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最終章|中卒、少年院上がりの元ヤンキーが、半年間本気で英語に取り組んだ結果…【前田太尊の人生を変える英語道 Vol.4】

最終章|中卒、少年院上がりの元ヤンキーが、半年間本気で英語に取り組んだ結果…【前田太尊の人生を変える英語道 Vol.4】

2017年8月に始まったプロジェクト

『中卒、少年院上がりの元ヤンキーが、半年間本気で英語に取り組むとどうなるのか?』 

半年。
6ヶ月。

それだけの時間があれば、人は変われるのでしょうか。

中卒・元ヤンキーの前田太尊は、文字通り英語力ゼロからのスタートでした。

果たしてそんな彼が、半年間の英語学習・留学期間を経て、本企画の目標であった「ネイティブを前にした英語でのプレゼンテーションを成功させる」を達成することができたのでしょうか?

これまで3回に渡ってお伝えしてきたこのモニターレポートも、今回が最終章
ここからは、バンクーバー留学で太尊がお世話になった語学学校「VECTOR International Academy」校長の Mari 先生による赤裸々レポートをお届けします。

半年間で飛躍的に伸びた太尊の英語力、必見です!!
 

【前回までのストーリー】
①中卒、少年院上がりの元ヤンキーが、半年間本気で英語に取り組むとどうなるのか?
https://eikaiwa.dmm.com/blog/38057/
②英語学習スタートから1ヶ月。モチベーション0のままフィリピン留学へ
https://eikaiwa.dmm.com/blog/41210/
③カナダ留学1ヶ月目。掴んだ手応えと突きつけられた現実
https://eikaiwa.dmm.com/blog/43429/

Mari 先生レポート

こんにちは。カナダ・バンクーバーにあるキャリアスピーキング力養成学校「Vector International Academy」校長の Mari です。

計6ヶ月間の企画がこの春、無事終了しました。

【6ヶ月内訳】
・ 2ヶ月の国内学習(DMM英会話)

 

・ 1ヶ月のフィリピン留学(C2 UBEC English Academy、EV Academy)

・ 3ヶ月のカナダ留学(Vector)

Vector では3ヶ月でレベル1からレベル3までのコースを受講した Taison 君。
前半の様子はこちらから。

今日はいよいよカナダ留学のクライマックス、後半戦を Taison 君がいかに戦い抜けたのか。その様子をお伝えしたいと思います。

【2か月目】失敗と達成

2か月目の「文法インプットコース」は、弊校カリスマ文法教師 Akiko による、超高速瞬間文法学習です。スピーキングを目指した文法学習とは「ゲームをするためにそのルールを理解し覚えること」だと考える Vector では、日本語を使ってしっかりルールを説明していることもあり、Taison 君もすべて理解して英語で文を組み立てる楽しさがわかってきた様子。

習った文法をどんどん使って自分が言いたいことを英文にします。Taison君、留学前に「僕、文法とか難しいことわかりますかね~」と言ったとき「スマホとかのゲーム上手い? ゲームが上手だったら、英語はわかるよ」と私は答えました。その時の彼は「??」という顔をしていましたが、まさにその通りに。

文法理解は、スピーキングというゲームを上手に楽しむためのルール。コツがわかるとどんどん吸収していきました。

ところが、順調に見えた2か月目。後半に突入し課題の量が一気に増え、難易度が上がった途端に Taison 君の悪い癖が…。放課後の自習時間にはクラスで歌いだしたり、クラスメートにちょっかいを出し現実逃避。

そして人前での初めてのスピーチでは、勢いだけでやってのけようとし大失敗。Akiko の雷が落ちました…。

さて、一度しっかり叱られた Taison 君は翌週、全校生徒の前での英語スピーチに挑みます。これまで大勢の前に立っても緊張一つしない性格だったのですが、ここにきて初めて緊張を味わいます。

「これまでは準備とかしなくても、勢いと愛嬌でやってきて、なんとなくこなせてきたんですよね。でも今回は生まれて初めてしっかり準備して練習した分、『絶対成功させたい!』って本気で思いました。だから緊張しました…!」

結果、程よい緊張感と達成感から、終わった後は一人で叫んでいましたね(笑)。

そして自分には、「世界のみんなに向けて言いたいことがもっともっとあるんだ」と実感。それを伝えるためにまだまだ英語力を伸ばしたい、と心から思うようになって、2ヶ月目を終えました。

【3ヶ月目】動画アリ:ヤンキー経験を英語でプレゼン

Vector 留学最終月。
レベル3の「会話アウトプットコース」が始まりました。

こちらのコースでは、英語をどんどん聞いて耳コピすることで、文字を見ることなく自然なイントネーションを吸収していきます。また、前月でしっかり文法を体得した分、聞いただけできちんと意味もわかるようになっています。

聞いた音をそのまま発音するだけでなく、発音記号を見て正しい音を出すこともうまくなりました。その場で出されたお題に対して、自分の意見を英語で述べ始めたのもこの頃です。

いよいよプレゼンの時が!

そしていよいよ、カナダ Vector 留学のクライマックス「カナダ教師の会」の会合で、自分のヤンキー経験を英語で語る日がやってきました。

当日は地元バンクーバーの小学校や高校の先生方が30名ほど集まり、1時間に渡って8つのプレゼンを行ったのですが、Taison 君の出番は後ろから2番目。

「絶対成功させますよーー!!」とはりきっていた Taison君 ですが、先に出場したクラスメイトや先輩のプレゼンを見ているうちに、思った以上に緊張が高まり、「Mari 先生…これヤバイっすね…」と一言。

これまでいくら緊張したと言っても、いつもの Taison スマイルが消えることはなかったのに、この日は見たことのない顔に。一人寡黙に隣の教室にこもり、窓に映る自分の姿を見つめながらプレゼンのリハーサルをこなします。自分のセリフの中で、言いにくいところ、発音が難しいところを、特に集中して何度も何度も繰り返しているのです。声もかけにくい瞬間でした。

他のプレゼンターも自分たちの番をどんどんこなし、いよいよ Taison 君の番がやってきました。リスナーの先生方にはあらかじめ「今回は元ヤンキーの生徒がプレゼンします」とお伝えしていたこともあって、期待値はMAX。

お題は『暴走族とこれからの自分』
意を決した凛々しい顔で Taison 君が舞台に立ちました。

半年間、これまでないほど勉強をし、多くの人から叱咤激励を受け、「できる!」という経験を味わい、人生初めての大緊張をし、それでも逃げずに最後まで練習を続けた彼が本番でどのようなパフォーマンスを披露したのか…詳しくはぜひ、ビデオをご覧ください!

いかがでしたでしょうか?

カナダ留学初日と比べると、完全に「英語話者」になっていますよね。Taison 君という一人の人間が本当に言いたいと思っていたことを、第二言語である英語でここまで伝えられるようになりました。プレゼン後、会場から大きな拍手が起きたことは言うまでもありません。

「英語で話せるようになりたい」と思っている方はたくさんいらっしゃいます。そういった生徒さんに、私はいつもこう言うのです。

「何語であっても『話す』とは『相手とコミュニケーションをする』こと。自分の口から英単語を出すだけではないんですよ。文法が合ってないと、理解しにくい。発音が合ってないと、わかりにくいを通り越して伝わらないことも。声が小さいと、聞こえない。人の顔を見れないと、冷たく見える。緊張ばかりだと、リスナーも緊張しちゃう。自分の言いたいことを、自分らしいアイデンティティで、落ち着いて語る。そこを目指しましょうね」

と。最初はかっこつけているだけに見えた Taison 君も、持ち前の素直で頑張り屋な性格が功を奏し、カナダ留学でこんなにも成長してくれました。

どうでしたか?
半年で人は変われるか。皆様はどう思われましたか?

【番外編】 プレゼン本番 裏話

でも最後に一つ、付け加えさせてください。
実はこれには、裏話があるんです。

こんなに上手にスピーチを見せてくれた Taison君 ですが、実はこのプレゼン後、悔しくて悔しくて膝から倒れこんだんです。

なぜか。
プレゼンも終盤に差し掛かった頃。頭の中で準備していたある一文が、突然出てこなくなったのです。それは非常に難しく長い文章で、当日追加した文だったので、私からは「もし忘れたら飛ばしても意味通じるから、大丈夫だからね」と伝えていたのですが、頑張り屋の Taison 君はどうしても言い切りたい!と思って挑んだのでしょう。

多くの観客の前で頭が真っ白になったその時。一瞬恐怖に襲われ、でも次の瞬間には観客に向かって “Phew…. I’m nervous…!!”と英語で返しを交わしました。

そしてすぐに次の内容を思い出し上手にエンディングへ向かったので、見ていた私たちはそんなに気にしなかったのですが。「成功させる!」という本気の思いがあった彼にとって、その一瞬は悔しくて悔しくて仕方なかったのでしょう。

みんなの拍手を受けながらも、みんなの “That was a very interesting topic!” という称賛の言葉を受けながらも、Taison 君は「自分が設定した目標を達成できたのか」と自問自答していました。

そんな姿を見て私は思いました。
「自分の目標に向かって走り続ける」ことができるようになった Taison 君は、プレゼンで少しとちろうが、立派に Vector を卒業してくれたな、と。

180日を終えて

前田太尊の振り返り

Mari 先生の振り返り