西東 たまき
(更新)
「選ぶ、選択する」を英語で表すには、どんな表現を使いますか? choose や select といった単語がすぐに浮かぶかもしれません。
それらの名詞形である「チョイス(choice)」や「セレクション(selection)」というカタカナ語は普段から日本語でもよく使われていますね。そのせいか、choose と select の違いや使い分けに悩むことはそれほどないかもしれません。
では、それら2つの英語 choose と select にニュアンスの違いなどはないのでしょうか? 英語で「選ぶ」を表現するほかの言葉はないのでしょうか?
今回は「選ぶ」を表す英語表現についてご案内していきます!
言葉・表現のニュアンスの違いを知り使い分けできるようになるには、多くの例文に触れて感覚的に理解するのが一番です。ここでは「選ぶ」を意味する英語表現としてよく使われる chose と select、さらに pick とopt for を取り上げて説明していきます。
「選ぶ、選択する」を表現するときにもっとも一般的な英語が choose です。過去形は chose、過去完了形は chosen と不規則に変化することに注意しましょう。
「複数の選択肢を比較検討して、自分がもっとも良いと思われるもの、自分の好みのものを選択する」ニュアンスで、幅広い場面で使えます。
「自分がもっとも良いと思われるもの、自分の好みのものを選択する」とはすなわち、「決める、意志を持って決断する」という表現にもなります。
名詞形は choice です。
By choice は「自分で選んで=自分の意志で」、by chance は「偶然に、たまたま」という意味のフレーズです。相反する表現として、この2つはしばしば組み合わせて使われます。
特定の選択肢の中から「それぞれの選択肢に向き合い、適切だと思われるものを意識して選ぶ」というイメージがあります。
堅めの響きがあるので、ビジネスやフォーマルな場面でよく使われます。パソコンや携帯電話などでさまざまな項目や機能を「選択する」や、文章やセルを「選択する」を英語で表現するのに使われるのは select です。
pick には慎重さはありません。軽い気持ちで感覚的に選ぶ感じです。
pick には「摘まむ、摘まみ取る」といった意味があるので、そんなニュアンスで理解するとよいでしょう。
日本語では「旬の話題をピックアップしてお伝えします」のように言うことがありますね。「選び出す、選び取る」というイメージから、つい pick up と言いたくなりそうですが、英語の pick up は「選ぶ」の意味にはならないことに注意しましょう。
pick up は「拾う、拾い上げる」、そしてそこから派生するさまざまな意味を持っています。
Opt もまた「選ぶ」という意味の英語です。選択、選択肢という意味でよく使われているカタカナ語「オプション/option」と関連させると覚えやすくなります。
Opt for +名詞で「〜を選ぶ、選択する」になります。
対立や反対を示す against と組み合わせ opt against +名詞とすると、「~しないことを選択する、~を選ばない」という逆の意味を作ります。
Opt in(~に参加・加入することを選ぶ)、opt out(〜に参加・加入しないことを選ぶ)という表現にもなりますよ。
動詞を繋げる場合は opt to +動詞とします。
「選ぶ」という英語表現にも、いろいろな言い表し方があることがわかります。
厳密に比べるとニュアンスの違いはあっても意味は通じるので、書き手が伝えたいニュアンスに沿って単語選びをして構いません。どうしても迷ったときは choose を使うと無難でしょう。
使い分けの感覚は、さまざまな英文に触れることで徐々に身に付いていきます。どんな状況でどんな「選ぶ」が使われているか、意識してみるとよいでしょう!