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相談:TOEICで英語は話せるようになる?【新井リオの『Q&ABC』vol.13】

相談:TOEICで英語は話せるようになる?【新井リオの『Q&ABC』vol.13】

『Q&ABC』は、「英語日記BOY」の著者・新井リオが、「英語・海外生活」にまつわるみなさんからの質問に答えていく連載です。

(質問はこちらからできます)

第13回のテーマは「TOEICで英語は話せるようになる?」です。

【質問(KAITOさんより)】
はじめまして。「英語日記BOY」を通して新井リオさんを知りました。インスタライブやコラムなど、いつも英語について発信してくださってありがとうございます。

私もいつか英語を話せるようになれたらいいなと思い、モチベーションの維持もかねて、TOEIC Speaking&Writing(以下、S&W)を受けてみようと思います。

一般的にはTOEICといえば、Listening&Reading(以下、L&R)が有名だと思いますが、やはり話せるようになりたいので!

 

そこで新井リオさんの意見をお聞きしたいのですが、TOEIC S&Wの勉強をすれば話せるようになると思いますか?

僕のTOEIC事情

僕のTOEIC事情

英語習得における「TOEIC」の必要性、多くの英語学習者が一度は考える議題だと思います。今回は、僕がTOEICについて思うことをさまざまな視点で話していきます。

まず、僕自身はTOEICを受けていません。

厳密に言うと、大学に入ったときに全1年生が受けるTOEIC模擬試験のようなものがありましたが、それ以来自分では受けていません。

そのときの点数はたしか450点くらいで、おそらく当時の大学1年生の平均点、みたいな感じでしょうか。

実際に、その結果をもとに振り分けられる必修英語クラスのランクはちょうど真ん中くらいでした。

当時の体感としても、「大学受験のため、たしかに英語は頑張ったけど、まったく話せるようなレベルではない」という具合です。

それが2013年なので、もう8年経つんですね。この期間、それこそ「英語日記BOY」に書いたようにさまざまなアプローチで勉強を続けてきて、かなり話せるようになりましたが、

「ああ、TOEICをやっておけばもっと話せるようになったのにな」とは正直思っていない、ということをまずお伝えしておこうと思います。
(これはL&R、S&Wに関わらずです)

ただこれは、TOEICが無意味なんだということを指しているのでは全くありません。メリットももちろんあると思います。そのあたり、色々お話しさせてください。
 

TOEICは「英会話力」を上げるために作られたものではない

TOEICは「英会話力」を上げるために作られたものではない

まず大事な認識は、(L&RだろうとS&Wだろうと)そもそもTOEICは「人の英会話力を上げるために作られたものではない」ということです。

TOEICって、「英語力」を測るための試験です。

出題者は、「みんながこの問題をクリアした先にどんどん英語が話せるようになっていくといいな〜」と願いながら設問を考えているのではなく、

むしろ「高度な英語を知っている人」と「そうでない人」との点差をつけるために、日常会話ではあまり使わないような難しい単語を使ってみたり、ひっかけ問題を作ったりします。

そのためTOEICで高得点を目指すとなると、「TOEIC対策」的なものが必要になってきます。

なので努力の仕方が、「例年パート5では〇〇のような傾向があるから、△△のような戦略でいこう」みたいになってきます。これはこれでいいんです。悪いことじゃありません。

でも、もう一度思い出してください。

「英語が『話せる』ようになりたい」が第一目的である僕たちが最初にやる行動だと考えると、なんだか方向性がズレている感じがしませんか?

例えるなら、憧れの会社に入社したけど、まったく希望していなかった部署に配属されたときのようなズレ感と言いますか。

「あれ、私が本当にやりたかったのはコレなんだっけ?」って。

もちろん、どんな部署でも学べることはあるように、TOEICの勉強をしたからこそ深まる英語知識は確実にあります。

でも、「英語が『話せる』ようになりたい」という明確な目的が既にあるひと人にとっては、「最短ルートではないよな」と思ったりするんです。

「話せる」ようになりたいなら、実際に誰かと「話す」ことを勉強のメインにするべきですから。
 

TOEIC満点は、英語界の「東大卒」

TOEIC満点は、英語界の「東大卒」

ただ、TOEICにはTOEICなりの魅力があります。

それは、日本において、英語の能力を資格として伝えられる数少ない方法であるという点です。

いくら英語が得意でも、「私って英語が得意なんです!」と口に出すだけで企業に採用されることはありません。やはりここにはわかりやすい証明が必要なんです。

例えばTOEICが満点だったらそれだけで「おー!」ってなりますよね。

で、「お、この人すごいかも!」って一瞬で思わせてしまう何かを持っているのって、正直、社会を生き抜く上でめちゃくちゃ武器になったりするんですね。これは就活に限らず、です。

何を言うにも「TOEIC満点の人の言葉」になるので、英語の悩みはこの人に聞いとけば間違いないな、みたいな信頼を一瞬で獲得することができたりします。

まあ学歴と一緒です。

「学歴なんて必要ない論」も現代ではポピュラーになってきましたが、やはり「東大卒です!」と言われると「すごい…」と思ってしまうのが普通だと思います。

そういう意味で、TOEIC満点は、英語界の「東大卒」かもしれないですね。

一度「TOEIC満点」を取ってしまえば、その人はこれから「TOEIC満点の人の人生」を生きていくことができます。これで救われることってめちゃくちゃある気がします。

これを得るために、長い人生のなかの一定期間を集中して費やすのはかなりアリです。

ましてや、どうしても入りたい会社や学校がTOEIC高得点を理想の条件としているなら、目指してみるのもいいと思います。

だから、もし「TOEICに向けて勉強するかどうか迷っている」という方がいるのなら、

  • 自分の人生では、英語力を資格のようにわかりやすく提示すべき機会は訪れるのか?
  • そのような機会はなくとも、「TOEIC高得点」というステータスを獲得したいか?

このあたりを今一度考えてみるのがいいかもしれません。
 

「英語が話せる」はコミュニケーション力の話でもある

「英語が話せる」はコミュニケーション力の話でもある

ただ、大人になり社会に出た私たちが既に知っているように、高学歴の人が一概にパーフェクトな人生を送るわけではありません。

学歴を得ずとも素晴らしい人生を送っていく人は本当にたくさんいます。このあたりも考慮に入れた方がいいのは事実です。

学生時代の話をするとき、よく「成績がいい人」と「成績は特別よくないけどコミュニケーション力は高い人」みたいな分け方をするじゃないですか。

「英語が本当に話せる力」というのは、もしかしたら後者の「成績は特別よくないけどコミュニケーション力は高い人」のことなのかもしれないんですね。

おそらく質問者のKAITOさんをはじめとした多くの方が今目指しているのは、「英語がある程度話せるようになって、人生をより充実したものにしたい」ということじゃないでしょうか?

これが目的なのだとすると、「英語の試験で高得点を取れる能力」よりも、「ミスしながらでもいいからいち早く生活に英語を取り入れて、人とコミュニケーションを取るツールとして使ってしまう思い切り」みたいなものが、想像以上に大事になってきます。

ここには、単なる英語の知識だけでなく、

  • 意思をはっきりと表明できる自信
  • 相手の気持ちを思いやれる気遣いの心

のような、スコア化できないものこそ大切だったりします。

「英語が話せる」とは「生きたコミュニケーション力があるかどうか」の話でもあるんです。

だからこそ、そもそも試験として数値化するのがむずかしいのかもしれないです。

「あ、今気遣いしましたね? 10点プラスです」みたいなのって変ですもんね。
 

本当に英語が話せるようになりたいなら?

本当に英語が話せるようになりたいなら?

色々と書きましたが、「じゃ、どうしたら本当に使える英語が話せるようになるの?」ということですよね。

冒頭で「そもそもTOEICは英語での会話力を上げるために作られたものではない」と言いました。

これはつまり、裏を返せば、僕たちは「そもそも人の英会話力を上げるために作られたもの」で勉強するべき、ということです。

ここで登場するのが「オンラインレッスン」です。

自分はDMM英会話を始めて6年以上経ちますが、現代において、オンラインレッスン以上に英会話力を上げてくれるツールは他にないと断言できます。

オンラインレッスンにおいて何よりも良いのは、「授業自体が、既にリアルな英会話であること」です。

例えば僕の大学のスピーキングクラスは、「ネイティブの先生1人+生徒10数人」でした。スピーキングクラスと謳っているものの、「実際に自分が英語を話している時間」でいったら数分しかなかったし、話し相手は「隣の席の日本人の生徒」でした。

つまり、「授業自体が、リアルな英会話ではなかった」んです。

これだと最短ルートではありません。

またオンラインレッスンでは、先述した「ミスしながらでもいいからいち早く生活に英語を取り入れて、人とコミュニケーションを取るツールとして使ってしまう思い切り」←この力がぐんぐん伸びます

1レッスンの時間は25分程度ですが、日本語でさえ「毎日25分間、決まった時間にだれかと話す」ことって意外とないですよね。僕たちはレッスンを受けているとき、英語力に加えて「コミュニケーション力」も伸ばすことができているのだと思います。

で、これが既存のテキストのみの勉強にはなかった立体感であり、「本当に英語が話せる」ということにおいて一番大事な部分なんです。
 

さいごに

さいごに

ここまで書いてきたように「英語が話せるようになる」という目的においては、「必ずしもTOEICは必要ではない」というのが持論なのですが、ちょっと違う視点から見たTOEICのメリットを最後に書きます。

それでもTOEICが素敵だなと思うのは、「努力が可視化できる」ところです。

例えばTOEIC900点の人が実際にどれだけ英語が話せるのか、正直なところわからないですが、「この人は努力をした人なんだ」ということだけは明確にわかるんですね。

また、当事者の自分にとっても、自らの努力で着実に点数が上がっていく経験は、人生においてかけがえのないものだと思います。大人になってから本気で勉強するのって、青春ですよね。

そういう意味で、やるもよし、やらないもよし。

TOEICに打ち込もうがオンラインレッスンにハマろうが、同じ「英語学習仲間」です。

決してスコアの高さやレッスン時間の長さで優劣をつけるのではなく、「私たちはいま頑張っているんだよね」ということを讃えあえたら素敵ですよね。
 

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