英語の集合名詞(collective noun)とは? 単数・複数などを徹底解説
英語学習者なら、英語を学ぶ中で「名詞」という言葉を目にしたり、耳にしたりすることが多いと思います。
今日のタイトルの「名詞」の文字を見て、「あ〜名詞なら大丈夫」「名詞くらいはわかるよ」と思った方はいませんか?
一見シンプルそうな名詞ですが、実はいろいろな種類があり、意外と覚えなければいけないことがあるんです。
今日は名詞の中でも「集合名詞」に焦点を置いて、詳しく解説していきたいと思います。
英語では collective noun と言い、collective には「集合的な・総体の」という意味があることからも、何か集合的なものを表す名詞だということがわかりますね。
それでは早速この「集合的な名詞」がどのようなものかを見ていきましょう!
「集合名詞(collective noun)」とは?

名詞は文法的に分類すると、「数えられる名詞(可算名詞)」と「数えられない名詞(不可算名詞)」の2つに分けることができます。
意味や性質的に分類すると、普通名詞・集合名詞・固有名詞・物質名詞・抽象名詞の5つに分けることができます。
普通名詞はすべて可算名詞なのに対し、固有名詞、物質名詞、抽象名詞は例外を除いて不可算名詞です。
集合名詞に関しては、通常は可算名詞として用いられますが、不可算名詞として用いられる場合もあるので、ここでしっかり基本的な用法を覚えましょう!
- 単数・複数両方の扱いをするタイプ→可算名詞
- 常に複数扱いのみのタイプ→可算名詞
- 常に単数扱いのみのタイプ→不可算名詞
集合名詞は、同じ性質や種類の集合体を表す名詞のことを言い、数えられる集合名詞は、①単数・複数両方の扱いをするタイプと、②常に複数扱いのみのタイプがあり、数えられない集合名詞は③常に単数扱いのタイプとなります。
たとえば、皆さんもよく知っている集合名詞 をいくつかあげてみます。
| 英語 | 日本語 | 備考 |
| family | 家族 | 人の集合体を表す |
| police | 警察 | 警察官の集合体を表す |
| furniture | 家具 | 物の集合体を表す |
実はこの3つの集合名詞は、それぞれ異なるタイプなので使い方に気をつけなければいけません。
「もうすでに頭がこんがらがってきた!」という人は、次項で詳しく解説していきますので安心してください!
数えられる集合名詞

数えられる名詞(可算名詞)とは、形や限りがあって、1つ、2つと数えられる名詞のことを言い、以下のような特徴があります。
- 単数・複数の区別ができる
(a cat, cats) - 単数には不定冠詞 a/an がつく
(a girl, an umbrella) - 数詞をつけることができる
(two dogs, ten teams) - 複数の場合、不定の数を表す語 a few/many/several をつけることができる
(a few minutes, many houses)
前項であげた3つの集合名詞 family、police、furniture の中で、family と police は数えられる集合名詞になりますが、数えられる集合名詞の中にも、下記の2種類があります。
- 単数・複数どちらの扱いもできる場合
- 常に複数扱いする場合
単数・複数扱い(family タイプ)
まず、数えられる集合名詞で、単数・複数両方の扱いができる場合を見ていきましょう。
単数形にも複数形にもなれるなんてややこしそうですが、その集合体をどういうまとまりとして見ているかを考えれば、単数なのか複数なのかが意外と簡単に判断できます!
family は単数・複数扱いできる典型的なタイプなので、family を使った例文を見ながら解説していきたいと思います。
「スミス家は8人家族だ」
→スミス家を1つのまとまりとして見ているので、単数扱いにします。単数扱いなので、動詞 consist には s がつきます。
「彼女の家族のほとんどは、音楽家です」
→ここでは家族を1つのまとまりとは考えず、家族一人一人のことを言っているため、複数扱いにします。そのためbe動詞は is ではなく are です。
「その小さな村には10家族しかいない」
→集合体が複数ある場合は(ここでは「家族」という集合体)family を複数形の families にすることができます。数えられる集合名詞なので、ten という数詞をつけることもできます。
family と同じように数えられる名詞(単数・複数両方の扱い)として用いられる集合名詞にはほかにも以下のようなものがあります。
| audience | 聴衆 |
| class | クラス |
| company | 会社・社員 |
| generation | 世代 |
| nation | 国民 |
| staff | 職員 |
| team | チーム |
常に複数扱い(police タイプ)
次に数えられる集合名詞で、常に複数扱いをする場合を見ていきましょう。
このタイプの集合名詞は、複数扱いをするにもかかわらず、複数形にせず、もちろん a や an もつきませんので注意しましょう。
police がこの典型的なタイプですので、police を使った例文を見ながら解説していきたいと思います。
「警察はそのクラブの強制捜査を予定している」
→常に複数扱いなので polices とすると間違いです。複数扱いなのでbe動詞は is ではなく are を使います。
「警察は逃亡囚を探している」
→このように police に the がつくと警察全体を指すことができます。この場合も複数扱いなので、has been ではなく have been となります。
「そのデモで10人の警察官が負傷した」
→警官を個々に表したいときは a police officer/three police officers のように表すことができます。
police と同じように数えられる名詞(常に複数扱い)として用いられる集合名詞にはほかにも以下のようなものがあります。
| cattle | 牛 |
| people | 人々 |
| clergy | 聖職者 |
| poultry | 家禽 |
数えられない集合名詞

数えられない名詞(不可算名詞)とは、1つ、2つと個数で数えることができない名詞のことを言い、以下のような特徴があります。
- 原則的に複数形にしない
(milk など) - 数詞を直接つけない
(two furniture とは言わず two pieces of furniture と言う) - a や an の不定冠詞をつけない
- 量の多い少ないを much や little で表すことができる
常に単数扱い(furniture タイプ)
数えられない集合名詞は常に単数扱いをし、furniture がこのタイプの代表的な名詞になりますので、furniture を使った例文を見ながら解説していきたいと思います。
「地下に処分しなければいけない古い家具がある」
→地下にある家具は1点かもしれないし、複数あるかもしれませんが、このように単数扱いにします。
「私はその家具屋から家具を3点購入した」
→数詞を直接つけることはできないので、three furnitures と言うことはできません。furniture の場合は a piece of ~、an article of ~ をつけます。
「閉店セールの後、ほとんど家具が残っていなかった」
→数えられない集合名詞は、much や less を使って量の多少を示すことができます。
furniture と同じように、数えられない名詞(常に単数扱い)として用いられる集合名詞にはほかにも以下のようなものがあります。
| baggage | 手荷物 |
| clothing | 衣類 |
| jewelry | 宝石類 |
| 郵便物 | |
| foliage | 木の葉全体 |
注意が必要な集合名詞

集合名詞の中でも、fruit、fish、hair、people の使い方には特に注意する必要があります。
fruit
- 単に果物を表すときは、数えられない集合名詞として単数扱いをします。
- 果物の種類を言うときや「成果・結果」の意味を表す fruit のときは、数えられる集合名詞として使います。
「果物はビタミンCをたくさん含んでいる」
「普段どんな(種類の)フルーツを食べますか?」
fish
- 魚を集合的に見たり、魚類とくくったりする場合は、単数であっても複数であっても fish とします。
- 魚の種類や、個々の魚を言うときは、可算名詞で複数形は fishes とします。
「私たちは川で泳ぐ魚の群れを見た」
「私たちは釣りに行ったが、数匹しか釣れなかった」
「私はオーストラリアに生息する海水魚(の種類)についての本を読んだ」
hair
- 頭髪全体を言うときは、常に単数形を使います。
- 髪の毛一本一本を言うときは、複数なら複数形にします。
「彼女は黒い巻き毛です」
「白髪が何本かあるよ」
people
- 「人々」の意味で使うときは、常に単数形(peoples としない)で複数扱いをし、many や数詞をつけることができます。
- 「国民・民族」の意味で使う場合は、数えられる名詞として扱われるので、例えば1つの国民・民族なら a people、複数の民族なら many peoples のように表現できます。
「多くの人は新しい上司に満足していない」
「日本人は礼儀正しい国民と言われています」
「集合名詞(collective noun)」を使いこなそう
今日は名詞の中でも集合名詞について解説しましたが、いかがでしたか?
集合名詞は大きく3つのタイプに分けることができました。
- family タイプ
- police タイプ
- furniture タイプ
単数、複数の両方の扱いができ、1つのまとまりとして見るなら単数扱い、個々に見るなら複数扱いをしました。
常に複数扱いですが、このタイプの集合名詞は複数形をとらず、a や an もつけませんでした。
数えられない名詞として常に単数扱いでした。
これらのほかにも注意すべき集合名詞があったので、ここで合わせて覚えるようにしましょう。
数えられる名詞や数えられない名詞、単数扱いや複数扱い、といった言い方で頭が混乱してしまう方もいると思うので、例文と一緒に覚えるのがベストだと思います。
この記事を参考に、ご自身でも例文を作りながら覚えると良いでしょう!