みんな親切で丁寧です。ただ、講師になりたてのころは、文化の違いに困ることもありました。スタンドアップコメディでは最初の20秒で笑いをとり、観客の注意を引いて自分を好きになってもらう必要があります。

でもこれまでやってきたその手法が日本の方には通用しなかったんです。それに、生徒さんの仕草や言葉の裏にある思いを汲み取ることに慣れておらず、難しく感じることもありました。

やがて日本の方と接するコツをつかんだのですが、あまり多くを変える必要はないと気付いたんです。国や文化は違えどみんな同じ人間ですから、根本的な部分は変わりません。だからなによりも、みなさんがリラックスしてレッスンに取り組めるように心がけています。生徒のみなさんには本当にいろいろなことを教わっていますね。

ー これまでで記憶に残っているレッスンエピソードがあれば教えてください。

いつもレッスンを受講してくれる生徒さんの1人が、レッスン中にピアノの演奏をしてくれたことです。

彼は1年に1回地域の会場を借りて仲間とピアノの演奏会をしているのですが、どうしても舞台であがってしまうという悩みがありました。それで緊張をほぐすアドバイスをリクエストされて、「顎を引き胸を張って舞台に立つ」など、自分が知っているテクニックをすべて彼に教えたんです。

そして、このテクニックを実践したら本番もとてもうまくいったそうで、レッスン中に「演奏で感謝の気持ちを伝えたい」と言われて、とても驚きました。オンラインレッスンで知り合っただけの私に、なぜそこまでしてくれるのだろうと信じられなくて、鳥肌がたったほどです。

いざ演奏が始まると、涙が出そうになるほど感動しました。会う人みんなに自慢してしまうほど、最高な思い出となっています。

日常英会話はシンプルに

シンプルに▲パフォーマンスでは最初の20秒が肝心だというMarkoさん

ー レッスンをするときに心がけていることはありますか?

レッスンが自分ではなく、生徒さんのためのものであるということですね。

基本中の基本だと思われるかもしれませんが、私たち西洋人は自分中心になりがちで、自分の話ばかりしてしまって聞く耳をなかなか持てないことがあると思うんです。なので、生徒のみなさんが十分に英語を話す時間を持てるように、注意を払っています。

ー ではユーザーのみなさんはどんなことを心がけるべきだと思いますか?

これはある生徒さんが言っていたことなのですが、特に日本人の方は「英語を流暢に話せる」ことを「複雑なセンテンスを作れる」ことと勘違いしてしまっているから間違えをしてしまうのだと思います。

どの言語でもそうですが、日常使う言葉はせいぜい500語くらい。つまり日常会話はシンプルな表現で十分ということです。だから、英語を話すのに「英語の知識」が完璧でないといけないわけではありません。単語や文法に自信がなくても、まずは話してみるべきだと思いますね。

この「話す」練習のために、レッスンではフリートークを勧めたいです。教材ももちろん有効ですしその人の学習スタイルによりますが、それにとらわれすぎてしまう可能性もあります。

だから確実に英語力を伸ばすにはフリートークが効果的だと思いますね。好きなことや楽しいことについてなら、話す内容にも困らないはずです。好きなことと英語を掛け合わせれば、学習の継続にも繋がりますし、効率よくスキルアップをはかることができると思います。

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5月 1, 2020

ー Markoさんが英会話講師を続ける理由はなんでしょう?

好奇心ですね。レッスンでは毎回新しい出会いと学びがあります。

この前も経理の仕事をしている生徒さんがお金の数え方を教えてくれて、驚くばかりでした。また、生徒さんたちがいる地域の特徴を知れることも面白いですね。新潟にはなぜ雪が多いのかとか、根室の名産品はじゃがいもだとか、毎日が新しい発見です。

ー Markoさんの趣味はなんですか?

最近は木工でDIYをしたり、切り貼りで絵を作ることが好きです。インターネットでアイデアを探して、自分でやってみるんです。DIYについては、特別な道具はノコギリくらいしか持っていないので、ほとんど手作業で作っています。

DIYにハマり始めたころは全然うまくできなくて、失敗作もありました。それでもやりたいという気持ちがあったので続けていたら、少しずつ上達してきたんです。最初は誰だって失敗したり、うまくできないのは当たり前ですよね。

失敗を正面から受け止められる人は少ないと思いますが、継続していれば少しずつ進化して、前にできなかったことができるようになるわけです。英語にも通じることですが、「絶対にできない」ことはなにもないと思いますね。

ー では最後にユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。

なにごともスタートすることが肝心です。

いつもレッスンをしていて、日本の方は一般的な非ネイティブスピーカーよりも語彙力に優れていると思うんです。でもミスをするのが怖いのか、話すことを苦手としてしまう。

「考えすぎたり怖がらなくていですよ」と伝えたいです。私自身が証明しているように、まずはどんどん話してみることが英会話力の向上につながるはずです。

ー ありがとうございました!

「絶対できない」ことはない

スタートが肝心▲テレビCM撮影中

スタンドアップコメディアンとしても活躍するMarkoさんのインタビュー、いかがでしたか?

アニメやゲームで英語に触れ、とにかく話すことでスキルアップをしたMarkoさんとお話するなかで、スキルアップには「自分の楽しめること」との掛け算が重要なのだと改めて気づかされました。

みなさんもぜひ殻を破って「話してみる」ことを楽しんでみてくださいね。