【ウクライナ侵攻】現地講師Sergeyさんが伝えたいこと

2022年2月24日、世界を激震させたロシアによるウクライナ侵攻。

多くの人が国外への避難を迫られましたが、そんななか現地でDMM英会話のレッスンを続けた講師がいます。

Sergeyさんは、「自分だからこそ伝えられることがある」と多くのユーザーのみなさんとレッスンをしてきました。

今回DMM英会話ブログ編集部は、Sergeyさんがこの数ヶ月、どのような生活を送ってきたのか、そして現地の状況を聞くことができたので、リアルな声をみなさんにお届けします。

記事は日本語でお伝えしますが、ページ下部には実際のインタビューの動画も載せています。英語でもこの実情を知りたい方は、そちらもチェックしてみてください。

※インタビュー実施日は2022年4月26日です。

世界と繋がることはできている

ー 調子はどうですか?

生きています。それがもっとも重要なことです。電気もインターネットも通っているので、こうして繋がることができています。

ー 安全を確保できていますか?

毎日オンライン英会話レッスンをするなかで、おそらく1番この質問が多いです。ただ残念ながら、ウクライナには「安全な場所」はありません。すべて相対的に考えなければいけないのです。

私はZaporozhye(ザポリージャ)という街にいます。ウクライナでも大きな産業都市の1つで、現状はとても難しい状況に置かれているんです。

今朝は4回ほどロシアのミサイルによって砲撃されました。明日のこともわからない状況なので、こうして会話ができることは非常に嬉しいです。もしかしたらまたすぐに、状況が変わってしまうかもしれませんから。

だからウクライナに残っている誰しも、「安全だ」と思うことはできないと思います。それに、いま私たちが抱えている問題が解決しない限り、同じようなことが繰り返されかねないので、世界のどこも安全ではないかもしれません。私はもうこの状況に慣れてしまいましたが。

ー 「慣れてしまった」ですか......。それではこの侵攻が始まってから、Sergeyさんはどんなことを経験してきたのでしょうか?

この戦争が始まるまでは、私は個人事業でビジネスコンサルタントをしていました。会社経営や金融、国際関係の向上、人道的サポートなど、いろいろなプロジェクトをしてきました。

そのなかでも、特に再生可能エネルギーに興味があったんですよ。それというのも、太陽発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、「自由と自立」を象徴するからです。資源はときに、戦争の理由になることがありますからね。

もともと私は他の人と共に時間を過ごすことや、英語学習のサポートをすることが好きでした。だからDMM英会話のレッスンを行うことは、私の最大の趣味でもあって、とても長い時間を生徒のみなさんと過ごしてきました。

2月24日に侵攻が始まって以降、私自身は退役軍人なので戦いに参加したかったのですが、軍からは自宅に留まるように指示されました。その代わりに、DMM英会話で世界中の人と繋がることに注力することにしたんです。

なぜなら、DMM英会話のレッスンでは「1対1」で「対話」ができるからです。ウクライナで起きていることを含め、事実を知るには対話が必要だと信じています。だから、現状を世界の人に知ってもらいたいという思いから、多くの生徒さんとレッスンをしてきました。

ほかにもオンラインで会議に参加したりして、レッスンを含め1日に10時間ほどさまざまな人と話しています。これが現在の私の日常です。

ー 確かに、ニュースで聞くだけでは「自分ごと」にすることが難しいですが、現地にいる人から話を聞くと、もっと身近なこととして捉えることができるかもしれませんね。

私がやっていることは本当に小さなことですし、時間も労力もかかることでしょう。しかし、人は持っている知識を7人の人に伝えると言われています。侵攻が始まってから700レッスンほどしてきたので、トータルで約5,000人に自分の持っている情報を伝えられたことになるのです。

最近はフェイクニュースなどがありますが、現地にいる私だからこそ伝えられることを通して、事実を知ってもらいたいと思っています。

ー 当事者から直接話を聞けるということはなかなかないですからね。ではこちらに関して、私たちももちろんニュースで情勢を追っていますが、現地での状況はどのようになっているのでしょうか?

ほかのメディア取材も受けたことがありますが、それが掲載されるまでには時間を要します。この状況になってから、特にニュースで知る情報はもう古くなってしまっていると感じるんです。

戦況は刻一刻と変化していますからね。

だから私は、ニュース媒体ではなく、周りの人から情報を得ているんです。

現在(4月26日)、ロシア軍はあらゆる作戦を実行し、ウクライナ南東部はもっとも複雑な状況に置かれています。これはロシア軍にとって最後の攻撃ともいわれています。その分ウクライナも代償を払っているわけですが。

私が住む街は幸いにもこれまで戦いに備え、守る体制を整えることができました。これから数日間は攻撃が激化するかもしれませんが、私たちには国際社会という後ろ盾がありますから、みなポジティブです。

侵攻が始まった頃とはとても状況が異なるんです。国際社会のサポートもあって、多くの人がウクライナがこの戦いに勝つことができると信じているように思います。

ロシア軍は一般人を攻撃し、ミサイルなどで爆破を続けています。でもウクライナ人は反撃し続けますし、諦めません。

ー では次になにが起こると思いますか?

戦火にいるとき、未来を考えるのは不運を呼びかねません。もちろん、戦争など特別な状況にいない場合は、「次」を考える余裕があります。

でも戦火で重要なことは、「撃つか撃たれるか」。生きることができるのか。

過去や未来のことを考えると「今」に集中できなくなり、取り返しのつかないことになるかもしれないのです。

だから私が言えることは、「今はまだ大丈夫」ということです。

ー 確かに「今」が何よりも大事ですね。

ー 次にレッスン開講について教えてください。侵攻が始まってから、Sergeyさんがレッスンを続けてきたことにスタッフ一同驚いたのですが、この状況でレッスンをするのは一筋縄ではいかなかったのではないでしょうか?

このような状況でも多くの人と会話をすることができるのは、とてもありがたいです。なぜなら、先ほども言った通り、お互いのことを理解するのには、1対1のコミュニケーションが必要だと信じているからです。これによって、将来戦争が起こる可能性をなくすことができるかもしれません。

でもときによって、枠を開けていてもどうしてもレッスンができないことがあります。例えば、戦車が移動するときなどは情報漏洩を防ぐために、インターネット回線が完全に停止してしまうんです。大体そういうときは、1〜4時間ほど回線が停止します。1回、3月28日に街が大規模な被害を受けて広範囲で停電がありましたが、それは6時間ほどで解消されました。

あとは侵攻が始まってすぐのころは、空爆警報が鳴ると子供をシェルターに連れていかなければいけなかったですし、今は優先してしなければいけないタスクが発生することもあります。今私は海外のジャーナリストのサポートをしたりしているので、そういったことが起こると、レッスンができなくなってしまうんです。

それでも、私はできる限り多くの人と話すことを目標にしています。だから機会があるときはレッスン枠を開けるようにしているのですが、驚くことにそれらの枠は開けたらすぐに埋まるんです。こうして生徒さんたちと話せるのは私にとって喜びなんですよ。

ー 生徒のみなさんはSergey先生にどんな質問をしているのでしょうか?

やはり「安全ですか?」、「十分な食料はありますか?」とか、「スーパーは開いているのですか?」などの質問が多いですね。「プーチンはなぜこの戦争をしているのか」という質問を受けることもあります。

いつも生徒のみなさんには、どんなことでも私に質問してくれるように伝えています。同じような質問だとしても、その人にとっては初めて聞く質問であることもありますからね。そして私は真摯に答えるように努めています。

ー では生徒のみなさんには、この状況を改善するためにどんなことができると伝えているのでしょうか?

1つはDMM英会話が以前行っていた救援金の募金活動に参加してもらうことです。

もう1つは事実と現地で起きていることを理解してもらうことです。よく、「何もできないですが、私ができることは何でしょう?」という質問を受けます。そんなときには、こう伝えるようにしています。

なぜなら先ほどから繰り返しているように、生徒さんにこうして私を通して事実を知ってもらえば、さらに多くの人に正しい情報が広まると考えるからです。

今回の戦争は、世界対ロシアという2つの異なる文明の戦いです。

この世界が1つになるためには、同じ価値観を共有する必要があり、一人一人が事実を正しく理解することが大事なのです。こうして多くの人が集まれば、どんな力も及ばないのではないのでしょうか。そしてこれは、ロシアが侵攻開始当初考えもしなかったことなのです。

ー なるほど。世界がウクライナのためにできることは何だと思いますか?

今回の侵攻を例にみると、まだ世界は大きな問題に対してどう対処すべきか、答えを持っていないように思います。どのようにその問題を止めればいいのか、または防げばいいのか、誰にも答えが見つけられないわけです。

ウクライナ政府が今回の問題に対して起こしている行動で、私も誇りに思っていることは、やはり「世界との対話」です。

やはり、コミュニケーションがすべての要だと思います。そして対話をするためには言語知識も必要なのです。

多くの人があまり気づいていないですが、DMM英会話はその2つを享受できる場所だと考えています。

例えば、DMM英会話のある生徒さんと考えていたのは、5〜6歳の幼少期に、子供達がほかの国の子供達と交流するプログラムを作るアイデアです。こうして対面のコミュニケーションを通すことで、お互いのことを理解する機会が持てるはずです。

ほかにも、軍役がある場合、複数の国の15〜17歳の青年達が集まって、「お互いが敵ではない」という認識を持てるようなプログラムもあるんですよ。違う国の兵士であっても、戦う相手になる必要はないわけです。

ー コミュニケーションが担う役割って、思ったよりも大きいかもしれないですね!

最後に1つ伝えさせてください。

私はもともと日本文化や歴史に深い興味があったんです。DMM英会話のレッスンを通して、英語を教えるだけでなく、自分が実にさまざまなことについて学ぶ機会がありました。

そのなかで発見したのが、ウクライナが今回勝利するために必要な答えは、ある日本人によって400年前にすでに見出されていたことです。

その答えとは、宮本武蔵の「独行道」、つまり侍の生き方を定めた21カ条です。

私たちが勝利するためにどのような姿勢でいるべきなのか、必要なことがすべて記されていたので、私がウクライナ語に翻訳したものを、多くの人が読んでいます。そしてそれを読んだ人が、また知人達にそれを共有しているのです。

この「独行道」に出会うことができたのは、奇跡だと思っています。日本のあらゆる大学の歴史学者や哲学者の人々とコミュニケーションを取れたからこそ、知ることができました。一人では知識を得ることができないと再認識できたきっかけの1つなんです。

コミュニケーションをとると何かしらの学びがあり、こうしてお互いに学び合うことで、共に戦うことができるのだと思います。本当に、コミュニケーションをとるということは奇跡に近いんですよ。

ー コミュニケーションって、ただの会話ではなく、お互いをわかりあうことなんですね。今回はお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

ウクライナに残りながらも、オンライン英会話レッスンを続けるSergeyさんにお話を伺いました。

現地にいるSergeyさんだからこそ、1つ1つの言葉に重みがあり、より「コミュニケーションの重要さ」に気付かされるインタビューでした。

Sergeyさんのインタビュー動画はこちら

コミュニケーションがあれば争いにはならない

今回Sergeyさんのインタビューを通して、「何ごともコミュニケーションが要である」と感じました。

誰も、友達や知人と争いごとは望みませんよね。結果としてそうなってしまうこともあるかもしれませんが、それもなにかの勘違いや誤解によるものが多いのではないでしょうか。

「国レベルとなるとそんなこともないでしょう」と思う人もいるかもしれませんが、国民1人1人で成り立っています。一般人同士が国を超えたコミュニケーションを取っていくと、これまでとはまた違った世界ができるかもしれませんね。

ウクライナの人々が1日も早く平穏な日々を取り戻せますように。


DMM英会話では、2022年3月にウクライナへの救援金募金を行いました。ご賛同いただいたみなさま、ありがとうございました。

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