西東 たまき
(更新)
英文を読み慣れていても、経済や政治などの硬い話題だとなかなか慣れるまでは苦労する人は多いかもしれません。
例えば小説で使われる語彙と、経済に関する話題で使われる語彙は表現が異なるので、よく理解できるようになるには慣れが必要です。
そこで今回は、経済の話題で知っておきたい英語表現についての特集です。
経済の話題では「上がる/高まる/増える」「下がる/減る」といった表現が非常に目立ちます。「景気が~」、「レートが~」、「需要が~」、「物価が~」など、ちょっと考えるだけでもいろいろと浮かぶほど。
当記事では、話題の方向性を決めるこれらのキーワードが、英語だとどんな表現になるのかを中心にお伝えします。
後半では、使い慣れた英単語が経済の文脈では別の意味になる例についても挙げますので、あわせてご覧ください!
「上がる/高まる/増える」「下がる/減る」の英語表現には、慣れ親しんでいる increase/decrease や go up/go down などはもちろんのこと、言葉を変えてさまざまなものがあります。
まずは上昇方向に関する言葉から見てみましょう。
スパイクシューズの「スパイク」と同じです。急な上昇/増加を意味します。鋭く尖っている様子から連想して覚えられますね。
「天然ガス価格が上昇しました」
「舞い上がる、そびえる=高まる」といったイメージの言葉です。
「インフレーションが上昇している」
徒歩での旅行を意味する「ハイキング」と同じ単語ですが、「上げる、引き上げる」の意味もあります。
「銀行は金利を上げるとみられる」
こちらもまた「上げる、引き上げる」です。読み方も使い方も紛らわしい英単語 rise「上がる」との違いに注意してください。
「中央銀行はすでに金利を上げ始めた」
日本語では「打ち上げ花火」と訳される名詞であると同時に、ing形は skyrocketing、過去形は skyrocketed となる、れっきとした動詞でもあります。ロケットのような急上昇をイメージしてください。
「食料品価格が急上昇している」
「どっと押し寄せる、急増する」です。
「エネルギーの需要が急増している」
次は、対になる下向き傾向の言葉を見ていきます。
plummet とは「おもり」のことです。「u」の部分は「ウ」ではなく「ア」のように発音するので注意しましょう。
動詞として使うと「急落する」という意味になります。おもりのせいで真っ逆さまに落ちるイメージです。
「価格急落の可能性がある」
これも、下方に向かって「勢いよく突っ込む、飛び込む、突入する」を表す言葉です。
「価格は急落し続けている」
よく「倒れる、落ちる」と和訳されますが、「下がる、減る」という意味でもあります。
「昨年に比べ10%以上低下している」
これも「崩れる、倒れる、落ちる」を意味します。
「価格はまもなく下落する見通しだ」
「しずく(drop)」のように落下するイメージで覚えると良いでしょう。
「それは、ほぼ20%の落下となる」
下方に向かっていく状況を表します。「減少、減退、低下」といった表現に当たります。
「減少する人口」
よく知っている英単語でも、経済に関する場面では別の意味になるものがあります。
知っておかないと話がチグハグになってしまうので、覚えておきましょう。どれも経済分野の基本用語ばかりです。
最初は「首都」という意味で覚えたと思います。でも、経済の文脈では「元手、資本金」の意味になります。
「それには巨額の資本金が必要だ」
「興味」を意味する単語ですが、「利子、利息」という意味もあります。
「利息はいくら払ったの?」
「戻る」という意味から、経済用語では「還付、収益」を表します。
「どのくらいの収益を見込んでいるの?」
「感謝、称賛」を意味する単語ですね。でも、経済に関する話では「上昇」の意味で使われます。
「住宅の平均的な上昇率は非常に高い」
「固い」という意味の形容詞ですが、名詞として使うと「会社」の意味になります。
「地元企業と一緒に仕事をしています」
また、経済分野では firm を使って、価格に柔軟性がないことを示すことも可能です。
「500ドルでお売りしましょう。ただ、価格はこちら以外受け付けません」
「姿、形」を意味する単語ですが、文脈次第で「数字、価格」といった意味になります。
「数はもっと増え続けるだろう」
動詞「測定する」、名詞「尺度」など計測関連の意味の一方で、「措置、手段」という意味も持っています。
「予防措置が取られている」
硬い表現がたくさん出てくる、経済に関する英語表現に慣れるためには、分からない言葉を片っ端から調べていくのが結局の近道です。
知識の土台がある程度できてくると派生語を認識できたり、応用表現が理解できるようになってラクになりますよ。
また、英語のニュースを見てみると、記事のタイトル付けが独特のルールに則っていることにも気付くかもしれませんね。
本文に取り組むまでもなくタイトルだけでもいろいろな学びがあるので、まずは英語ニュースのタイトルを理解することを目標にしてみてはいかがでしょう。