【TOEFL iBTを徹底解説】受験前に要チェック!
海外留学をされたことがある人や海外留学を考えている方なら、『TOEFL(トーフル)』という試験をご存知だと思います。
しかし、日本ではまだまだ『TOEIC』や『英検』の方が断然知名度が高いのではないでしょうか。
今日はそんなTOEFLの概要、種類、試験形式、スコアの目安、問題内容までまるっと紹介していきたいと思います!
TOEFL に興味のある方、受けてみようと思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
TOEFL の概要
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、アメリカの非営利教育団体 ETS が主催している英語能力測定試験で、特にアメリカの大学や大学院に進学されたい方や交換留学されたい方は受験が必要となる試験です。
TOEFL は、アメリカ・カナダ・イギリスなどの英語圏だけでなく、世界160か国、12,000以上の大学・大学院などでグローバルに活用されています。日本国内ですと各地の教育機関やテストセンターで受験可能で、年間50日以上(土・日のみ)試験を実施しています。
受験時間は約2時間(2023年7月より)、受験料は245ドルです。試験結果は、試験日から約6日後にETSアカウント(My TOEFL Home)で確認することができます。また、スコアの有効期限は試験日から2年間有効です。
TOEFL の種類
TOEFL には、元々「PBT」・「CBT」・「ITP」・「iBT」と4種類のテストがありました。現在は廃止されたものもあるので、ひとつひとつ確認していきましょう。
PBT
PBTはPaper Based Testingの略で、いわゆる筆記テストです。1964年に初実施され、2017年に廃止されました。PBTの最高点は677点でした。
CBT
CBTはComputer Based Testingの略で、コンピューターを使ったテストです。「iBT」の導入により2006年に廃止されました。CBTの最高点は300点でした。
ITP
ITPはInstitutional Testing Programの略で、大学や専門学校、企業などの団体単位で行われるテストです。例として挙げると、国際基督教大学や関西外国語大学などが英語のクラス編成に利用しています。マークシート形式のペーパー版と、コンピューター形式のデジタル版があります。ITPは団体での受験のみで個人では受けられません。
iBT
iBTはInternet Based Testingの略で、インターネット版のテストです。iBTではSpeakingが導入され、Reading・Listening・Speaking・Writingの4技能測定テストとなりました。iBTの最高点は120点です。
ここからも分かるように、現在実施されているTOEFLはITPとiBTのみで、通常個人で受験される方がTOEFLと言うとiBTのことを指します。
TOEFL iBT の試験形式
TOEFL iBTテストは、先述した通り4つのセクションから構成されており、テスト時間は約2時間です。(テスト時間は指示の進め方により多少前後します。)
セクション | 時間 | 内容 | スコア |
リーディング | 約35分 | アカデミックな長文読解問題 | 0-30 |
リスニング | 約36分 | 講義と会話の2種類の問題 | 0-30 |
スピーキング | 約16分 | Independent Task・Integrated Task | 0-30 |
ライティング | 約29分 | Integrated Task・Academic Discussion Task | 0-30 |
Total | 約2時間 | 0-120 |
試験ではひとり1台コンピューターを割り当てられ、全てのセクションをコンピューター上で受験します。全てのセクションを通し、メモを取ることは可能です。
コンピューター受験ですので、基本的なパソコン操作やタイピングができる必要があります。特にライティング・セクションでは長文をタイピングする必要があるので、スムーズにタイピングできることが時間節約の鍵になってきます。
また試験中、受験者はそれぞれのペースで進んでいくので、自分がリスニングをしているときに隣の人がスピーキング・セクションを始めている可能性もあります。逆に自分がまだスピーキングをしているときに、周りの人がライティングをしていることもあります。普段から多少騒がしい場所での学習に慣れておいたり、カフェなどでスピーキングの練習をしたりして度胸をつけておくのも良いでしょう。
TOEFL iBT 目標スコアの目安
TOEFLを受験される方は、海外の大学や大学院に進学するのに必要な目標スコアを持たれている方が多いと思います。ここではTOEFL iBTの目標スコアの目安を紹介したいと思います。
各教育機関により入学志願者に求めるTOEFL iBTのスコアは異なりますが、アメリカの大学留学経験者として言うと、大学留学なら80点、大学院留学なら100点を目標にすると良いでしょう。もちろんもっと低い点で受け入れてくれる大学はたくさんありますが、最低80点くらいないと入学後にかなり苦労します。
私は高校卒業当時、TOEFL PBTが547点(TOEFL iBTに換算すると78点)でした。私の行きたかったアメリカの大学入学に必要な TOEFLスコアは 525点だったので入学できましたが、当時の私の英語力はお世辞にも大学の授業についていくのに十分と言えるものではありませんでした。しかし、あまり目標を高くしすぎて挫折しては元も子もないので、まずは80点を目指してみましょう。
TOEFL iBT 80点は、TOEICに換算すると750点位、英検だと準1級程度になります。海外での大学生活を少しでも快適に過ごせるようにするには、やはりTOEFL iBT最低80点を目標とすることをおすすめします。
下の表はETS のスコア換算表です。
外国語の運用能力を測るヨーロッパ共通言語参照枠CEFR(セファール)だと、B2 レベルが大学留学に必要相当だと言われており、International English Language Testing System (IELTS, アイエルツ) だと6.5 は欲しいところです。
TOEFL iBT スコアと CEFR レベルの比較
TOEFL iBT | CEFR |
114 | C2 |
95 | C1 |
72 | B2 |
42 | B1 |
― | A2 |
TOEFL iBT スコアと IELTS バンドスコアを比較
TOEFL iBT | IELTS |
115 | 8.5 |
110 | 8 |
102 | 7.5 |
94 | 7 |
79 | 6.5 |
60 | 6 |
46 | 5.5 |
35 | 5 |
32 | 4.5 |
TOEFL iBTのスコアを採用の際の選考基準として活用している企業や機関もたくさんあります。外資系企業などへの就職・転職の際にアピールできるスコアは、最低80、90点からとも言われています。また外務省専門職員採用試験では、TOEFL iBT 100点以上又は、IELTS 7.0 以上としています。
このことからも、やはり目標スコアの目安はまず80点とするのが現実的ではないでしょうか。
TOEFL iBT の問題内容
TOEFL iBT テストは「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に測定する試験で、英語圏の大学生が通常1年次に学ぶ一般教養科目を網羅しています。
TOEFL iBTの試験勉強をすることで、海外の大学・大学院の講義やクラスメートとのディスカッション、課題やエッセイ等に取り組むために必要な語彙・英語スキルを身につけられるようになっています。それでは、各セクションの問題内容を見ていきましょう。
READING
リーディング・セクションは35分、問題数は20問(1パッセージ10問が2つ)となっています。
アカデミックな長文読解問題は約700語で、自然/環境科学、 社会科学、芸術、人文学、教育など幅広い分野の長文が出題されます。リーディング・セクションでは、すでに解いた問題に戻って解き直しができるので、覚えておくと良いでしょう。
LISTENING
リスニング・セクションは36分、問題数は28問となっています。
講義に関する問題が3題と、キャンパス内での会話で構成された問題が2題出題されます。
講義に関する問題は1題あたり約3-5分、教授と学生、学生同士などの会話に関する問題は1題あたり約3分の音声を聴き、解答します。
Listening音声は1度のみで、4つの選択肢から1つを選択する問題、複数の選択肢から2つ以上選択する問題、情報をまとめて表を完成させる問題などがあります。
SPEAKING
スピーキング・セクションは16分、問題数は 4問(Independent task 1問、Integrated tasks 3問)となっています。
授業中やキャンパスで起こりそうな場面や身近なトピックについて意見を述べたり、読んだり聞いたりした内容を要約するよう指示されます。マイクで自分の声を録音し解答します。
Independent taskでは準備15秒、解答45秒の時間が与えられます。 Integrated tasksの解答時間は60秒ずつです。
WRITING
ライティング・セクションは29分、問題数は2問(Integrated task 1問、Academic Discussion task 1問)となっています。
Integrated taskでは読んで聞いた内容を要約し、エッセイ形式で150~225 wordsで書きます。Academic Discussion taskは100 words以上となっています。ここでは制限時間内に自分の考えをまとめて正しい英語で書くことができるかを測定します。
キーボードを使いタイピングして回答するので、普段からキーボードに慣れておくようにしましょう。
実際に挑戦してみよう!
今日はTOEFL iBTについてまるっと紹介しましたがいかがでしたか?
大学留学で必要な方も、履歴書に記載してアピールしたい方も、まずは80点を目標に学習されると良いでしょう。
2023年夏より、試験時間がかなり短縮され受験しやすくなったらしいので、受けようか迷っている方はぜひチャレンジしてみてください!