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「社長、その件について教えてくれ」を丁寧なビジネス英語表現に変える6つのルール

「社長、その件について教えてくれ」を丁寧なビジネス英語表現に変える6つのルール

英語で話しているときに「この表現は相手に失礼にならないかな」と不安に思ったことはありませんか? 英語が上達し、「相手に通じたらOK」というレベルから進んでいくにつれて、こういった疑問が湧いてきますよね。

日本語には尊敬語・謙譲語・丁寧語があるように、丁寧に表現することに対して特に気を遣う文化で育った日本人としては、英語で話すときにも「丁寧な表現」を意識される方が多いかと思います。

そこで今回は、丁寧な英語表現が特に使用される「誰かに何かを依頼するシーン」を軸に6つのルールをご紹介しましょう。

 

丁寧な英語表現にするための6つのルール

丁寧な英語表現ルール1. 時間的な遠さをつける

英語では「時間的な遠さ」で丁寧さを表すことが多いです。現在のことを話すときに現在形ではなく過去形を使用したほうがより丁寧な表現になります。

たとえば、「明日電話してもらえますか?」は "Will you call me tomorrow?" や "Can you call me tomorrow?" などと言うこともできますが、丁寧な表現としては以下のようなものがよく使われます。

"Would you 〜?" は "Will you 〜?" よりも、 "Could you 〜?" は "Can you 〜?" よりも丁寧な表現になるわけです。

ちなみに、 "Would you 〜?" は相手に「それをする意思があるか」を尋ねているのに対して、 "Could you 〜?" は「それが可能かどうか」を聞いていることになります。日本語に訳すと、どちらも「〜してもらえますか」と同じになってしまうので混乱しやすいですが、ニュアンスの違いを覚えておきましょう。

他にも、時間的な遠さをつけることで丁寧さを出す方法としては、主に "want" 、 "wonder" 、 "hope" 、 "think" という単語に対して使われることが多いです。

例えば、お店で買い物をしたときに "Did you want a plastic bag?(ビニール袋は必要ですか?)" と聞かれることがあります。また、 "I was hoping that you could join us for dinner.(あなたも夕食をご一緒にと思っているのですが)" のようにすれば、より丁寧な姿勢で自分の提案を伝えることが可能です。

上述の「明日電話してもらえますか?」でいえば、 "I was (just) wondering if you could call me tomorrow." などと、現在のことを過去進行形で表すことで、丁寧なニュアンスを表すことができます。

 

丁寧な英語表現ルール2. 相手に “No” と断る余地を与える

命令形は「命令」というだけあって、丁寧な表現ではありません。 "Tell me about it.(それについて教えてくれ)" と言われると、強要されている印象を受けますよね。

そこで、何かを依頼する場合には相手が答えを自由に選べるような(=Noと断る余地を与える)表現にすると丁寧になります。たとえば、 "Tell me about it." ではなく "Could you tell me about it?" のほうが丁寧に聞こえるわけです。

 

丁寧な英語表現ルール3. 控えめな言い回しにする

ダイレクトな表現よりも控えめな表現にするほど、丁寧になると言われています。

具体的には、 "Tell me about it." よりも "Would you mind telling me about it?(私に教えていただけますか)" のほうが、相手にとっては返事に自分の意思を入れる余地ができるのでより丁寧になります。

また、 "Could you tell me about it?" よりも "I was wondering if you could tell me about it.(教えていただけないかと思っているのですが)" という表現のほうがさらに控えめで丁寧な印象です。

他にも、レストランでグラスワインが欲しい場合には "I want a glass of wine." と言うのではなく、 "I’d (=would) like a glass of wine." のように "would like" を使いましょう。あるいは、ショップで見せてもらいたい商品がある場合などには、 "I want to see that." ではなく "I would like to see that." のほうが断然丁寧な表現です。

誰かに何かを依頼する場合だけではなく、断る場合にも控えめな表現は活用できます。たとえば、誰かから食べ物をすすめられたものの嫌いだった場合には、 "I don’t like this." ではなく "I don’t really like this." のように "not really" を付け加えるだけで、表現を和らげることができますよ。

 

丁寧な英語表現ルール4. よりフォーマルな単語を選ぶ

上述した "want" を "would like" に置き換えるという方法にも通じますが、単語をよりフォーマルなものに置き換えても丁寧な表現を作ることができます。

例えば、ビジネスの場で相手に感謝を伝えたい場合には、 "Thank you." ではなく "I really appreciate it." のように "appreciate" という少しフォーマルな単語を使うと、より丁寧な感じが出るでしょう。

逆に、謝罪をしたい場合には "I’m sorry." ではなく "apologise" という単語を使って、 "We apologise for the inconvenience." などとしたほうが丁寧になります。

 

丁寧な英語表現ルール5. ちょっとしたフレーズを付け足す

"would" も "could" も使わずに、ちょっとしたフレーズを付け加えて丁寧な表現を作ることもできます。

例えば、友達に「みんなで映画を見に行くんだけど、一緒に行かない?」と誘われたけれど、そんな気分にはなれなくて断る場合。相手を思いやってやわらかく断りたいときには、こんなふうに言うことができます。

"if you don’t mind" は「もしあなたが嫌だと思わなければ(=もしよろしければ)」といった意味で、相手にとって嬉しくないことを言う場合などに使われ、表現を和らげて丁寧さを出してくれます。 "if it’s OK with you" も同じように「もしあなたが良ければ」 という、相手を思い遣るフレーズとして付け足すことが可能です。

また、何よりも忘れてはいけないのが "Thank you" "please" 、そして "Excuse me" というフレーズです。

英語では相手が誰であっても、自分のために何かをしてもらったら必ず "Thank you" と口にします。カフェで飲み物を運んできてくれた店員さんにも "Thank you" と言うのが当たり前なのです。

"Could you 〜?" などの表現を使って何かをお願いしたい時にも "please" を付け足すと、さらに丁寧な表現になりますよ。

他にも、海外旅行の機内で "Would you like some green tea?" と聞かれたときなどには "Yes" だけではなく "Yes, please." と言うように心がけましょう。

さらに、他人にいきなり話しかける際には "Excuse me" と声をかけることで、相手へのリスペクトを表せます。通りすがりの人に時間を聞きたい場合にも "Do you have the time?" ではなく "Excuse me, do you have the time?" と言えば、だんぜん丁寧に響きますよ。

 

丁寧な英語表現ルール6. 相手の名前を最後につける

友達が自分のために何かをしてくれたときに "Thank you." と言うのは当たり前ですよね。そこで、相手の名前を最後に付けて "Thank you, John." のように言うと、より丁寧な印象を与えることができます。

同じように "How are you?" と相手に聞く時にも "How are you, John?" と言ったり、相手に話をふる場合にも "How about you, John?" と言ったり、幅広く活用できるでしょう。

私たち日本人は相手と話す時にわざわざ名前をつけたりはしないので、慣れないと口から出てきにくい表現ですが、ネイティブが日常的に使うナチュラルな表現なのです。

 

さいごに

今回は様々なパターンの丁寧な英語表現を紹介しました。今すぐ使えるものから、徐々に慣れていく必要があるフレーズまでありましたね。

なお、これらの丁寧な英語表現を使う際には一つだけ注意点があります。それは「いつでも誰にでも丁寧な表現ばかりを使えばいいわけではない」ということです。

たとえば、親しい相手にちょっとしたことを頼みたいときに "Could you possibly 〜?" などと丁寧すぎる表現ばかりを使っていると、相手はよそよそしさを感じてしまうでしょう。相手との関係性にあわせて、表現を使い分けることが大切です。

といっても、どんな場合にどれくらいの丁寧な表現を使えばいいのかは一概に言えません。実際に英語でやり取りするなかで感覚を学んでいくことが最善の近道ですので、ぜひ今回紹介した表現を早速使って試してみてくださいね。