ジョブズはこれで聴衆の心を掴んだ! 英語プレゼンで心掛けたい3つのポイント

こんにちは。
臼井良介と言います。

私は普段、自身が運営するプレゼン教室で、「どうすれば素晴らしい英語プレゼンができるのか」を教えています。

そしていつも私が、英語プレゼンのお手本としてご紹介しているのが、スティーブジョブズ

今日は、スティーブジョブズのプレゼンを分析して見つけた、「英語プレゼンで聴衆の心を掴むための3つのポイント」をお伝えしたいと思います。

TOP Photo: Dusit / Shutterstock.com

 

バカになれ

1つ目は「バカになれ」です。

「え?バカになっちゃダメでしょ!」

いえいえ、これは、知能を低下させるという意味ではなくて、「頭の良すぎるプレゼンは止めましょう」という意味です。

日本人は真面目です。

それゆえ、「ちゃんとプレゼンしなくては!」と思って真剣に作っているうちに、難しい言葉、難しい表現がどんどん増えて、その結果、分かりづらいプレゼンになってしまうことが多々あります。

ジョブズは、決して難しい表現は使いません。
子どもが聞いてもわかるような、簡単な表現を使います。

大学の教授が難しい話をしているのに比べたら、ジョブズのプレゼンは、あまりスマートには聞こえないでしょう。

でも、それで良いんです。

プレゼンの目的は、「相手にきちんと伝わって、こちらが意図するような行動を取ってもらうこと」なのですから。

そのためには、頭が良く聞こえるかどうかは、正直どうでも良いんです。

「この商品、すごく良い!欲しい!」と思ってもらえたら大成功!

 

簡単だからこそ伝わる!

私の友達が英語プレゼンの大会で優勝したときに言っていました。

「自分、簡単な英語しか話せないんで・・・」

それで良いんです。簡単な英語だからこそ、聞いている側にシンプルに伝わり、理解、共感してもらえるんです。

ジョブズは、ビジネス英語で使うべきとされる  "would like to" を使わず、"want to" やその省略形である "wanna「ワナ」" を普通に使っていますし、"going to" の省略形の "gonna「ゴナ」" も普通に使っています。

また "you know""cool" もよく使います。

まるで友達に喋っているように、気さくに話しかけているんです。
だから、伝わりやすく、理解しやすいのです。

 

「中学英語」になってるかセルフチェック

では、自分で英語プレゼンを作るときには、どのようにセルフチェックすれば良いのでしょうか?

そんなときは、自分に以下のように問いかけてください。

「これは、中学英語で使うような表現だろうか?」と。

プレゼンをする上で、避けては通れない専門用語などがあれば別ですが、そういうものがない限りは、出来るだけ中学英語で使うような単語、熟語、構文を使って表現しようと心がけることで、一気に分かりやすい英語になります。

例えば、「予想する」なら、わざわざ "anticipate" なんていう難しい単語を使わなくても、"expect" で十分です。

また「長い文章は、短い2つの文章に変えれば良い」のです。

ジョブズのiPhone発表時のプレゼンに、初代MAC(マック)に関して以下の一説がありました。

It didn't just change Apple.It changed the whole computer industry.
(それはただアップルを変えただけじゃない。コンピューター業界全体を変えたんだ)

この文章を、以下のように言うことも出来ます。

It changed not only Apple but also the whole computer industry.

でも、これだと1文が長くなりますし、"not only A but also B" を使い慣れていない人にとっては難しくなるでしょう。

ジョブズのように、2つの文に分ければ良いのです。

そうすることで、2つ目の文を強調することも出来ますし、1つ目と2つ目の文の間に「間」を置くことも出来ます。

 

見た目が全て

パワーポイントを使ったプレゼンは、「パッと見て分かるかどうか」がとても重要です。

プレゼンだとあまりピンと来ないかもしれませんが、例えば、TVが分かりやすい例です。

私は以前、路上で道行く人々の感動話を聞いて集める「感動コレクター」として、テレビ朝日をはじめ、TVに複数回出演しました。

ただ、出演の話はもらったけれど、結局出られなかったものもありました。

それが、スタードラフト会議です。

スタードラフト会議の担当者の方からは、こう言われました。

「高校の先生(当時)なのに路上で感動話を集めているというギャップは良いけど、もう一つ、何か欲しい」

求められているのは、TV的に、分かりやすいものでした。

私は別に見た目に特徴があるわけでもなく、すごく背が高いとか、凄く太っているとか、イケメンというわけでもなく(笑)、何か目を引くような特技も無いので、出演することが出来ませんでした。

マツコ・デラックスさんが売れている理由の一つは、TV画面をパッと見て分かりやすいからです。

ルックスや、独特のオネエ言葉。
インパクトは十分ですよね!(笑)

 

とにかく「分かりやすさ」にこだわる

以上のことは、プレゼンでも同じ。

喋っている言葉でどれだけ良いことを言っていても、それだけでは伝わらない場合が多いです。

しかし、スクリーンにどーん!と、大きな画像で映し出せば、一目瞭然。

実際にどうすれば良いかというと、画像なら、出来れば1スライドに1枚だけ、大きく表示します。もし「比較したい」などの理由で増やしたい場合でも、多くて2枚まで。

また、グラフを使うときは出来るだけ簡略化し、パッと見て分かるようにします。

さらに、文字は少なければ少ないほど理想的です。

究極的には、iPhoneのプレゼンでジョブズが「iPhoneのOSは、Mac OS Ⅹ(10)を使っている」ということを説明した際にスライドに大きく表示された「Ⅹ」のように、「1文字」だけ、というのが理想です。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=vN4U5FqrOdQ&feature=youtu.be&t=9m11s

でも、さすがに「1文字」だけというのは難しいですよね(笑)

仮に文字数を増やすとしても、出来るだけ少なくしないと、聴衆は「スライドを読んでいるだけ」になってしまいます。

具体的には、文字数はアルファベットで40文字以内が理想。
ジョブズは大体そのくらいに抑えています。

iPhoneのプレゼンだと、初代MAC(マック)の画像スライドでは、「1984」(4文字)のみ。

iPodの画像だと
「Widescreen iPod with touch controls」(31文字)。
訳:(タッチコントロール式の画面の広いiPod)

ユーザーインターフェイスのスライドでは、
「Revolutionary UI」「Interplay of hardware and software」(合計44文字)。
訳:(革新的なユーザーインターフェイス(UI)と、ハードウェアとソフトウェアの相互作用)

最後の文は長めですが、長くても大体このくらいまでに抑えられています。

 

コピーは「覚えて貰ってナンボ」

また、ジョブズが作ったアップル製品の(キャッチ)コピーもそうです。

<iPhoneのコピー>
Apple is going to reinvent the phone(30文字)
(アップルが電話を再発明する)

<iPodのコピー>
1000 Songs in Your Pocket(21文字)
(ポケットに1000曲を)

<iPadのコピー>
The whole web in the palm of your hand(30文字)
(手のひらに全てのウェブサイトを)

全て40文字以内ですね。

コピーは、「覚えて貰ってナンボ」ですから、短さはとても重要です。

以上のように、プレゼンではパッと見て分かるように、「画像」「グラフ」「少ない文字数」で伝えましょう。

 

サプライズ

ジョブズはサプライズが得意です。

例えば、「革新的な製品を3つ紹介しよう」と言っておいて、それぞれ紹介した後に、「これらは、異なる3つの装置じゃないんだ。これは1つなんだ」と言ってそれら全ての機能が詰まったiPhoneを紹介したプレゼン。

こちらがその時の動画です。

他にも、新しい薄型ノートパソコンであるMacBook Airがどれだけ薄いかを実感させるために、

「とても薄いので、オフィスのその辺にある封筒にさえ入ってしまう。では、ここでそれを皆さんにお見せしよう」と言って、演題の上にこっそり置いてあった封筒からMacBook Airを取り出して紹介したプレゼン。

こんなサプライズが出来たら、素敵ですよね?

 

「見せ方」でサプライズは演出できる

「でも、私は別に世紀の大発明や新発見をした訳でも無いし・・・」

大丈夫です。サプライズは敷居が高いと思われがちですが、そこに「驚き」があれば良いので、別に大発明や新発見をする必要は無いんです。

つまり、「見せ方」でサプライズを演出できる、ということです。

そもそも、ジョブズだって、iPhoneがいかに優れていたとは言え、普通に紹介していたら、あそこまでの感動と世界的な大流行は無かったかもしれません。

例えば、「これから新しい電話を紹介するよ。iPhoneって言うんだけど、それには、こんな機能がついていて・・・」なんていう風に紹介していたら、きっとあんな感動は無かったことでしょう。

 

「言い方」と「見せ方」で印象はガラリと変わる

私はセミナーコンテストというコンテストのスタッフを8年間やっていて、200人以上のセミナーを見てきました。

ある年のグランプリで、歯科衛生士の女性のセミナーを見ていたら、ノウハウの部分で、「歯を守る3つのポイント」として、まず1つ目に次の項目がスライドに映し出されました。

 
 

 
 

観客一同が、「えーー!?」と、一気にざわつきました。

そして、お客さん全員の気持ちをギュッと掴んだその女性は、見事、優勝しました。

実は、「歯は磨かない」にはカラクリがあって、「歯磨き粉をつけて磨かない」という意味だったのです。

ですからこれは、「歯磨き粉をつけずに磨く」、とも言い換えられます。

でも、「歯磨き粉をつけずに磨く」と書いても、そこに驚きはありません。
「歯は磨かない」と書いたからこそ、あの感動が生まれたのです。

「同じこと」でも、「言い方」「見せ方」で、こんなにも印象が変わるのだ!と、教えられた一件でした。

彼女のように、工夫次第で、「驚きの瞬間」は作り出せるのです。

 

おわりに

今回は、スティーブジョブズの英語プレゼンで聴衆の心を掴む3つのポイントとして、

「バカになれ」
「見た目が全て」
「サプライズ」

をお伝えしました。

素晴らしい英語プレゼンを通して、仕事が上手くいくことを祈っています。