DMM英会話 ブログ 英語を学ぼう

Sick!って…病気?ネガティブそうでポジティブな意味を持つ単語

Sick!って…病気?ネガティブそうでポジティブな意味を持つ単語

新しい言語を学んでいると、理解不能な表現に出会うことがありますよね。例えば、ルールに例外があったり、文字通りの意味が実際の意味とまったく違う表現があったりすることなど。

さらに、本来の意味とは全く逆の使われ方をする単語もあって、困ったことはありませんか?

今回は、本来は否定的な意味を持つ単語なのに、スラングで使われる場合は肯定的な意味に変わるものを紹介します。これらの表現は、一般的にカジュアルな場面で使われるスラングですが、知っておくと便利です!

友人とおしゃべりするとき、テレビや映画を見るとき、SNS上でもよく使われます。

なかには驚くようなものもあるかもしれません! では早速、みてみましょう。

ネガティブそうでポジティブな意味を持つ単語

Sick / Ill(最高)

幸せな人生にとって、お金や物といったものがどれほど重要かについては、人によって意見が分かれますよね。しかし、健康は誰にとっても重要です!

そのため、sick や ill のような不健康を意味する言葉が肯定的な意味で使われることを知ると驚かれるかもしれません。

Last night’s party was sick! Why didn’t you come?
「昨夜のパーティーは最高だった! どうして来なかったの?」

Ill は sick と同じように使われますが、少し古いスラングです。

His new song is ill! I can’t stop listening to it!
「彼の新曲は最高だ! 聴くのを止められない!」

Wicked(最高)

Wicked は元々は「邪悪な」という意味です。しかし、日常会話でこの意味で使われることはあまりありません。

実際には wicked なものは「優れている」、「非常に質が高い」ことを意味することが多いです。

These cookies are wicked! You have to give me your recipe. 
「このクッキー最高! レシピを教えてよ」
His last novel was wicked. I'm so excited for the next volume.
「彼の前回の小説は最高だった。次の巻がとても楽しみだ」

Killer(素晴らしい、最高)

この killer は「何か素晴らしいもの、並外れたもの」を表す形容詞として使われます。

That restaurant on the corner makes a killer hamburger. It’s the best in the city.
「あの角のレストランは素晴らしいハンバーガーを作る。この街で一番おいしいよ」

また、All killer, no filler という表現は、「欠点がなく一貫して素晴らしい」ものを表現するときによく使われます。音楽アルバムやテレビシリーズ、映画シリーズなど、コレクションの中にあるものを指すときに使われることが多いです。

That TV series is all killer, no filler. Every episode of every season is fantastic.
「あのテレビシリーズは全部最高で、欠点がない。どのシーズンのどのエピソードも素晴らしい」

Obsessed (夢中)

本来の用法では、obsessed(取り憑かれた)は addicted(中毒)と似た意味を持つ非常に否定的な言葉です。何かに取り憑かれているほど夢中であることは、不自然で不健康なくらい何かに集中しているという意味を含みます。

しかし、カジュアルに使われる場合は、大ファンであるとか、何かや誰かにとても興味を持っているという意味になります。SNS上で、Obsessed! と誰かの投稿に反応する人を見かけることもあるほど、わかりやすい表現です。

My daughter is absolutely obsessed with K-Pop.
「私の娘はK-POPに夢中です」
Cliff’s been obsessed with science-fiction and fantasy novels since he was a kid.
「クリフは子供の頃からSFやファンタジー小説に夢中だ」

Devastating(衝撃的)

Devastating は元々壊滅的という意味で、非常に強く、否定的な影響を与えるものを表す形容詞です。人の感情だけでなく、物理的な物や場所についても使うことができます。

The tropical storm was devastating for the small town.
「熱帯低気圧は小さな町に壊滅的な打撃を与えた」
The devastating news shocked everyone.
「その壊滅的なニュースは皆にショックを与えた」

その一方で、否定的でなくても、強い感情的衝撃を与える場合に特別に使われることもあるのです!

The critics praised the actor for his devastating performance in the new film.
「批評家たちは、新作映画での彼の衝撃的な演技を称賛した」
The book’s finale was absolutely devastating. 
「この本のフィナーレは本当に衝撃的だった」

Outrageous(とんでもない)

Outrageous は outrage(暴挙)の形容詞形であり、世間の怒りや衝撃を表す名詞です。名詞形は否定的に使われることが多い一方で、outrageous は柔軟に使われます。

状況に応じて「非常に不適切な」「驚くべき」「荒唐無稽で異常な」といったニュアンスを表現します。つまり、とんでもないことを引き起こす可能性のあることを肯定的にも表現できるというわけです。

He is known for his strange behavior and outrageous fashion sense.
「彼は奇妙な行動ととんでもないファッションセンスで知られている」
The winner of this week’s lottery will get an outrageous amount of money.
「今週の宝くじの当選者は、とんでもない金額を手にするだろう」

Crazy/mad/mental(熱狂的)

本来はそれぞれ「正気ではない」ことを意味する単語です。しかし、crazy は通常柔軟に使われ、用法は outrageous に似ています。

Alex's birthday party was crazy. We had a great time.
「アレックスの誕生パーティーはクレイジーだった。とても楽しかった」

イギリス英語では、crazy は mad や mental に置き換えられます。

That movie was completely mad; I didn't really understand it, but I definitely enjoyed it.
「あの映画は完全に狂っていた。よく理解できなかったけど、間違いなく楽しめた」
When the band started playing their biggest hit, the crowd went mental.
「バンドが最大のヒット曲を演奏し始めると、観客は熱狂した」

Fanatic(狂信者、熱狂的なファン)

ファンという言葉は、実はこの fanatic の短縮形だと知っていましたか?

Fan は特定の人や物が好きな人を表す一般的な言い方です。その一方で、fanatic は不健康なほど対象への愛が強すぎる人を指すことが多いようです。この点では、obsessive(先に説明した obsessed の形容詞形)と似ていますね。

Fan の代わりに fanatic を使うことで、自分がどれだけ何かを好きかを肯定的に強調することができます。

I really like soul music, but Henry is a soul music fanatic.
「私はソウル・ミュージックが本当に好きだが、ヘンリーはソウル・ミュージックの狂信者だ」
Jeff is a craft beer fanatic. He knows everything about it.
「ジェフはクラフトビールの狂信者だ。彼はクラフトビールについて何でも知っている」

予想外な表現を使ってみよう

言語が時代とともに変化するとき、意外な方向や予期せぬ方向に向かうことがあります。

「悪」や「中毒」を表す否定的な言葉が、日常会話で肯定的に使われるようになることもあるのですね。

しかし、意味を正しく理解するために、常に文脈には気をつけましょう。これらの単語を否定的な意味と肯定的な意味の両方で適切に使い分けることができれば、まさに sick! です。

Written by David J
Adapted by Amy