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チャールズ・ディケンズって誰?読んでおきたい名作と彼が残した名言

チャールズ・ディケンズって誰?読んでおきたい名作と彼が残した名言

チャールズ・ディケンズという名をご存じですか? 

『オリバー・ツイスト』や『クリスマス・キャロル』などの作品を残したイギリスの作家です。これらの作品を映画や舞台などで鑑賞したことがあるという人も多いでしょう。

今回は、19世紀を生きたイギリスの文豪 チャールズ・ディケンズについてご案内していきます!

チャールズ・ディケンズとは?

デスクに座って考えるチャールズディケンズ

チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)は、1812年2月7日にイギリスの南岸にあるハンプシャー州に生まれ、1870年6月9日に58歳で亡くなっています。

8人兄弟の2番目として生まれたディケンズの家は貧しく、お金に苦労する幼少期を過ごしました。父の借金のため12歳で学校をやめ、家計を助けるため靴墨の工場で働き始めますが、この頃の経験は労働者階級を描くディケンズに大きな影響を残しました。

仕事のかたわら速記を学んで裁判所の速記記者になり、その後、新聞の政治記者に転向します。1833年、月刊誌に投稿した初の短編小説『A Dinner at Poplar Walk』が世に出ました。

当時は Boz(ボズ)というペンネームで作品を発表しており、1936年には『Sketches by Boz(ボズのスケッチ集)』という短編集も発行されます。そして同年、自身が勤務していた新聞社の記者の娘と結婚し、22年後に離婚するまでに10人の子をもうけています。離婚のきっかけは、ディケンズの末娘と同じ年齢の女優との関係とも。

1858年以降、有料の朗読会(public reading)で朗読を披露することにも熱中し、イギリス国内さらにアイルランド、アメリカなど各地をツアーしながら晩年まで400回に至るほどのパフォーマンスを行いました。

小説家は最後、脳卒中で亡くなります。子供時代を過ごしたケント州チャタムに近いロチェスター大聖堂(Rochester Cathedral)に静かに埋葬されることを望みましたが、その願いに反し、ロンドンにあるウェストミンスター寺院の「詩人の敷地/Poets' Corner」に埋葬されています。

その墓石には次の一文が。

He was a sympathiser to the poor, the suffering, and the oppressed; and by his death, one of England's greatest writers is lost to the world.

「故人は貧しいもの、苦しむもの、虐げられたものに心を寄せる人であった。彼の死によって世界はイングランドの最も偉大な作家の一人を失った」

「ディケンズの小説で描かれているような」貧しさにあえぐ状況にあることを指す形容詞  Dickensian なる言葉までできていますよ。

また、1992年から2003年まで流通したイギリスの10ポンド紙幣は表面がエリザベス女王で裏面がディケンズの肖像になっています。

ディケンズの代表小説

ディケンズの作品でよく知られているものをいくつか挙げてみましょう。

イギリスのBBCが2003年に実施したイギリスで愛される小説のランキング調査『The Big Read』では、トップ100の中に『大いなる遺産』(17位)、『デイヴィッド・コパフィールド』(34位)、『クリスマス・キャロル』(47位)はじめ、ディケンズの作品は5つも入ったほど、21世紀もなお高い人気を誇ります。映画・ドラマ、舞台化されている作品も複数ありますよ。

複数年にまたがっている作品は、週刊誌・月刊誌で連載されていたものです。

オリバー・ツイスト(Oliver Twist)1837年~1839年 

ディケンズの第2作目。この小説をもとにしたミュージカル『オリバー!/Oliver!』は何度も舞台化されています。また、2021年のイギリス映画『スティーラーズ/Twist』はこの小説を現代に置き換えたストーリーです。

クリスマス・キャロル(A Christmas Carol)1843年 

強欲な主人公・スクルージ(Scrooge)は「守銭奴(しゅせんど)」の代名詞ともなっていますよ。

デイヴィッド・コパフィールド(David Copperfield)1849年~1850年 

ディケンズの自伝的要素が含まれた小説。世界的マジシャン、デビッド・カッパーフィールドはこの小説からの命名です。

二都物語(A Tale of Two Cities)1859年 

フランス革命前後のロンドンとパリを舞台にした長編歴史小説。前述の『The Big Read』では63位にランクイン。

大いなる遺産(Great Expectations)1860年~1861年 

ディケンズの小説の中で一番の人気作。孤児を主人公としたこの小説もまた『デイヴィッド・コパフィールド』とともに半自伝的なストーリーとなっています。

ディケンズが残したフレーズ

ディケンズが残したフレーズもいくつかご紹介しましょう。

『二都物語/A Tale of Two Cities』の書き出しは、この表現から始まります。

It was the best of times, it was the worst of times.

「最良のときであり、最悪のときでもあった」

ディケンズの3作目の長編小説『ニコラス・ニクルビー(Nicholas Nickleby)』から。

The pain of parting is nothing to the joy of meeting again.

「再会の喜びに比べれば、別れの辛さなど何てことはない」

最後に『大いなる遺産/Great Expectations』から3点を。

We need never be ashamed of our tears.

「涙を恥じる必要はない」

Ask no questions and you’ll be told no lies.

「質問をしないでもらえれば、私も嘘をつかずに済む」

Trifles make the sum of life.

「些細なことが人生を形づくるのだ」

まとめ

さて、今回はイギリスの文豪 チャールズ・ディケンズについてご紹介しました。

生誕200年を過ぎて今なお人気のあるディケンズは、小説のみならず映画、ドラマ、ミュージカルなどさまざまな形態で作品を楽しむことができます。

また、ディケンズの作品はオンラインでも公開されており、ほとんどの作品を無料で読むこともできますよ。気軽に覗いてみては?