さな
(更新)
ビッグサイズ。
ラージサイズ。
どちらも意味は同じですよね。みなさんはビッグ (big) とラージ (large) の違いについて考えたことがありますか?
big という言葉は紀元1300年から存在していて、もともとは「強い」「強大」という意味で使われていたそうです。しかし今では「大きい」という意味で使われることが一般的ですよね。
では、同じく「大きい」という意味である large とはいったい何が違うのでしょうか?
類義語なのでもちろん直訳すると意味は同じなのですが、実は使い方やニュアンスに少し違いがあるのです。本記事では、英語ネイティブである筆者が big と large の使い方の違いについて解説します!
まずは違いに目を向ける前に、big と large の共通点を見てみましょう。
big と large はどちらも「大きい」という意味の形容詞です。
また、どちらも可算名詞としか合わせることができません。
では、この使い分けについて、例を見ながらもう少し詳しく説明してみようと思います。
This is a big tree.
This is a large tree.
「木」は1本、2本と数えられるので、big と large どちらを使用しても問題ないです。どちらの組み合わせでも「大きな木」という意味になります。
次は、big と large を間違って使用している例を見てみましょう。
That is a big water.
That is a large water.
「水」は不可算名詞なので、big や large は使えません。なぜなら、水そのものは数字を使って数えられないからです。正しくは a large amount of water もしくは a lot of water になります。large+amount の使い方については後ほど説明するのでご心配なく!
文法的には big と large の使い方は同じです。では、いったいどのような違いがあるのでしょうか? 簡単にまとめると、大きな違いは以下の3点です。
まず、large は big より少し丁寧という印象があります。
こちらのサイトに記載してあるように、big は日常的な会話で使用することが多いですが、large は文面やフォーマルな場面で使うことが多いのです。
たとえば、a big house と a large house は意味は全く同じですが、後者のほうが少し丁寧になります。
「物理的な大きさ」を示しているとき以外に big が使われているのを見たことはありませんか?
ではここで、big のさまざまな使い方をいくつかご紹介したいと思います。
「グーグル社は大企業だ」
従業員がたくさんいて規模が大きい会社のことを big company と言います。
「地球温暖化は深刻な問題だ」
ここで使われている big は「深刻」という意味であるため、serious や major といった言葉を代わりに使うこともできます。
「この会社はファッション業界でとても知名度が高いです」
たとえば a big name は「大きな名前」ではなく、よく知られている人物や名称、または影響力のある人物を意味する表現になります。
「私には兄が2人、そして妹が1人いるよ」
インフォーマルな場面で兄や姉を表現したい場合、big brother/big sister を使うことができます。これをフォーマルに言いたいのであれば、elder (または older)を使ってください。
「彼はかなりのいじめっ子だ」
big を強調文として用いる場合、「かなり」のようなニュアンスになります。たとえば、「彼ってかなり子供っぽいよね」と言いたいとき、He’s such a big baby/He’s so childish というふうに表現できます。
「君、太っ腹だね」
Big-hearted という言葉を聞いたことありますか?「心が大きい」や「心が広い」という意味合いで使われる言葉ですが、略して big of you または big of him/her などのように使われることもあります。
big は目に見えない大きさに対して使用されることが多いということがわかりましたね。では large は基本的にどのように使うのでしょうか?
物理的な大きさを示していない場合、large は「数量を表す言葉」(英語ではexpressions of quantity)と組み合わせて使われることが多いです。
たとえば、お金の話をしているとき、 a big amount of money ではなく a large amount of money と言います。これは、amount が数量を表す言葉だからです。ほかにも、quantity、percentage、volume、area などといった言葉を使うときは large を使用するようにしましょう。
それではここで例文を見ていきたいと思います。
「彼はいつも食べ物を大量に買います」
「大量」は直訳すると large quantity になります。big quantity と言わないように気を付けましょう。
「多くの高齢者がひとり暮らしをしています」
A large number of〜 は「多くの〜」という意味になります。
「多くの大学生はアルバイトをしています」
percentage という言葉を使う場合も large と合わせて使いましょう。
「土地の広い領域は『陸塊』と呼ばれます」
large area は「広い領域」、「広い範囲」、または「広い地域」という意味になります。
なんとなく理解できたでしょうか? 要するに、large は目に見える「物理的な大きさ」の他に、金額や数量を表すときに使うということを覚えておけば問題ないでしょう!
英語はスラングが多い言語ですよね。知っている言葉なのに、全く意味のわからない使い方をされていて混乱した経験はないでしょうか?
そこで、big と large を使った慣用句をいくつかご紹介していきたいと思います。
Big mouth - よく自慢をし、目立ちたがる人。また、秘密を守らない人。
「私の同僚はかなり口が軽いです」
Big deal - 大したこと。
「心配しないで! 大したことじゃないよ」
Big cheese - 偉い人、重要な人物。
「彼はこの会社でもっとも偉い人です」
Big picture - 全体像。
「全体像を見ることが大事です」
Big time - 大いに。かなり。(スラング・インフォーマル)
「かなり失敗した」
Big word - 難しい言葉。(インフォーマル)
「彼は難しい言葉ばかり使うから理解ができない」
To make it big - 大成功する。
「彼女は音楽業界で大成功することが夢です」
To think big - 大きく考える、野心的に考える。
「この事業を成功させるためには、我々は大きく考える必要があります」
At large - (意味1)大体、または大半。(意味2)逃走中。
「一部には不満もあったが、国民は全体的に新しい知事を支持しました」
「昨日の朝、刑務所から脱走した犯人がまだ逃走中です」
Larger than life - 堂々とした性格。また、伝説的・偉大な存在であること。
「彼女は偉大だった」
このような慣用句を普段の会話で使えると、なんだかカッコいいですよね!
英語には類義語がたくさんありますよね。では、「大きい」を big と large 以外で表現したいとき、どのような言葉が使えるのか見てみましょう。
Huge - big や large よりもさらに大きい。
「彼の家はかなりでかい!」
Gigantic - 巨大な。
「象は巨大な動物です」
Enormous - とてつもなく、並外れて大きい。巨大な。
「地面に巨大な穴があります」
Colossal - 巨大な、壮大な。度を越して大きい。
「この会社でのあなたの役割は壮大です」
Massive - 大規模。
「大規模な地震は数多くの建物を破壊した」
Great - 程度、量、強度が平均を大幅に上回っていること。また、多大な。
「彼女は私のプロジェクトを手伝うのに多大な努力をしました」
「素晴らしい」や「立派な」という意味も持つ great ですが、平均を大幅に上回っている量などに対して使うことも多く、a great amount of work や great progress などのように用いることもできます。
Grand - 壮大、猛大、見事。
「先週の日曜日、私たちは壮大な結婚式に出席しました」
上記のリストにある言葉は、ほとんどが big や large よりもさらに大きいものを表す単語となっています。うまく使い分けることで英語力に差が出てくるので、ぜひ使ってみてください。
big と large は類義語なので、どういうふうに使い分けるのか深く考えたことはないかもしれません。英語ネイティブの人に聞いてもすぐに答えられない場合もあると思います!
「でかい」「大きい」のように、同じ言葉でも丁寧さは異なりますよね。英語でもこういったことはよくあります。
big は large に比べると使うシチュエーションも多いですし、意味もたくさんあります。また、huge や grand のように類義語もたくさんあるので、ぜひ普段の会話でも使ってみてください。