metaphorって何?英語ネイティブがよく使うメタファー(比喩表現)まとめ
「恋は盲目である」
「バケツをひっくり返したような雨」
みなさんはこのような表現を聞いたり、実際に使ったりしたことがあると思います。これらの表現を「比喩」と言い、中学で習ったのを覚えている方も多いでしょう。
「比喩」とは「ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること」を意味し、特に代表的なものに「直喩」と「隠喩」があります。
英語にも比喩表現はあり、「直喩」と「隠喩」があるのも日本語と同じです。
この記事では英語の直喩と隠喩について、そしてネイティブスピーカーがよく使う英語の比喩表現を紹介したいと思います。
直喩
直喩は「のような・のように」や「まるで」という言葉を使ってある事柄を例える言い方です。「彼女の笑顔はまるで天使のようだ」がこれに当てはまります。
直喩は英語で「simile」と言います。読み方は「スィミリ」という発音に近いです。
to eat like a pig は「豚のように食べる」と訳せ、この like が「〜のように」という直喩の部分になります。豚の食べ方は綺麗な食べ方とは言えませんよね。豚のような汚い食べ方、またはがっついて食べることを言うときにこの比喩表現が使われます。
flat as a pancake は「パンケーキのように薄っぺらな」と訳せ、この as が
「のように」という直喩の部分に当たります。パンケーキは薄っぺらいので、何か薄っぺらいものを例えるときにこの比喩表現が使われます。
隠喩
これに対し、隠喩は「のような・のように」「まるで」のような形容表現を使いません。「のような」などの言葉を用いず、そのものの特徴を直接他のもので表現します。「〜は…だ」のように言い切る表現をすることも多いです。
例えば「ガラスの心」という隠喩では、割れやすいガラスを繊細な心に例えた表現です。直喩ではないので「のように」という言葉は使われていませんが、「ガラスのように壊れやすい心」という意味になります。
このように、隠喩は本来結びつかないもの(ここでは「ガラス」と「心」)を、「〜のような」という形容表現を用いず表現する方法です。隠喩は「暗に」を示すので「暗喩(あんゆ)」とも呼ばれます。隠喩は英語だと metaphor と言い、読み方は「メタファー」という発音に近いです。
今回はこのメタファーに重点をおいて、英語のネイティブがよく使うメタファーを紹介していきたいと思います。
ネイティブがよく使うメタファー
数多くあるメタファーのなかで、今回は「日常で使うもの」「感情を表すもの」「行動を表すもの」「背景を表すもの」「子供に対して使えるもの」に分けて紹介していきます。
日常で使うメタファー
Life is a journey.「人生は旅である」
journey は比較的長い旅のことを言い、人生を長い旅にたとえた言い方です。
Eyes are the windows to the soul.「目は心の窓である」
「目は心の鏡」とも言います。これは目を見ればその人の心がわかるという例えです。
the icing on the cake「さらなる楽しみ・花を添えるもの」
みなさんは海外のカラフルにデコレーションされたケーキを見たことがありますか? あのカラフルなクリームのことをアイシングと言うのですが、ケーキの上のアイシングはケーキをさらに美味しいものにすることからこの例えができました。
music to someone’s ears「人にとって耳に心地よい・人にとって嬉しい」
誰かの言葉や話が音楽のように心地よいもの=嬉しいものだという例えです。
a night owl「夜更かしする人・夜型の人」
夜型の人を夜行性の owl「フクロウ」に例えた言い方です。
感情を表すメタファー
a heart of gold「優しい心」
優しい心を a heart of gold「黄金の心」に例えた言い方です。
a rollercoaster of emotions「感情の起伏が激しいこと」
感情の浮き沈みが激しいことをジェットコースターがアップダウンする状態にたとえています。
to drown in one’s tears「涙に暮れる」
drown は「溺死する」という意味で、泣きすぎて涙で溺れ死にするくらいだという例えです。
Your words cut deeper than a knife.「あなたの言葉はナイフよりも深く切りつけた」
通常ナイフで怪我をしたら結構傷つくものですが、人の言葉で傷つけられると、それはナイフで切られるより深い傷を負うという例えです。
Love is a battlefield.「愛は戦場である」
誰かを好きになったり、誰かと恋愛関係にあると、傷ついたり、傷つけたり、喧嘩したり、とにかく恋愛は戦場のように命がけだという例えです。
行動を表すメタファー
to fish for a compliment「褒めてもらうよう仕向ける」
to fish for… は「…を釣る」という意味で、魚釣りなどでよく使う言い方です。ここでは「褒め言葉を釣る」と魚釣りに例えており、「褒めてもらうよう仕向ける」「褒めて欲しいとほのめかす」という意味で使われます。
to beat a dead horse「済んだ問題を議論する・無駄骨を折る」
死んだ馬をむち打っても意味がないことから、無駄骨を折ることをこのように例えて言います。
to get cold feet「逃げ腰になる・おじけづく」
ギャンブル癖のある人がギャンブルのせいで財産を失い、靴を買うお金もなくなり cold feet「冷たい足」になってギャンブルをやめたいと願うようになったのが語源とも言われ、足が冷えることを怖気付くことに例えた言い方です。
herding cats「無理なこと・不可能なこと」
herding cats は「猫の群れ」という意味で、たくさんの猫を1カ所に集めるのはとても難しいことですよね。このように、コントロール不可能な何かをコントロールしようとする無駄な試みの例えです。
背景を表すメタファー
the cold air pierces the skin「冷たい空気が肌を突き刺す」
冷たい空気を針か何か尖ったものに例えた言い方です。ここでは肌を突き刺すと言っています。
the curtain of night「夜のとばり」
カーテンを閉めると部屋が暗くなることを、夜に例えた言い方です。
the stars are sparkling diamonds「星は輝くダイヤモンドだ」
キラキラした星を輝くダイヤモンドに例えた言い方です。
子供に使えるメタファー
a circus「馬鹿騒ぎ・大混乱」
サーカスのように騒がしいものや、馬鹿騒ぎ、または大混乱の状態を言います。
two peas in a pod「うりふたつ・そっくり」
1つのサヤの中の豆は、そっくりで違いがわからないことから、うりふたつの人をこのように例えます。
a walking dictionary「生き字引」
物知りな人を辞書に例えた言い方です。直訳すると「歩く辞書」となり、日本語の「生き字引」より想像しやすいですね。a walking encyclopedia「歩く百科事典」とも言います。
couch potato「ソファーに座ってばかりいる怠け者」
ソファーの上のジャガイモは何もしないし動かないですよね。ソファーに座ってゴロゴロしている人やソファーに寝転がってテレビを見てばかりの人をソファーのジャガイモに例えた言い方です。
メタファーで表現の幅を広げよう
今回は英語ネイティブがよく使うメタファーを紹介しましたが、いかがでしたか?
この記事では simile と metaphor の違い、そして metaphor を「日常で使うもの」「感情を表すもの」「行動を表すもの」「背景を表すもの」「子供に対して使えるもの」に分けて紹介しました。
どれも英語ネイティブがよく使うものばかりです。
しっかり覚えて、日常会話の中にこれらの比喩表現をどんどん取り入れてみましょう!