Hiroe H
(更新)
英語の「副詞」と聞いて、最初に何が思い浮かびますか?
「動詞を修飾するもの」と覚えている人が多いのではないでしょうか。
では、「副詞はどこにつけるの?」と副詞の位置を聞かれたら、みなさんは何と答えますか?
今日は英語の副詞に焦点を置き、副詞の役割はどういうものか、また副詞は文中のどこに位置するかを種類別に徹底解説していきたいと思います!
冒頭で「副詞は動詞を修飾する」と述べましたが、正確には動詞の他にも形容詞、副詞、名詞、句、節、または文全体を修飾することができます。
「副詞が副詞を修飾できるの?」と驚かれた人がいるかもしれませんね。
「修飾語」がイマイチわからないという人のため、修飾語のおさらいから始めましょう。
小学校の国語の授業でも習った修飾語は、「いつ」「どこで」「何を」「どのように」と文中で他の部分を詳しく説明します。
「飾りことば」という言い方を聞いたことがあるかもしれませんが、修飾語は文をより豊かに表現するための言葉です。
ですから、文中での副詞の役割は動詞、形容詞、副詞、名詞、句、節、または文全体を飾ってあげる言葉と覚えると良いでしょう。
実際に副詞がこれらの品詞を修飾している例文を見てみましょう。
「彼はすぐに戻ってくるでしょう」
→副詞の soon は動詞の come back を修飾しています。
「私の姉はとても綺麗です」
→副詞の really は形容詞の pretty を修飾しています。
「私の夫はドイツ語をとても流暢に話します」
→副詞の fluently は動詞の speaks を、副詞の very は副詞の fluently を修飾しています。
「ただの風邪です」
→副詞の only は名詞の cold を修飾しています。
「あなたはちょうど良いときに来た」
→副詞の just は句 at the right time を修飾しています。
「あなたの気持ちがよくわかるよ」
→副詞の exactly は節 how you feel を修飾しています。
「幸運にも、土砂降りになる前に帰宅した」
→副詞の luckily は文全体 I came home before it started pouring. を修飾しています。
副詞はその意味や働きによって、大きく5つに分けることができます。
文中での副詞の位置はこの働きや意味によって異なりますが、大まかなルールがあるので覚えておくと良いでしょう。
様態を表す副詞は、動作がどのように行われるか、またはどのような状態であるかを表します。
様態を表す副詞は通常動詞の後ろに置き、目的語がある場合は【動詞+目的語+副詞】という順序になります。
様態を表す副詞には、well、hard、fast、slowly、carefully、clearly、beautifully、quietly などがあります。
「彼はあなたのことをよく知っているようだったよ」
→動詞 know の後ろに目的語 you があるので、副詞は you の後ろに置きます。
「祖母は美しく着飾るのが好きです」
→動詞 dress の後ろに目的語はないので、副詞 の beautifully は動詞のすぐ後ろに置きます。
「彼女は静かに部屋を去った」
→動詞 left の後ろに room という目的語があるので、副詞の quietly はその後ろに置きます。
場所を表す副詞は、動作の行われる位置、方向、距離を表します。場所を表す副詞は動詞の後ろに置きます。
場所を表す副詞には、(位置)here、there、in Tokyo など、(方向)away、upstairs、to Tokyo など、(距離)far、for 10 kilometers などがあります。
「私の兄はパリに住んでいる」
→副詞の in Paris は位置を表しています。
「私と一緒に2階についてきてください」
→副詞の upstairs は方向を表しています。
「家に携帯を忘れたと気がついたとき、彼女はまだ遠くまで行っていなかった」
→副詞の far は距離を表しています。
「ここにあなたの注文した本がありますよ」
→場所を表す副詞は通常動詞の後ろにきますが、here や there は文頭にくることもあります。
時を表す副詞は、①「時点・期間」と②「時間的関係」の2つを表し、文中での副詞の位置も少し複雑です。
時を表す副詞には、(時点)now、today、tonight、yesterdayなど、(期間)for three days、since last monthなど、(時間的関係)already、just、later、soon などがあります。
時点・期間を表す副詞は「いつ」「どのくらいの間」を示します。
「私たちは明日夕食を食べに行きます」
→時を表す副詞(時点)tomorrow は「いつ」夕食を食べに行くかを示しています。
「私は2時間並んで待った」
→時を表す副詞(期間)for two hours は「どのくらいの間」並んで待ったかを示しています。
時間的関係を表す副詞は、他の時点との関係を示します。
「私が駅に着いたときには電車はすでに出ていた」
→時を表す副詞(時間的関係)already は、ほかの時点との関係(私が駅に着いたとき)を示しています。
また文中に助動詞がある場合、副詞は通常、助動詞と本動詞の間に位置するので、ここでは助動詞 have と本動詞 left の間に置きます。
「先週の金曜にケイトと映画を見に行ったけど、それ以来彼女を見ていない」
→時を表す副詞(時間的関係)since や yet は通常文尾に置きます。
ここでは、時を表す副詞(時間的関係)since は、ほかの時点との関係(先週の金曜)を示しています。
頻度を表す副詞は、ある動作がどのくらいの頻度で行われるかを表し、①「一定の頻度」と②「不定の頻度」の2つに分けられます。
頻度を表す副詞も、時を表す副詞と同じく文中での副詞の位置が少し複雑です。
頻度を表す副詞には、(一定の頻度)hourly、weekly、once a week、twice a year など、(不定の頻度)always、usually、often、occasionally、seldom などがあります。
一定の頻度を表す副詞は、回数や「〜ごとに」というように具体的な回数を表し、通常文尾に置かれます。
「私たちは毎日機械を点検しなければいけない」
→頻度を表す副詞(一定の頻度)daily は文尾に置きます。「毎日」と具体的な回数を表しています。
「私は週に1回、祖母に会いに行きます」
→頻度を表す副詞(一定の頻度)once a week は文尾に置きます。「週に1度」と具体的な回数を表しています。
不定の頻度を表す副詞は、漠然とした頻度を表し、通常動詞の前に置かれます。
「私は通常7時に起きます」
→頻度を表す副詞(不定の頻度)usually は動詞 get up の前に置きます。たいてい7時に起きますが、具体的な回数は不明です。
「彼はいつも学校に遅刻する」
→頻度を表す副詞(不定の頻度)always は動詞 is の後ろに置きます。よく学校に遅刻しますが、具体的な回数は不明です。文中にbe動詞がある場合、副詞の always は be動詞の後ろに位置しますので気をつけましょう。
「私の仕事はときに危険である」
「私の仕事はときに危険である」
「私の仕事はときに危険である」
→頻度を表す副詞(不定の頻度)sometimes は文頭、文中、文尾に置くことができます。私の仕事はときに危険ですが、具体的にどのくらいの頻度で危険かは不明です。
程度を表す副詞は動作の程度を表し、動詞だけでなく、形容詞、副詞、数詞なども修飾します。
程度を表す副詞は通常一般動詞の前、be動詞の後ろに置かれます。
程度を表す副詞には、completely、greatly、enough、slightly、hardly などがあります。
「昨日があなたの誕生日だったことを完全に忘れていたわ!」
→程度を表す副詞 completely は動詞 forget を修飾し、誕生日を忘れた程度を表します。ここでは completely「完全に」が使われているので、程度が高いことを示しています。
「私の彼はほとんどいつもデートに遅れる」
→程度を表す副詞 almost は副詞の always を修飾し、always の程度を表します。almost は程度が近似していることを示しています。
「このダイヤモンドはとても小さくて、ほとんど見えないわ!」
→程度を表す副詞 hardly は動詞 see を修飾しています。また hardly は程度の弱いことや否定的な意味を表します。
ここでは助動詞 can があるので、助動詞 can と本動詞 see の間に入れてあげます。
今日は副詞の役割や位置について解説しましたが、いかがでしたか?
副詞の役割は文中で動詞、形容詞、副詞、名詞、句、節、または文全体を飾ってあげること、また文中での副詞の位置は、その働きや意味によって異なることを紹介しました。
副詞の各用法は大きく5つに分けることができ、これらの用法によって副詞の位置も異なるため、すべてを一度に覚えるのは難しいかもしれません。
それぞれの用法を何度も繰り返し使うことで、どこに位置すると自然に聞こえるかがわかってきますので、この記事を参考にしながらたくさん練習してみてくださいね!