西東 たまき
(更新)
「~を除いて」「~は別にして」「~以外」などは、日常でよく使う会話表現の1つですよね。
本記事では、それらの意味を表す「apart from」という英語表現にフォーカスし、例文を交えながら詳しく解説していきます。
また、後半では似た意味の表現「except for」との違いについても確認していきます!
まずは apart という単語の意味を確認しましょう。apart には「離れて」「別々に」「ばらばらに」などの意味があります。
何かと何かの間に距離がある状態を表すのに使う英語です。
「私たち、しばらく離れて暮らしましょう」
「皆さん、2メートルずつ離れてください」
「パンデミックのせいで、家族が1年以上離ればなれです」
また、「離れて、別々に、ばらばらに」といった言葉から伝わるニュアンスにより、「~はさておき」という意味で使うこともできます。
apart という単語1つで「~はさておき」という凝った英語表現が作れてしまうのは嬉しいですね。
「冗談はさておき」
では、今回のテーマ apart from の使い方に入ります。複数の意味がありますので順番に見ていきましょう。
from は「~から」という意味を持つ英語ですね。apart と from、それぞれの意味をそのまま捉えれば、「~から離れて」になります。
前項のように apart だけでも使えるわけですが、何から離れるのかが明確な場合は from を使って説明します。
「子供たちは、親から離れて席に着いた」
「妹と私は7年違いで生まれました」
「~から離れて」のニュアンスから、「~を別にすると」「~を除けば」「~以外は」といった意味になることも理解できるでしょう。
「駅からの距離を別にすれば、これはすばらしい家ですね」
「騒音を除けば、すべて平穏です」
「ちょっと頭が痛い以外は、まったくもって大丈夫です」
そして、3つめの意味は「~だけでなく」「~に加えて」です。
apart from は「~を別にすると」「~を除けば」「~以外は」といった意味のはずなのに、こんな真逆の意味にもなるというのは理解しがたいかもしれません。
まずは例文を見てみましょう。
「このコンディショナー以外に何か頭を洗えるものはありますか?」
「クレジットカード支払いのみです」
「お箸以外のカトラリーはありますか?」
上記のように、日本語に当てはめようとすると文脈によっては「それだけでなく」や「それに加えて」という訳にする方が自然に聞こえますが、意味としては扱いを「別に」しているだけです。
ちゃんと apart 本来が持つニュアンス通りですよ!
apart from のニュアンスと意味が分かったところで、イメージが似ている except for との違いを比べてみましょう。
except は「~を除いて」「~以外は」といった意味を持つ言葉です。これも、日本語訳だと apart との違いが分かりにくいですね。
では、apart は「離す=分ける」イメージ、except は「除く」イメージと考えてみてください。
こう考えれば両者の違いは明らかです。
「豚肉以外は何でも食べられます」
「私の夫以外は誰もそのことを知らないんです」
「盲導犬以外のペットの入店不可」
apart、apart from が持つ意味は一貫して「~から離れて」です。
でも、日本語にして考えようとすると、今回の記事のようにいくつかの異なる表現に当てはめられます。
和訳で覚えようとする限り、それら複数の意味を覚えなければなりませんが、apart や apart from をイメージで理解しておけば、どの意味も根っこが同じであることが分かると思います。
英語学習の際は必ずしも日本語の意味にこだわらず、英語が持つニュアンスやイメージを掴むように心掛けてみてください。
意味を理解しやすくなるうえに応用の幅も広がる、英語上達のコツです!