Hiroe H
(更新)
学生時代にテスト勉強でひたすら英熟語を暗記した人も多いと思いますが、「after all」という英熟語を覚えていますか?
多くの人は after all の意味を「結局」と覚えていることでしょう。実際、中学英熟語一覧をいくつか確認しても、「結局」以外の意味は記載されていませんでした。
中学では「結局」と訳せる after all しか学ばないので、さほど問題にはならなかったと思います。
しかし実は after all には「結局」以外の意味もあるため、「結局」の意味しか覚えていないと正確に英文を理解することができない可能性があります。
今日はそんな after all の意味と使い方を、例文と一緒に紹介していきたいと思います!
after all の意味は大きく2つに分けることができます。
皆さんもよく知っている「結局」という意味と、あまり知られていない「どうせ〜なんだから・なんといっても〜なんだから」という意味です。
みなさんがよく知っている「結局」という意味の after all は通常文尾にきます。
これは何らかの予想に反した結果を表し、「やはり・結局のところ〜だ(だった)」というニュアンスになります。
「結局、彼はいつもの酔っ払いだ」
→彼がお酒を控えたかもしれないという予想に反し、やはり(結局は)酔っ払いだったというニュアンスになります。
「残念だけど、やはりパーティーには行けないよ」
→パーティーに行けるかもしれないという予想に反し、やはり(結局は)行けないことになったというニュアンスです。
「結局、私たちは東京に引っ越さないことにした」
→当初は東京に引っ越そうとしていた予定に反し、やはり(結局は)引っ越さないことにしたというニュアンスです。
「やっぱりこの本好きだわ」
→最初はこの本を好きではないという予想に反し、やはり(結局は)好きだというニュアンスです。
「結局のところ、彼はそんなに悪い奴ではないのかもしれない」
→彼のことを悪い奴だと思っていた最初の予想に反し、やはり(結局は)そんな悪い奴でないというニュアンスです。
「結局、母が正しかった」
→母が間違っているという予想に反し、結局母が正しかったというニュアンスです。
「どうせ〜なんだから・なんといっても〜なんだから」という意味の after all は意外と認知度が低いにもかかわらず、試験などでよく出題されますので、ここでしっかり覚えるようにしてください。
こちらの after all は通常文頭に置かれ、前文で述べたことの理由を after all が導く節で説明します。
「あなたは彼女と付き合えるわけがない。なんといっても、彼女はハリウッド女優なんだから!」
→彼女と付き合えない理由を after all に続く節の中で説明しています。ここでは「彼女がハリウッド女優だから」という理由です。
「私はヘトヘトです。なにしろ15時間ぶっ通しで働いているんだから」
→私が疲れ切っている理由を after all に続く節の中で説明しています。ここでは「15時間ぶっ通しで働いたから」という理由です。
「私は彼女を信頼できない。というのも、彼女は私のことを告げ口したから」
→私が彼女を信頼できない理由を after all に続く節の中で説明しています。ここでは「彼女が告げ口をしたから」という理由です。
「酔っ払うのも無理はない。というのは、あなたはもうワインを3本空にしているんだから」
→あなたが酔っ払っている理由を after all に続く節の中で説明しています。ここでは「ワインを3本も飲んだから」という理由です。
「彼を許してあげなよ。なんといっても、彼はあなたの大親友なんだから」
→彼を許した方がいい理由を after all に続く節の中で説明しています。ここでは「彼があなたの大親友だから」という理由です。
「もちろんあなたも私たちと一緒に行くのよ。なんといっても、あなたがパーティーの盛り上げ役なんだから」
→あなたが私たちと一緒に行く理由を after all に続く節の中で説明しています。ここでは「あなたがパーティーの盛り上げ役だから」という理由です。
after all という熟語は、ほかの多くの熟語と同じように言い換えて表現することができます。
どれも「結局は」と訳せますが、ニュアンスが少しずつ異なりますので、例文を参考に違いをしっかり理解しましょう。
in the end は「結局は・いろいろ考慮してみて」という意味です。
at the end「終わりに」という熟語と混同しないように注意しましょう。
「東京に引っ越したくなかったが、東京にはもっと仕事があるので、結局は(いろいろ考慮してみて)引っ越した」
「結局(いろいろ考慮して)、彼は妻のためにサプライズ誕生日会を開いた」
in the long run は「結局は・長い目で見れば」という意味です。
long run は長い距離を走ることですから、「長い目で見れば・長期的には」という意味になるのがなんとなくわかりますね。
「低い利回りの株に投資したが安全なので、結局は(長い目で見れば)もっとお金を増やせるだろう」
「今、健康に気をつけることは、結局(長い目で見れば)あなたのためになる」
ultimately は「結局のところは・突き詰めていくと・最終的には」という意味です。
ultimately は、何かの過程の結果・結末として「結局のところ」と言うときに使います。
「結局のところ(突き詰めると)、人間はみんな欠点がある」
「結局のところ(最終的に)、あなたの行っている抗議デモは何も変えないだろう」
when it comes down to は「結局のところ・一言でいうと・要するに」という意味です。
これは一般論や、自分はこう思っている、と述べたいときに使う英語表現です。
「結局のところ(一言でいうと)、医療制度と比較的安全なことから、カナダは住むのに良い国です」
「結局は(要するに)お金がすべてではない」
英熟語の「after all」について説明してきましたが、前置詞「after」に「all」を伴った英語表現もあります。
ぱっと見、熟語の「after all」のようで間違いやすいので気をつけてください。
前置詞「after」+「all」は「〜したにもかかわらず・〜したのだから」という意味になります。例文を見てみましょう。
「彼女のためにあれほどしてあげたのに、彼女から感謝の一言もない」
「あんなに一生懸命働いたんだから、あなたは昇進するのにふさわしい」
今日は after all の2つの意味と使い方を紹介しましたが、いかがでしたか?
「結局」という意味で覚えた after all には「どうせ〜なんだから・なんといっても〜なんだから」という意味もあり、驚いた人もいるかもしれません。
after all の言い換え表現も4通り紹介しましたので、いろいろな英語表現を使いこなせるよう、実際の会話でどんどん使って覚えましょう。
また前置詞の after に all を伴った英語表現と混同しやすいので、この2つの違いもしっかり理解し、間違えることがないようにしてくださいね。