日本語でも「柿が渋い」「あのおじさん、渋いよね」のように味と人の特徴どちらも表せる形容詞がありますよね。
英語にも「味」と人の「性格」や「特性」を表す形容詞 がいろいろあるんです。
今回は味にも人にも使える形容詞を紹介したいと思います。
英語学習者初級〜中級の人だと、なかなか両方の意味を知っている人は少ないので、どちらの意味もしっかり使いこなせるようになって、お友達の外国人や英語の先生を驚かせちゃいましょう!
味と性格どちらにも使える形容詞 Sweet形容詞 sweet は、味も性格の意味もどちらも知っている人が多い単語だと思います。味として使われるときは「甘い」「砂糖を入れた」という意味になります。
This cake is too sweet. 「このケーキ、甘すぎる」
I only drink sweet white wine once in a while. 「私はたまに甘い白ワインを飲むくらいです」
この sweet の反意語は dry「辛口の」になります。
そして人の性格を表すのに使われる場合は「優しい」「思いやりのある」 などの意味として使われます。
Jenny is such a sweet lady. She checks on the elderly people in her neighborhood all the time. 「ジェニーはとても思いやりのある女性です。いつも近所の老人たちの様子を見に行きます」
She was so sweet to me when I needed help. 「私が困っていたとき、彼女はとても優しくしてくれました」
BitterBitter は「苦い」「渋い」という意味です。
This coffee is quite bitter. 「このコーヒー、結構苦い」
そして性格の特徴として使われる場合、「過去の経験や認識された不正に対して否定的な感情や恨みを抱く人」 を表します。また、皮肉屋や悲観的で、人生の否定的な側面に焦点を当てる傾向がある人を指すこともあります。
Despite her success, she remained a bitter person, unable to let go of the past and constantly focusing on negative things. 「成功したとはいえ、彼女は過去を捨てられず、常にネガティブなことに目を向ける、苦い人間であり続けた」
Dry形容詞の dry は味や食べ物に関して表現するとき、「(ワインやお酒が)辛口の」「(食べ物が)パサパサした」 という意味があります。
I’m looking for a bottle of dry red wine. Which ones do you recommend? 「辛口の赤ワインを探しているんですが、何かいいのがありますか?」
Every time my dad barbecues, he overcooks the meat and it gets dry. 「毎回お父さんがバーベキューすると焼きすぎて肉がパサパサになるんだよね」
Dry は「乾いた・乾燥した」という意味で覚えている人も多いかと思いますが、dry を人の性格として使う場合「情に乏しい」 という意味になります。情に乏しい人は、乾燥しているから涙も出ない、と覚えると覚えやすいかもしれません。
She doesn’t really show her emotions. I think she has a dry personality. 「彼女はあまり感情を見せない。彼女は情に乏しいと思う」
He’s a really dry guy to work with — he never shows what’s on his mind. 「彼は一緒に働くのにすごくつまらない男だ。彼は何を考えているか全く表に出さない」
SaltySalt が「塩」という意味だと知っている人は多いですよね。Salt の形容詞 salty は「塩辛い」 という意味で、食べ物の味付けなどについてよく使います。
Mom, the fish is too salty today. 「お母さん、今日の魚すごく塩辛いよ」
Salty はスラングで使うとき、「怒って・腹を立てて」 というように人の状態を表すこともできます。この場合 upset や bitter などが同意語になります。
He's salty because he didn’t get his way. 「彼は自分の思い通りに行かなかったから腹を立てているんだ」
He got really salty after his boss asked him to come in on his day off. 「上司に休日出勤するように言われ、彼はすごく怒っていた」
Sour これは「酸っぱい」という意味の英語。レモンやライムが代表的な sour な食べ物ですね。
I put too much lemon in my drink and now it's really sour. 「ドリンクにレモンを入れすぎて、すごく酸っぱくなっちゃった」
そしてこの sour が人の性格に対して使われるときは、基本的には「不機嫌」や「イライラ」 を表し、さらには「厳しい、批判的、否定的である」 という意味で使われることもあります。
Our boss is in a sour mood today. I wouldn't say anything to upset him. 「うちの上司は今日不機嫌のようだ。彼を怒らせるようなことは言わない方がいいよ」
He's a movie critic, famous for being sour and overly critical. 「彼は映画評論家で、厳しく、過度に批判的なことで有名です」
Vanilla「バニラ」も人の性格を表すの!? と思うかもしれません。人や物を表現するときに使われるvanilla という言葉は、一般的に、「平凡な、普通の、または特徴的な機能や特性がない」 ことを意味します。
Vanilla と表現される人は、冒険的でない、目立たない、当たり障りのない、刺激的でない性格とみなされることが多いです。
John is a nice guy, but he's a bit vanilla — he doesn't take many risks or try anything new. 「ジョンはいい人なんだけど、ちょっと平凡なんだよね、あまりリスクをとらないし、新しいことにチャレンジしない」
Mary's presentation was well-prepared and professional, but it was also a bit vanilla. She didn't really add any unique or creative insights to the topic. 「メアリーのプレゼンは、よく準備されたプロフェッショナルなものでしたが、少しありきたりなものでもありました。このトピックにユニークでクリエイティブな洞察を加えることができなかった」
Rich「裕福な」という意味の rich ですが、味に対して使う場合は「豊かな」「濃厚な」 という意味を持ちます。
My aunt and uncle are really rich. They're always traveling the world. 「私の叔父と叔母は本当にお金持ちです。いつも世界中を旅しているんだ」
This ice cream has a rich chocolate flavor. 「濃厚なチョコレートの味わいが楽しめるアイスクリームです」
FieryFiery は「炎のような」という意味ですが、これは「辛い」や「燃えるような」ものに対して使われることが一般的です。
This Indian curry has a perfect balance of fiery spices and rich flavors. 「燃えるようなスパイスと豊かな風味のバランスが絶妙なインドカレーです」
そして、人の性格を表すときは、「熱狂的でダイナミック」「自信にあふれている」「感情の起伏が激しい」 などの特徴を持ちます。
Sarah is a fiery politician who speaks her mind and stands up for what she believes in, no matter the consequences. 「サラは、自分の意見を言い、結果がどうであれ、自分の信じるもののために立ち上がる、熱血政治家です」
Fishyこれは「魚のような」=「生臭い」という意味で使われる単語です。しかし、人や状況に対しても使うことができるんです! その場合は、「怪しい」「胡散臭い」 という意味になります。
The smell coming from the fridge is getting fishy. We should clean it out. 「冷蔵庫から生臭いにおいがしてきた、掃除しよう」
The whole situation seemed fishy to her, so she decided to investigate further. 「彼女は、この状況を怪しく思い、さらに調べてみることにした」
Cheesy料理に対して使われる cheesy は「チーズたっぷり」という意味です。
This pizza is so cheesy! 「このピザ、チーズたっぷり!」
そして性格や特徴を表すのに使われる場合、過度に、あるいは不適切に感傷的であること、くだらないこと、ありきたりなこと を意味します。また、過度に派手であったり、大げさであったり、信憑性に欠けるものを指すこともあります。
Whenever we go out to a restaurant, my uncle always cracks cheesy jokes with the waitstaff and embarrasses everyone at the table. 「レストランに行くと、叔父はいつも店員さんにつまらない冗談を言い、テーブルのみんなを困らせる」※To crack a joke は「冗談を言う」という意味のフレーズです。
人だけでなく、映画や歌にも使われることがあります。
That movie was so cheesy. I was embarrassed just watching it. 「あの映画はくだらなくて、ありきたりだった。見ているだけで恥ずかしくなったよ」
DoughyDough は「パンやケーキなどの生地」のことを言います。これが doughy と形容詞になると「(パン生地のように)柔らかい・生焼けの」 という意味になります。
I baked a loaf of bread this morning, but it’s a bit doughy. 「今朝パンを焼いたんだけど、ちょっと生焼けだ」
The pie crust is a little doughy because it wasn’t cooked long enough. 「焼き時間が足らなくて、パイ皮がちょっと生焼けだ」
これが人の特徴を表す場合、「たるんだ」「締まりのない」 という意味になり、太めの人に対して使うことができます。パン生地はお腹のお肉のように柔らかいですから、覚えやすいですね。
My brother gained 20 lbs (pounds) recently, so now he’s a bit on the doughy side. 「最近弟は20ポンド太って、ちょっとたるみ気味だ」
How can I get rid of my doughy stomach? 「どうやったらたるんだお腹の肉を取れるだろう?」
MeatyMeaty は名詞の meat「肉」という意味からも、「肉のことを言っているんだろうな」と想像が付きますよね。形容詞の meaty は味のことを言う場合「肉の味がする」と言う意味で、食べ物のことを言うなら「肉がたっぷり入った」という意味になります。
You need to try this stew — it’s so meaty! 「このシチュー食べてみて、すごい肉がたっぷり入ってる!」
That’s a big, meaty sandwich. 「すごい肉肉したサンドイッチだね」
ハムなどの肉がたくさん入っているという意味です。
人の特徴を表す形容詞の meaty は「肉付きの良い」「太った」 という意味です。これも「肉がたっぷりついた人」=「太った人」または「筋肉質な人」と想像がつきやすいのではないでしょうか。
He has such a meaty upper body, but his legs are quite skinny. 「彼はすごい肉付きの良い上半身をしているのに、彼の足はガリガリだ」
He's been working out, so he's got big, meaty arms now. 「彼は鍛えているから、今は肉付きのいい大きな腕になっている」
Hearty最後に形容詞 hearty を見てみましょう。Hearty は食事のことを表すときは「ボリュームのある」や「栄養価の高い」 という意味があります。
This hotel serves a hearty breakfast and very good coffee. 「このホテルはボリュームのある朝食と、とても美味しいコーヒーを出してくれます」
I made a hearty soup for lunch. Would you like some? 「お昼に栄養たっぷりのスープを作ったけど食べる?」
これに対し hearty が人の性格を表すとき「元気な」「陽気な」 という意味として使われます。
My father is still hale and hearty at the age of 97. 「私の父は97歳で、まだまだ達者です」
Hale and hearty で「(老人などに対して)元気旺盛な」 という意味です。
Our teacher has a hearty sense of humor. 「私たちの先生は陽気なユーモアのセンスがあります」
味と性格を表す形容詞を使ってみよう!今回は「味」と「性格」の両方を表す形容詞を紹介しましたが、いかがでしたか?
紹介した形容詞のなかに、みなさんに当てはまるものや、みなさんの周りの人に当てはまるものはありましたか?
以下のように、自分のことや実際に自分の周りにいる人について、文章を作ってみると意外と覚えやすいので、ぜひ試してみてください。
I have to make sure I don't get too doughy now that I'm middle-aged! 「中年まっしぐらの私は、doughyにならないように気をつけないと!」