西東 たまき
(更新)
今回は、英語の句読点「アポストロフィ」の使い方、そのなかでもアルファベットの「s」と一緒に使うケースについて見ていきます。
英語では、アポストロフィと s を一緒に使うと所有を表す表記になります。しかしよく見ると s の前にアポストロフィがある場合と、s の後ろにある場合があるということに気付いていましたか?
ここでは、これらのアポストロフィの意味と使い分けを解説していきます。もし、アポストロフィ+s の使い方に不安があるようなら、この機会におさらいしておきましょう!
まずは、apostrophe(アポストロフィ)の説明から始めていきましょう。
英語の punctuation(句読点)のなかでよく知られているのは、 period(ピリオド、イギリス英語では full stop)や comma(コンマ) です。これらは日本語の「。」や「、」と同じように使えるため、使い方に疑問を感じる機会はあまりないかもしれません。
今回のトピックであるアポストロフィもまた句読点の一つ。大きく分けて、「所有を表す使い方」と「言葉の短縮を示す使い方」の2つがありますが、ここでは所有を表すケースにフォーカスします。
英語の基礎を知っている人には、所有を表す次のような表現は慣れたものでしょう。
「私のおばあちゃんのレシピを試してみて」
「あなたの友達の名前、何だっけ?」
「私は誰の名前も知らない」
「今朝、CEOのメッセージが発表された」
英語では、言葉の後ろにアポストロフィ( ' )と s を付けるだけで、「〇〇の」という表現になってしまいます。アポストロフィがあるかないかで意味が変わってしまうのです。
(例)
また、's は、生き物だけに使うとは限りません。
「これに関する政府の政策は支持する?」
「この銀行のATMは他言語対応です」
そして、国や世界、都市名に対しても使えます。
「中国の反応はどう?」
「その国の人口は減ってきている」
「日本は世界で最も高齢の国です」
「彼女は東京で人気のエリアに住んでいます」
次のような使い方も目にしますよね。
「今日のメニューは何?」
「大晦日に何があったか覚えてる?」
しかし、疑問を感じるのは複数形のときではないでしょうか。所有を表す 's を付けようにも、すでに複数形の s が付いていることがあったりします。
このような場合は、s の後ろにアポストロフィだけを付け加えてください。applicants's や、doctors's のようにはしません。
「これは先生方の住居です」
「同僚の名前を覚えなさいよ」
「2週間の有給休暇がある」
「すべての従業員の連絡先が、そのリストに載っている」
では、複数形でありながら最後に s が付かないタイプの単語ではどうでしょう? そんなときは基本に沿って 's を使ってください。
「うちの子どもたちの写真はどこ?」
「ネズミの寿命はどのくらい?」
「これが女性たちの意見です」
「人々の権利について話し合った」
複数形の s で終わる単語にはアポストロフィだけを付けるのが基本ルールでしたね。では、複数形ではないけれど s で終わる単語だとどうでしょうか?
複数形ではなくもともと s で終わるスペルの単語の場合は、's を付けてもアポストロフィだけでも「どちらでもよい」とされています。ただし、同じ文書のなかではどちらかに統一するようにしましょう。
「彼女はカルロスのお母さんだね」
「これは、アテネでもっとも古いビルです」
「A と Bの~」のように共同の所有を表すときは、最後の名詞にだけ 's を付けます。つまり、A and B's のようにします。
「マリーとジェーンの記念日は明日だ」
「ジャックとジルの新居を訪ねる」
しかしながら、「A の~と B の~」のように、A と B が各自で所有している場合は、それぞれに 's を付けます。つまり、A's and B's といった形です。
「あなたのお母さんのとお父さんの許可が必要です」
「ナイーマのチャパティとカシムのサモサを堪能してね!」
たった一つの小さな点ですが、英文において大切な役割を持つアポストロフィ。今回は所有を表す使い方を特集しました。
Let's や o'clock といった身近な言葉にも入っていますし、rock 'n' roll(ロックンロール)には2つも入っていますね。スラングの表記ではアポストロフィが多用されますし、O'Neill(オニール)や O'Connor(オコナー)など、人の名字にまで入っていたりします。
アポストロフィの使い方の多様性を知ったら、これから英文を読むときは意識してみるといいですよ!